Peace6-3
ゆら「………。そんなこと考えたことありませんでした!理由を聞かれると分からないですね!」
るか「ええ…じゃあ何でるかに好きって言ったの?」
ゆら「な、何故と言われましても…その辺りは感覚というか、言語化が難しくて…。ただ、強いていうなら、恋愛的な感覚の好きと、皆に対する信頼の好きが、初めて重なった存在…といえばいいのでしょうか…改めて考えると難しいですが。」
るか(そう言えば、かすむも恋人ができた時、感覚とか言ってたっけ…。かすむは確かに無自覚タラシだけど、それでも傷つくかもしれないのに、告白を断り続けてたのって、かすむは自分に素直なだけじゃなくて、相手を想ってたから…なのかな。)
るか「…ゆらみたいに直したくても人を好きになりやすい人がいるなら、かすむも直したくても好きになられやすかったのかな…。」
ゆら「かすむ先輩は、凄く魅力的な人です。周りをよく見ていて、とても芯のある、綺麗でかっこいい憧れの存在でした。」
るか「芯がある…?どこでそう思ったの?」
ゆら「え?それは沢山ありますが、一番そう思ったのは、あんなに人から愛される存在なのに、驕らないで自分が好きになった人と恋人同士になって、もっと好きになってもらおうと、頑張ってるところ、ですかね…。時々学校でも会いますが、かすむ先輩はお付き合いをされてから、より一層キラキラして見えます。自分で幸せを見つけれる人って、自分を大切にできる人だと思うんです。」
るか「…そんな風に考えたことなかった…。るかは、かすむに振られて逆恨みしてた人達と同じくらい…捻くれた考え方をしてた…。ごめんね、るかが勝手に、恋愛に苦手意識があるだけなのに、恋愛をするゆらやかすむのこと…ちゃんと見れてなかった…。」
ゆら「ゆらの方こそ、好きなんていう一方的な感情をぶつけてしまってごめんなさい。
でも、ゆらもこの体質を直そうとしても、中々直らないから、形は違えど、親近感が芽生えました!やっぱり人って簡単には変われないですね…!」
るか「じゃあ、どうしたら…。」
フィフィ「だからるかも、考え方を変えるんですフィ!」
ゆら「フィフィ!いつから!?」
メメ「最初からずっと聞いてたメ。」
るか「メメまで!?」
メメ「るかもゆらも、考えすぎたら迷宮に彷徨うタイプなんだメから、もっと感覚で生きるメ。
2人とも頭で考えるの向いてないメ。」
ゆら「若干貶されてる気が…。」
フィフィ「兎に角、考え方を変えたら、ゆらは少し楽になったですフィ。変えたというよりるかに惚れてしまっ…」
ゆら「フィフィ!余計なこと言わないでください!」
るか「考え方を変える…いきなりは難しいけど、自然と変わるかな。」
ゆら「はい!価値観ってすぐ変わるものらしいですよ。だからるかが恋愛に対して気づき、深掘りできたのは、凄く前進してると思います。」
るか「…ゆらも、前進してるね。」
ゆら「え?」
るか「前みたいに『偉そうな事言ってごめんなさい』とか、気にしなくていい事言わなくなったから。」
ゆら「…そう言えば、確かに。な、生意気だったでしょうか。」
るか「戻っちゃった。」
ゆら「え!?ごめんなさい…じゃなくてえっと…。」
るか「ごめん、全然良いと思う。ゆらの自己肯定感が下がったりしないのなら、それもゆらの良いところだから。」
ゆら「…本当ですか!?…るかも、るかが苦しくなるのなら、恋愛が苦手なことを無理に直さなくて良いと思います。勿論、直しても良いと思いますけど!」
るか「うん、ありがとう。ちゃんとかすむにも、謝ってくる。」
るかが初めて素で笑ったような気がして、ゆらも笑みをこぼした。
-次の日-
かすむが、るかの様子を見に遊びに来た。
夢の中のことを思い出し、るかはかすむの方を向き、姿勢を正す。
かすむ「どうしたの?急に改まって。」
るか「こんなに面倒見てもらってるのに、失礼だと思ってずっと言わないできたけど⋯るかは、かすむの言動が、よく分からなかった。好きでもないのにすぐ人に必要以上に干渉するし、自分も傷つくはずなのに人に優しくし続けるし、傷ついてきたのに恋愛に理想を抱いていたところが理解できなくて…本当はきっと、どこか苦手だった。だけど、もし何か、かすむなりの信念があっての行動だったのなら、それを否定してることになるから、ごめん…。でも、何で苦しいこともあったのに、かすむは人に優しくしてこれたの?」
かすむ「謝らないで。かすむは沢山るかに心配かけただろうし…こっちこそごめんね。
…悲しい顔をしている人を見ると、放っておけないんだ。最初は、叔母さん達を見るるかの表情に似てるからかなって思ってたけど、それだけじゃなかった。かすむも、親が仕事であまり構ってくれなくて、寂しくて悲しかったからなんだって気づいた。だから、できるだけ人に優しくしようって思ったんだ。恋愛に理想を抱いてたのも、誰かと支え合って生きていくのって素敵だと思ってたから。相手から恋愛感情を向けられた時、それに応えられなかったら、きっとその人が悲しむって何度も思った。でも、好きでもないのに付き合う方が、相手をいつかもっと悲しませてしまうって。だからかすむは、お互いに好きでないと付き合わないって決めてたの。
恋愛って想いがなかったら存在しなかったと思うんだ。だから自分の想いだけは持っていないと、恋愛に振り回される。自分の感情を大事にできるのは自分だけだから。⋯って散々恋愛に振り回されたかすむが言っても、格好つかないね。」
るか「そうだったんだ…。本当にごめんね。るかは、かすむが苦しんでるだけだと思ってた。でも、そうじゃなかったんだね、安心した。」
かすむ「順風満帆の今のかすむを見て、どこが苦しんでるだけに見えるの?確かに、恋愛に振り回されていたら嫌なことばかりだけど、ちゃんと自分を大切にできていれば、嫌なことだけじゃなくて毎日が楽しくなって、日々の小さな幸せに感謝できて、誰かを尊ぶことのできるものでもあるんだよ。」
そう話すかすむは、本当に優しい顔をしていた。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




