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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
〜束ねる花見〜
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28/129

Peace6-2

るかがせれんを見つけたのは、職員室だった。

せれんは何故か、職員室の担任の椅子に座って、他の先生と話している。

るか「せれん!お菓子、1つならあげるから…。」

せれん「え?別にいいけど。」

るか「へ?だってそれで今、機嫌損ねて教室出たんじゃ…」

せれん「ううん。先生に課題提出しに来たのと、教室の空気が嫌だったから。」

るか「そう…だったの?」

せれん「うん。皆見てくるじゃん。この島にある学校って、通信と通学の良いとこ取りできるし、自分の生活に合わせて通えるのに。今いるクラスが全日制だからって、通ってないのおかしいみたいな目で見られる。これだから社会に適応できる人の考えって理解できない。」

るか「…せれんも悩んでたのに、ごめんね。せれんは周りのこと気にしないでいられるんだって、勝手に思ってた。でもそんな人、なかなかいないよね。」

せれん「まあせれんは人より人の事気にしてないから、当たってると思うよ。今日は課題提出したら帰る予定だったし。」

るか「そっか。はい、学校に来たお土産。」

るかはお菓子1つと、せれんが置いていったコインを渡した。

るかは周りに馴染めないかと観察しつつ、3人を見習って、自分を作ることをやめる練習もしていた。しかし丁度その頃、祖母の介護が前よりも大変になり、自然と自分を作る余裕はなくなっていった。そして学校では、ご飯を食べるか寝ているかで過ごしていたら逆に面白がられ、上辺で仲良くする人は増えた。


るか「相手に寄り添いすぎる言葉をかすむのように言ってしまったら、時に相手を傷つけるから、言いすぎたくない。でも、言わなくても傷つけるのなら、やっぱり人と深く関わるの向いてない。」

ろわ「るかはかすむさんの事嫌いなの?」

るか「人としては好きだけど、あの無自覚タラシが素だからいつか刺されないか心配。」

りおう「でも、るかも無自覚タラシなとこありますよね。」

るか「…え!?!?」

りおう「気づいてなかったんですか。」

ろわ「無自覚って怖いね。」

るか「嘘…!?何処が…!?」

ろわ「専門校の時、『人に興味なさそうなのに、困ってたら手を差し伸べてくれるのギャップ』って言われてたの、知らない?」

るか「いや…だって…そんなつもりじゃ…。困っている人がいたら助けない?」

りおう「他人がペン落としたくらいじゃ拾わないですね。」

ろわ「私も。まず勝手に拾っていいか分からないし、触ってほしくないかもしれないとか考えちゃう。」

りおうはろわの言葉に深く頷く。

りおう「るかもいつか刺されそうです。」

るか「やっぱり人に関わらずずっと寝てればいいんだ…。」

りおう「ですが、るかもかすむさんもそれが素で、るかが福祉学部に進んだ理由は人間関係の問題ですよね?それなら、人と関わることに意味があるじゃないですか。」

ろわ「そう言えば、るかは何で福祉系に興味あるんだっけ?」

るか「…るかの親は身勝手に離婚してるし、かすむも優しいけど甘いというか、人好きというか⋯だからるかみたいに、子どもが誰かに振り回されないようにしたかった。でも、るか自身が誰かを振り回してたなら…福祉系をにいること自体、間違っているのかもしれない。」

りおうとろわは顔を見合わせる。

りおう「誰かを振り回したり振り回されたりって、社会に属している以上逃れられないことです。それに、福祉系だってよくも悪くも、他人に関与する分野じゃないですか。」

るか「それ…は、確かに…。」

ろわ「上手くアドバイスできないけど、るかにはもっと甘えられる人が必要なんじゃない?」

るか「…え?」

りおう「るかもゆらも、人一倍優しいですし気にしすぎですから、自分の気持ちを押し殺す癖があります。もっと自分を労らえばいいのに。」

ろわ「それはりおうにも言えるけどね。」

りおう「そう言うろわも、守護精霊たちや教会について、知っていて話してないことがあるのでしょう?」

ろわ「う…まあ、それは置いといて、るかももう少し人と関わってみたら?話を聞く限り、ゆらは前に進んでるみたいだし。るかもきっと、自分と向き合える日が来るから。」


-夢の中-

ゆらは園芸でよく花を枯らしてしまう為、今回はりおうが傍についていた。

一通り花の植え替えを済ますと、ゆらはりおうに質問した。

ゆら「りおうって、るかと同じ専門校でしたよね?よく話してたんですか?」

りおう「校外学習で同じグループになってから、途中まではよく一緒にいましたね。ろわとせれんも同じ専門校でしたけど、また話すようになったのは、夢の中で会ってからです。」

ゆら「途中まで…?」

りおう「仲が悪くなった訳ではないです。るかの事情なので、本人に聞いてください。」

ゆら「そ、そうだったんですね。ごめんなさい。」

ゆらは気まずい雰囲気をなくそうと、図書室での出来事を話す。

ゆら「いつもだったら諭された時、自分のことを責めてしまいそうなのに、るかの言葉は、凄く深く刺さって、励まされたんです。どうしてか分からないんですけど。」

りおう「そうだったんですね。(るかが気にする必要はなさそうですね。)」

ゆら(何ででしょう、今までは強い言葉をかけられたら落ち込みましたけど、るかだからでしょうか…それだけじゃありません。るかが少し心を開いてくれてるんじゃないかと、嬉しくなります。)


恐る恐る、るかはゆらに話しかけた。

るか「あの…この前の…言い過ぎた…ごめんね。」

ゆら「え!?そんな、ゆらが悪いんです。いつも人に勝手に期待したり、落ち込んだり。そんな性格変えようって思ってもなかなか上手くいかなくて…。でも、るかが気を遣わないで話してくれてるんじゃないかって、すごく嬉しいんです。」

るか「何で…?きっとゆらにとっては、嫌な言い方だったはずなのに…。るかを好きになったのも、かすむを好きになったのも傷つくことが分かってるはずなのに…何でそんなに、人を良く見られるの…?」

ゆら「…ゆらは頭より先に心が動いちゃって、いつの間にか好きになってることが多いんです。だからるかの言う通り、沢山傷ついてきたし、もう誰も好きになりたくないって、惚れやすい自分が嫌だってずっと思っていましたし、今も変わりたいって思ってます。

だけど、るかが図星をついてくれた時、嬉しかったんです!自分では見えない考え方を知れた気がして。」

るか「でもそんなの、皆ゆらに真摯に向き合ってくれてるじゃん。夢の中にいる皆、ゆらのことをちゃんと見てる。」

ゆら「はい!だから皆さん大好きです!」

るか「その好きと、るかに対する好きは、何が違うの?」

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

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