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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
〜束ねる花見〜
16/31

Peace3-5

ゆら「⋯やっぱり、人を好きになるって難しいですね。ぼくはすぐ人を好きになって、自分では制御もできないで、迷惑をかけてしまう…とても厄介な存在です。」

るか「何でゆらって他の人のことは悪く言わないのに、自分のことはすぐ悪く言うの?」

ゆら「そ、そう聞こえましたか!?もし気分を害してしまったのなら、ごめんなさい…。」

るか「…そうじゃなくて…ゆらって自分を卑下しすぎて、いつか心が壊れそうで心配。」

ゆら「え…?」

るか「いつも何処かしらで自分を下げてたり、謝ってるの聞こえるから。」

ゆら「…きっとそうすることによって、逆に自己肯定感が下がらないようにしているところもあるのかもしれません。自分で自分を下げることで、ぼく自身を許しているような…。結局ぼくは自分のことばかりですね。」

るか「でも、そうやって自分と向き合えるのは凄いね。」

ゆら「え…凄いのでしょうか。」

るか「うん。少なくともるかは自分のことよく分からないし。」

ゆら「そうなんですね…。」

ゆら(るかはぼくを心配してくれたり、励ましてくれるのに、ぼくはるかをどうやって励ましたらいいのか、分かりません…。)

ゆらは失恋して教室で泣いていた時のことを思い出す。

ゆら「…るかってこの後、空いてますか?」

るか「?まあ、遅くならなければ…。」

ゆら「それなら、良かったらお菓子を食べに行きませんか?前回励ましてもらったお礼もしたかったですし、今回も…」

るか「行く!どこのお店が良い!?」

ゆら(食い付きが良すぎます…!)

ゆらのおすすめのカフェへ行き、日が暮れるまで他愛のない話をした。


-現実世界 夕方-

児童学科は実習期間に入っていた。るかは実習帰りに公園近くを歩いていると、小さな山の斜面から子どもが飛び出してきて、転がり落ちそうになっていた。

焦っていると、るかを凄い勢いで通り過ぎていき、子どもを抱えながら転がり落ちてきたゆらが目の前にいた。

るか「ゆら!?」

ゆら「痛っ…大丈夫ですか?」

子ども「うん…ありがとう…。」

その後、斜面の上から親であろう人が現れ、ゆらに感謝を伝えていた。

るか「ゆら、大丈夫?」

ゆら「るか!?いたんですか!?」

るか「気付いてなかったんだ。」

ゆら「すみません、子どもが落ちそうだったので、夢中で走ってきて…。」

るか「あちこち掠ってるじゃん。もうちょっと下に何か敷くとか、あったでしょ。」

ゆら「…!その手がありましたね!そこまで頭が回りませんでした。」

るか「⋯どうしてあんなに突っ走れるの?るかはどうしたらいいか分からなくて、ただ見ることしかできなかったのに。」

ゆら「…よくこういう現場を見るので、先走っちゃうんです。その所為で困ることも沢山ありますが、今みたいに、誰かを助けることができるならと思ってしまって⋯。」

るか「…それで無謀だったらただ自分を犠牲にするだけだよ。」

ゆら「そうですね⋯。もっとるかみたいに考えてから行動できるようになりたいです。」

るか(本当は心から凄いと思った。考えてばかりで動けないるかより、誰かの力になれる才能だって。でもそれを言ってしまったら、きっとゆらはまた自分を犠牲にしちゃう。)

そうやって身を滅ぼすのを、かすむから学んできた。恩を仇で返される。結局、優しい人ばかり損をする。


-現実世界-

教会の集まりまで、ゆらは暇さえあれば花の様子を見に行っていた。

しかし、花は日に日に弱っていった。

(何故でしょう。皆と同じように育てたはずなんですけど…このまま、枯れてしまったら…。)

皆の花がしっかり育っていることに、よりゆらのコンプレックスが刺激された。


-夢の中-

毎日欠かさず世話をするも、次の教会の集まりの日、ゆらの花だけが枯れてしまっていた。

皆は、何と声をかければいいか分からなかった。

ゆら(こんなに小さな命も守れないなんて…。)

ゆら「ごめんなさい…明後日のグループワークで案を出さなきゃいけなくて…考えるのを忘れていたので、教会で作業させてください…。」

そう苦笑いをし、ゆらは教会まで走って行ってしまった。


教会に着くと、いつもと変わらずせれんとララがいた。

ララ「もう園芸終わったラ…ってゆら、どうしたラ!?」

ゆらは扉の前で蹲ってしまった。

フィフィ「ゆらが育てた花が枯れちゃいましたフィ…。」

ララ「そうだったラ…。ゆら、大丈夫ラ?」

ゆらは首を振る。

話を聞いていたせれんは

せれん「じゃあ園芸じゃなくて、せれんの創作手伝って。」

ララ「せれん!」

ゆら「そうですね…。今日は創作手伝わせてください…。」

ゆらは歌詞を任されるも、いつの間にか今まで失恋した時のこと、花を枯らせてしまったことへの自責を書いていた。

ゆら(…あれから、かすむ先輩と話すことができて、前進したと思っていましたが、また行き詰まってしまいました。)

せれんは付箋を取り、小さな字を読んで口を開く。

せれん「ねえ、何でわざわざ落ち込むことやってんの?恋愛も園芸も、ゆらにとっては大変そうじゃん。」

ゆら「それは…楽しかったことも沢山あったんです。」

せれん「でも相手に好きな人?ができていつも失恋するんでしょ?それなら恋なんてしなければいいじゃん。」

ゆら「⋯せれんはそうかもしれませんが、ぼくにとって好きという気持ちは厄介だけど大切で、大事にしたいものなんです。」

せれん「それで結局悲しむくらいなら、恋も花を育てるのも、面倒なんだからしなきゃいいのに。」

ゆら「⋯!勝手に決めないでください!」

フィフィとララが仲介に入ろうとすると、扉が開く。

ふらん「ただいまー!」

レレ「レ?なんか空気重いレ?」

みれい「何かあったのですか?」

6人と6精霊は早めに教会へ戻ってきた。

ゆら「…ぼく、ちょっと外の空気を吸ってきます。…あれ?」

皆が教会に入ると、扉が開かなくなり、教会から出られなくなってしまった。

ろわ「どうしたの?」

ゆら「扉が開きません!」

のえる「え!?」

皆で取っ手を回したり、扉を押してみたものの、開くことはなかった。

りおう「何故いきなりこんなことに…」

みれい「でもこういうのってちょっとワクワクしますよね!」

リュリュ「ワクワクしてる場合じゃないリュ。」

ミュミュ「落ち着くミュ。ここは夢の中ミュ。ゴロゴロしてれば、何れ目が覚めるミュ。」

フィフィ「フィー!!!」

皆が宙を見上げると、フィフィが籠の中に閉じ込められていた。

ゆら「フィフィ!」

フィフィ「ゆら〜!」

フィフィを閉じ込めた籠は地下倉庫へと浮遊していった。ゆらは籠を追い走り出すも、ゆらが地下倉庫に入った直後、扉が閉ざされてしまった。

ろわ「開かない…!?」

シュシュ「一体全体どうなってるシュ…。」

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

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