Peace4-2
死にものぐるいで生きる以外の方法を知りません。どうやったら平穏に、人を気にしないで生きていけるのかも分かりません。死にものぐるいで生きなきゃ甘えだって思う自分は間違っているし、苦しいだけなのは百も承知です。逃れたくても、それ以外の生き方をぼくは知りませんでした。だけど、そこから学べたものも確かにありました。
ゆらはあの橋へとやって来た。最初に見た真っ暗で散乱していた川とは違い、夢の中では澄んでいて穏やかだった。ゆらは橋の柵を跨ぐ。
ゆら「ここに来たから、現実と向き合えました。」
フィフィ「どうして現実世界じゃなくて、夢の中で来たのですフィ?」
ゆら「前は柵が壊れていましたが、今は修理されたので。現実では柵を超えてお礼はできませんから。夢の中なら、大丈夫かなと思いまして。」
フィフィ「あの時は立ち入り禁止なのに入りましたフィ。似たようなものですフィ。」
ゆら「それは、無我夢中で…だから、もう迷惑をかけないよう、夢の中で済ませたいんです!」
ゆらは川へ向き直し、お辞儀をした。
ゆら「あの時は勝手に入ってしまい、すみませんでした。それから、ありがとうございました。」
フィフィ「ゆらがフィフィと心中しようとしなくて、ありがとうございましたフィ。」
ゆら「それは本当にごめんなさい…。」
フィフィともう一度川を眺め、ゆらは教会へ戻ろうとした。柵を跨ごうとすると足を滑らせ、橋から川へ身体が傾く。
フィフィ「ゆらっ!!!」
ゆら(落ち⋯!)
フィフィがゆらの背中を支えた。
フィフィ「重いですフィ…!」
しかし、フィフィではゆらの体重に耐えられず、すぐに限界は来た。
そんな時、ゆらの腕をフィフィではない誰かが掴んだ。
ゆら「メメさん⋯!?どう⋯して⋯」
◾︎◾︎「それより⋯早く体勢立て直して⋯」
メメ(仮)はメメに引っ張られていて、フィフィはゆらの背中を支えていたが、重力には逆らえない。
ゆら「立て直すって⋯どうすれば⋯!」
◾︎◾︎「⋯もう無理」
ゆらとメメ(仮)は川に身を沈めた。
フィフィ「ゆらー!!!」
メメ「◾︎◾︎!!!フィフィ!ちゃんと支えるメ!」
フィフィ「メメも引っ張ってしかいなかったですフィ!」
メメ「2人とも、どこに行ったメ!?」
フィフィ「川を辿って探すですフィ!」
その後、ゆらとメメ(仮)はなんとか川の流れに乗り、岸へ辿りついた。息を切らせながら、メメ(仮)は途切れ途切れに喋る。
◾︎◾︎「⋯夢の中だから⋯飛び降りても、意味ないよ。」
ゆら「⋯!違います!足が滑って⋯!って飛び降りる?なんでそれを…もしかしてメメさんはるか…なんですか?」
るか「ここに来たから、なんとなく思ったんだ。ゆらなんじゃないかって。」
すると、2人は現実で見えている姿となり、お互いの名前も聞き取れるようになっていた。
ゆら「…前に止めないって言ったじゃないですか。」
るか「うん、なんでだろうね。時々ここに来ちゃうんだ。そしたら今、ゆらが橋の向こうに立ってるのが見えて。最初は止めるつもりなかったんだけど、今までのこと考えると、止めたくなっちゃった。」
ゆら「今までのこと⋯?」
るか「⋯ゆらとここで初めて会った時、家に帰ってからも考えた。もしこのまま明日いなくなってたら、どうしようって。もっと何かできたんじゃないのかなとか。この前、ゆらの話を聞いたり、ご飯を食べに行ったり。もしゆらがここでいなくなったら、そういうこともできなくなっちゃうと思ったら、予行練習してた『川へ飛び込んだ時の対処法』を実行してた。」
ゆら「そんなこと調べてくれてたんですか⋯!?⋯本当にありがとうございます。今ここに来たのは、川にお礼がしたかったからです。一度飛び降りようとしたから、さっきフィフィを助けられました。それだけじゃなくて、ここに来たからあの時にるかに会って、もう一度現実と向き合えたんです。その事でお礼をして帰ろうとしていたら、足を滑らせてしまって⋯本当に助かりました。」
るか「そうだったんだ⋯。なら、良かった。」
るかは安心した表情を見せると、ぐったりと寝転んでしまう。
ゆら「るか!?大丈夫ですか!?」
るか「大丈夫⋯。こんなに動いたの久々だし⋯普段夜寝てないから、疲れが来ちゃっただけ⋯。」
ゆら「⋯!?もっと早く言ってください!」
フィフィ「ゆらー!」
メメ「るかー!」
ゆら「フィフィ!メメ!るかが!」
フィフィ「るか?あれ、姿が変わってますフィ!名前も聞き取れるようになってますフィ!」
メメ「そんな事より、るか、大丈夫メ!?」
ゆら「一緒に橋まで運ぶの、手伝ってもらっていいですか!?」
フィフィ/メメ「勿論ですフィ!/メ!」
ゆらがるかに肩を貸し、フィフィとメメが支えながら、なんとか最初にいた橋まで戻ってきた。
のえる「ちょっと2人とも!何やってんの!?」
向こうからせれんとララ以外の5人と5精霊が走ってくる。
ふらん「いきなり飛び出したから探したよ…ってびしょ濡れじゃん!」
みれい「夢の中なのに水に濡れるのですか!?」
シュシュ「現実に影響は出ないシュ。水に入ると濡れるっていう認識の問題シュ。」
ろわ「それよりるか、大丈夫?顔色悪いけど。」
ゆら「ぼくが足を滑らせた所為で、るかまで川に落ちてしまって…るか、寝不足なのにごめんなさい。」
ふらん「そういうことだったんだ…ん?ゆら、今るかって言った?」
レレ「もしかして、名前が聞こえるようになったレ!?」
メメ「るかもゆらだって分かるようになったメ!」
フィフィ「お互いが誰か分かったら、見えるようになったみたいですフィ。」
のえる「それがトリガーだったってこと?」
リュリュ「それもあるリュが、多分2人が成長してるからリュ。」
りおう「それより、早くるかを教会まで運ばないとですね。」
みれい「もうすぐ朝でしょうし、運んでるうちに夢から覚めるのでは?」
ミュミュ「それは一理あるミュが、このままは薄情ミュ。」
メメ「メメが現実の姿なら暖められたメ…。そうメ。フィフィ、ヴェヴェ、レレ、ミュミュ、リュリュ、シュシュ!一緒にるかとゆらを暖めるメ!」
ゆら「ぼくもですか!?」
フィフィ「ゆらも一応ですフィ。」
レレ「おしくらまんじゅうレ〜!楽しそうレ〜!」
るか「お饅頭食べたい。」
るかはそう言うと、よろよろっと立ち上がった。
ゆら「るか!?大丈夫ですか!?」
ゆらが咄嗟にるかを支える。
るか「うん。お饅頭食べる。」
リュリュ「なんか大丈夫そうリュ…。」
ヴェヴェ「饅頭は強しヴェ。」
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




