Peace4-4
-次の日曜日 夢の中-
その日はせれんが相談したのか、6人が空気を読んで草取りに行き、ゆらとせれん、フィフィとララだけが教会に残った。
ゆらは歌詞を手伝えるよう好きな漫画の台詞に目を通していた。
せれん「…それ何?」
ゆら「…これは、ぼくが好きな恋愛の物語です。」
せれん「せれんは恋愛したことないからよく分かんないんだけど、面白いの?」
ゆら「はい、とっても!昔から、この漫画の主人公みたいに愛される存在になりたかったんです。でも、ぼくにとって漫画の主人公はポジティブで眩しすぎて、綺麗すぎて、真似なんて到底できませんでした…。」
せれん「創作物なんだから綺麗すぎて当然でしょ?」
ゆら「そうなんですけどそうじゃなくて…!」
2人はクスッと笑った。
せれん「ちょっと見せて。」
ゆら「良いですけど…悪く言わないでくださいよ…?」
せれん「分かった。」
せれんは漫画を捲り始める。
せれん「何でここで主人公は惚れるの?」
ゆら「そこは、強引に引っ張られて授業を抜け出したからです。」
せれん「せれんは昔、喧嘩した奴を授業中に引っ張り出したけど、その後も喧嘩して、先生に怒られたよ?」
ゆら「それは最初からお互いに好意がなかったからでは…?」
せれん「好意って何?」
ゆら「改めて聞かれると、難しいですね…。いつも相手の事を考えてしまって、ずっと一緒にいたいって思うこと…とかですか?」
せれん「へー。よく分かんないや。」
ゆら(本当に恋したことないみたいです…ぼくとは正反対…。)
せれん「あれ、なんか新しく主人公が好きな奴でてきた。何で?」
ゆら「何でと言われましても…。」
せれん「この主人公の何が好きなの?」
ゆら「それはもう、明るくて笑顔が素敵で、いるだけで心が温かくなるからなのではないでしょうか…!こんな人が現実にいたら、ぼくだって惚れてしまいます!」
せれん「え!?ゆらまでこいつの虜になっちゃうの!?」
ゆら「こいつって言わないでください。」
せれん「でもその、人に好かれる能力、せれんも欲しいかも。」
ゆら「え!?せれんにも好かれたい人がいるんですか!?」
せれん「うん、不特定多数。」
ゆら「ふ、不特定多数…?」
せれん「そしたらせれんの創作を沢山の人が見て、沢山の人の傷になれる。」
ゆら「そ、そういうことですか…。」
ゆら(相変わらずよく分からない人ですが、せれんとも大分、気まずさがなくなりました…!)
-大学-
ゆらは大学の昼休み、かすむと昼食を取っていた。
かすむ「ゆらー!今度の夏祭り、一緒に行かない?」
ゆら「え!?夏祭りなんてカップルにとって一大イベントですよ!?」
かすむ「最近ゆらと遊べてなかったから遊びたいの!そしたらきっとるかも来てくれるし!」
ゆら「るかもですか?」
ゆらはかすむと公園で会った日のことを思い出す。
ゆら「先輩、いとこいたんですね!」
かすむ「うん!すごく良い子だよ。でも繊細で、ちょっと心配なんだ…。」
(そう言えば先輩、前に会った時もるかのこと心配していました…。学校でのるかは、いつも食べているか寝ているかという自由人な印象でしたが、るかが人の感情に敏感なことは話していて分かりました。それが何か関係しているのでしょうか…。)
かすむ「良かったら、友達も誘ってよ!大人数の方が楽しいじゃん?」
ゆら「それだと、かすむ先輩に気を使わせてしまいそうで…そうです!もし嫌でなければ、恋人さんも誘うのはどうですか?」
ゆらは自分でも自分の提案に驚いた。しかし、かすむが好きになった人はどんな人なのだろうと、気になっていた想いもあった。
かすむ「え!?良いの…?それだとゆらの友達に悪くないかな?」
ゆら「そんな事ないと…思います!(寧ろみれいとふらんが興味津々になって、先輩にあれこれ質問しそうな未来が…。)確認は取りますが、皆きっとかすむ先輩に会いたいって言ってくれると思うんです!」
かすむ「そうなの?何で?」
ゆら「それは…(よく恋愛相談にのってもらっていたとは言えませんし…)か、かすむ先輩がとっても優しい先輩で慕っているって、よく話してたんです!」
かすむ「そんな事話してくれてたの!?良い後輩を持ったな〜!」
ゆら(後輩…。)
我ながら、立ち直るのが遅いです…。それでも、これからも仲良くしたいって言ってくれた先輩の、心優しいかすむ先輩の幸せを、心から願えたら。
詳細はかすむから連絡するとなり、かすむは食堂を出ていった。
フィフィ「かすむと夏祭り、良かったですフィ。でも、ゆらがかすむの恋人を誘う話をした時は、どうしたのかと思いましたフィ。」
ゆら「ぼくもびっくりしました。だけど、今までと同じ恋で終わりたくないって、できることなら、先輩が幸せそうな姿を見ていたいって、そう思えたんです。」
フィフィ「またゆらは成長しましたフィ。」
ゆら「何でフィフィは親目線なんですか?(笑)」
フィフィ「それはフィフィの方がずっと大人だからですフィ。」
ゆら「ぼくの印象だと、いろと同い年くらいなんですけど…。」
フィフィ「あんなお子ちゃまと一緒にしないでほしいですフィ。」
ゆらはみれいとふらんにメールで確認を取り、2人も夏祭りへ参加することとなった。
ふらんは他にも一緒に夏祭りへ行きたい人がいるようで、誘ってみるようだ。
かすむから、るかもかすむの恋人も行けると連絡が入った。
-夏祭り当日-
ふらんの提案で浴衣のレンタルへ寄り、ゆらとみれい、ふらんはお互いに和洋折衷な浴衣を選び合った。
夏祭りが行われる場所は隣の島なので、列車に乗り、待ち合わせ場所である隣の島の駅前に集まる。
かすむが辺りを見渡している姿が見えた。
ゆら「かすむ先輩!」
かすむ「ゆら!浴衣似合ってる!」
ゆら「先輩もです!それで、この2人はぼくの友達の⋯」
みれい「花城みれいです!」
ふらん「明日見ふらんです!」
みれい「ゆらが言っていた通り、とても綺麗な方ですね!」
ふらん「ね〜!凄く優しそう!」
かすむ「そんな事ないよ…!改めてまして、香原かすむです。今日はよろしくね!」
3人「よろしくお願いします!」
ゆら「そう言えば…、るかとかすむ先輩の恋人さんは…?」
かすむ「それが…るかが混まないうちに屋台のご飯全部買うって1人で行っちゃったから、付き添ってもらってるんだ…。もうすぐ戻ってくると思うんだけど…。」
るか「ごめん、お待たせ。」
るかとかすむの恋人らしき人が両手いっぱいにご飯が入った袋を持って走ってきた。
ゆら(この方がかすむ先輩の…でも、どこかで見たことがあるような…?)
ゆらが考えていると、みれいが顔面蒼白になっていた。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




