表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
〜眠れる祝福〜
PR
35/129

Peace1-4

その後、みれいは課題であった動物のデッサンを描き終えた。

みれい「やっと終わりましたー!」

りおう「お疲れ様です。見ても良いですか?」

みれい「…いい…ですよ。」

りおう「何故自信なさげなんですか?」

みれい「抽象画以外は得意じゃないのです。」

りおう「普通に上手だと思いますが。」

みれい「それですよ!抽象画には上手とか下手とか、そういうことを思わないのに、現実に見本があるものを描くと判断できちゃうじゃないですか!美術には優劣がないと思っていたから、学びたいと思ったのに…。」

りおう「確かに、芸術はブランドになるまで、比較されそうですね。」

みれい「それはそうと、りおうは課題とかないのですか?今日はみれいの課題に付き合ってもらいましたし、行きたいところがあれば行きますよ!」

りおう「課題は基本家で片付けられるものばかりですし、これといって行きたいところは…」

みれい「そ、そうですよね…りおうは勉強できそうですし…。」

りおう「…強いて言うなら、『人の成長と環境について』という課題で、何かしら展示会に行ってレポートを提出しなきゃいけないんです。あまり展示会に行ったことがないのですが、おすすめはありますか?」

みれい「…!それなら今度、絵本歴史展があるのです!そこで好きな作家さんがサイン会をするんですけど、良かったら一緒に行きませんか!?本当はゆづきと行く予定だったんですけど、急用があるみたいで、チケット1枚余ってるんです!」

りおう「絵本歴史展、面白そうですね。作家さんに質問できるのなら、とても良いレポートが書けそうですし、行ってもいいですか?」

みれい「勿論です!次の予定は決まりですね!」


-大学 園芸サークル-

園芸サークルの活動中、りおうはゆづきがデッサンをしているところを見かける。

りおう「もう休憩終わりますけど、どうしますか?」

ゆづき「!?そんな時間!?教えてくれてありがとう!」

りおう(この人って確か、みれいと同じ芸術学部の⋯)

りおう「あの、デッサンって上手と言われても嬉しくないものなんですか?」

ゆづき「え?ううん、そんなことないけど⋯」

りおう「やっぱり普通はそうですよね。(みれいが不思議なだけですね。)」

ゆづき「⋯もしかして、みれい?」

りおう「よく分かりましたね。」

ゆづき「褒められても喜ばなさそうなの、この学部でみれいだけだよ。」

りおう「そんなに有名なんですか?」

ゆづき「有名というか、友達だし。⋯みれいって本当に芸術家って感じで、異色で凄いんだ。ゆづきは努力で培ってきたから、時々羨ましくなる。」

りおう「みれいが才能だけなら、それはそれで大変なんじゃないですか?普通に合わせようとしても常識から外れて、作家としての道を進みたくてもビジネスや運がないと売れない。何かにしがみつきたくて学校にいても、何れは卒業するんですし、あの人なりに孤独感を感じてると思いますよ。」

ゆづき「みれいのこと、よく知ってるんだね。」

りおう「いえ、ただの勘です。少しだけ考え方が似てるので。」

りおう(この2人はお互いないものねだりをしているのでしょうか。何れ仲違いしないか⋯は杞憂ですね。)


-絵本歴史展 サイン会-

りおうとみれいは一通り展示を見てまわり、『迷える天使』のサイン会が始まる時間となった。

みれい「緊張します…。」

りおう「何故ですか?ずっと会いたかったのでしょう?」

みれい「だからですよ!昨日もよく眠れませんでしたし、会った時に聞こうと思ってたことを10選まで厳選してきた筈なのに、全部吹っ飛びそうです…。」

りおう「そんなに質問する暇ないでしょう…。」

「『迷える天使』の作者、キンギョバチ先生の登壇です。」

舞台に作者が現れ、一斉に拍手が送られた。

みれい「…ゆうり…先生!?!?」

りおう「ゆうり先生?」

みれい「あの人、ゆうり先生じゃないですか!?」

りおう「そんな事言われても知りませんよ…。」

みれいは、舞台に立っているミルクティー色の髪を淡く結っている人物に見覚えがあった。

飼い猫であるミュミュとみれいを出会わせてくれたブリーダーであり、時々人生相談にのってくれている天王寺ゆうりという、みれいの尊敬する人だ。


-回想 ミュミュとの出会い-

動物の家族を迎えるため、みれいは父親に連れられ、ブリーダーのところへ赴いた。初めは沢山の犬猫に囲まれ、心を弾ませるも、この犬猫の中から選べなくてはならないという現実に、ひしひしと心が痛む。そんな時、

父「この猫、可愛いね。」

みれい「うん、そうだね。」

(どうしよう、来てみたら皆可愛くて、誰かを選んだら誰かは選ばれなくて…そんなの嫌だ…。)

みれいが選べないと伝えようとすると、もう父は猫を家に迎え入れる手続きをブリーダーさんと進めていた。

父に本当のことを話すか躊躇っていたみれいに、ブリーダーさんがそっと近寄る。

ブリーダー「その子、なんて名前にするかもう決めてるの?」

みれい「えっと…。」

ブリーダー「もしかして、他に気になる子いた?皆可愛いもんね。」

みれい「いや、あの…本当に選んでいいのかなって。みれいは動物の言葉分からないし、この子がうちに来たいのかも、他に来たい子がいるのかも分からない…。だから、間違ってたらどうしよう…。」

ブリーダー「…大丈夫。少なくとも、あの子は貴方に興味あるみたいだよ。」

みれい「そう…なの?さっきからずっと端っこにいるけど…。」

ブリーダー「あの子はここに来た時から、他の子と馴染めてなくて、誰よりも警戒心が強くて繊細な子なんだ。普段だったらこのスペースにすら出てこないのに、端っこにいるなんて珍しいんだよ。」

みれい「そうなんだ…。」

ブリーダー「うん、だからまずはあの子の事を目一杯大事にしてあげて。他の子は私と他の人達がちゃんと面倒見続けるから。」

みれい「⋯!うん!ありがとう。」

それからミュミュの健康診断に訪れる際に、そのブリーダーさんと会うことが多く、いつの間にかミュミュの話だけでなく、みれい自身の近況報告までする仲となっていた。

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ