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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
〜眠れる祝福〜
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Peace2-1

帰宅後、みれいは部屋中を漁り、あるだけの日記を開く。

しかし、記憶にないことが書いてあるものはなかった。

(あれ?なんだっけこの手帳?)

ベッド付近にあるサイドテーブルには本が収納されている。その本棚に1冊、見覚えのない手帳があった。

『4月9日 初めて明晰夢を見ました!!夢だけど、仮想空間みたいなものらしいです。教会が綺麗!!おしゃれ!!しかもミュミュと話ができる!!』

「ミュミュと!?どういうこと⋯ミュミュと話したいとは数え切れないくらい思ってたし、寧ろそんな夢見たら覚えてるのに!」

『ゆらとふらんもいたけど、知らない人もいて可愛い守護精霊が沢山います!ミュミュって守護精霊だったんだ!!だからうちに来たんだそうです。流石運命の守護精霊。運命って本当にあるんですね〜。』

階段を駆け下り、ミュミュを探す。

みれい「ミュミュ!!」

ミュミュ「みゅ?」

ミュミュはソファに座っていた。

みれい「ねえ、このノート、ミュミュが守護精霊…ってどういうこと!?ミュミュが一緒にいてくれるのは⋯この家に来たのは運命なの!?」

ミュミュ「みゃあ!!」

ミュミュが丸い目を今までに見たことが無い程開け、こちらを見つめて鳴いた気がした。だが、現実のミュミュとは当然、話すことが出来なかった。

みれい「どういうこと⋯4月9日って日曜日で⋯あれ、次の週も⋯え!?先週まで書いてある!?なんでこの日記⋯早く気が付かなかったんだろ⋯。つまり、日曜日の夜、寝てる時にこの世界にいて、この日記を書いてるってことだよね⋯。」

『自己紹介もしましたけど、全員の名前覚えきれないので書いてもらいました!ゆらとふらんにも!』

そこには8人の名前と8精霊の名前、デフォルメ化されたそれぞれの似顔絵が書かれていた。

『宝華りおう』

「え⋯宝華りおうって⋯ここでも会ってたのですか⋯?」


-次の日-

1週間に1回の親睦を深める日だが、今日のみれいとりおうはそれどころではなかった。

近場のカフェへ入り、りおうに昨日の出来事を話す。

みれい「りおう!知ってたのですか!?」

りおう「だから何がですか!メールにも書きましたけど、何ですかその話⋯。」

みれい「これ!」

りおうに日記を見せる。

りおう「リュリュって⋯うちの猫⋯。」

りおうは日記を隅々まで熟読していた。

みれい「あの⋯日記なんで真剣に読まれたくないところもあるのですが⋯。」

りおう「みれい、次の日曜日の夜、つまり明日夢を見たら、またこの日記を見せてください。」

みれい「え?りおう読んだだけで思い出したのですか?」

りおう「いや、全く心当たりがありません。だからろわに聞こうと思いまして。」

みれい「ろわ?あーこの神楽ろわって人と知り合いなのです?」

りおう「腐れ縁です。兎に角聞いてみますから。」

みれい「え、でもここに『ろわでもこの世界のこと、よく分からないらしい』って⋯。」

りおう「まあ全部は知らないんでしょうけど、違和感しかないです。本当は忘れていた方が都合がいい、みたいな。」

みれい「なんででしょう⋯。皆に聞きたいですが、最初のページに『夢の中のことは現実世界では話しちゃだめらしい』って。そう言いながらりおうには聞いておこうと思って聞いちゃいましたが。」

りおう「結局、明日を待つしかないみたいですね。」

りおうはみれいの日記の内容を自身の手帳に要約し、この日は解散となった。


-回想 教会に初めて集った夢の中-

ミュミュ「これに、ここであったことを書いておくミュ。」

みれい「何で?」

ミュミュ「現実世界で夢の中の出来事を忘れちゃうからミュ。」

みれい「どういうことー!?こんなに創作に役立つことが、現実では忘れてるなんて…。他の皆も忘れちゃうの?」

ミュミュ「忘れる人と忘れない人がいるミュ。」

みれい「何でみれいは忘れるんだあ! 分かった!後でゆらとふらんに、現実で夢の中のこと覚えてたら教えてって言っとこ〜!」

ミュミュ「言っても、現実世界でみれいが気づくまで、皆には聞こえないミュ!」

みれい「聞こえない?どういうこと?」

ミュミュ「ゆらとるかがお互い認識できないのと一緒ミュ。これはみれいの呪いだから、自分で気づくまで待つミュ。」

みれい「さっきから呪い呪いばっかり…。」

ミュミュ「皆それぞれ、試練があるミュ。だからみれいも、試練を乗り越えないといけないミュ。植物を育てるだけじゃ駄目なんだミュ。」

みれい「なんか、思った以上に自由のない世界だね〜。まあ現実と一緒か。」

ミュミュ「自由すぎたらそれはただの混沌ミュ。」

みれい「でも、どうやって現実で気づくの?」

ミュミュ「この本だけ、夢の中と現実を行き来できるミュ。きっとみれいのサイドテーブルの本棚に入ってるミュ。」

みれい「みれい、サイドテーブルあんまり見ないんだけど…。気づくのに時間かかりそう…。お願い!現実のみれい!早く気づいて!」

みれいは本を力強く手で押さえ、祈りを込めた。

ミュミュ「何やってるミュ…。」


-夢の中-

りおうは夢の中で目が覚めた途端、ろわの元へ向かう。

りおう「ろわ、何故りおうだけでなく、みれいもここの世界の記憶がなくなっているんですか?」

ろわ「やっと聞きに来たと思ったら、みれいのことなんだ。」

りおう「その答えようだと、りおうだけが忘れる訳ではないようですね。⋯ここで起きた出来事を覚えていないのは、りおうとみれいだけなんですか?」

ろわ「⋯うん。それが2人の呪いだから。

どうして今まで聞きに来なかったの?」

りおう「そんなの自分だけ、若しくは全員記憶がなくなるのだと思っていたからです。どちらにせよ、りおうにとってこの世界を忘れられることは都合が良かったですし、どうせ忘れるのだから、思う存分園芸ができると思いました。ですが、そうでないみれいまで記憶が消えるなんて。りおうは構いませんが、みれいが忘れる必要はないじゃないですか。」

ろわ「悪いけど、私がそうしたくてそうしてる訳じゃない。勿論シュシュも。原因だってよく分からない。」

りおう「じゃあせめて、憶測だけでも教えてください。」

ろわ「⋯無理だよ。」

りおう「⋯何故っ」

ろわ「そんなの私にだって分からないよ!」

リュリュ「2人とも落ち着くリュ!」

シュシュ「シュシュとリュリュとは仲良しシュ!2人も仲良くしてシュ!」

レレ「大きな声出してどうしたレ〜?」

せれん以外の皆がりおうとろわの元へ駆け寄る。

ふらん「そうだよ、何があったの?」

りおう、ろわ「⋯。」

みれい「それは、みれいから話します。」

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

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