Peace6-1
目を覚ますと、そこにはいつもの教会があった。違うのは世界中でオーロラが見えた後、隕石が落下したということだ。
扉はなくなっており、アクセサリーは8人がそれぞれ持っていた。島では何事もなかったかのように、静かな朝を迎えられたのは、教会が霧に包まれたままだからだ。
世界中に振り落とされた隕石は空中で爆発し、クレーターにはならなかったものの、被害は甚大だった。
セラヴィと精霊のおかげで、隕石の被害は全世界共通で人口が多く自然が少ない都市だけとなり、異端者の島を含めた自然豊かな場所は守られた。
精霊達がいないことに気づき、ろわは辺りを見回す。
ゆらが喋らなくなったぬいぐるみのフィフィを抱きしめて泣いていた。るかは犬のメメを撫で、みれいは猫のミュミュを抱きしめ、りおうは膝の上にいる猫のリュリュを撫でていた。ふらんとのえるの周りを話さなくなった2羽の鳥、ヴェヴェとレレが飛び回り、2人はうっすら涙目になりながら泣くのを堪えていた。せれんはずっと俯いている。
ろわ「皆ごめん。精霊達が…。」
ゆら「そんな!ろわのせいじゃないです!ゆら達も声は聞こえてました。こんなこと誰も対処の仕様が⋯」
ろわ「そんなことはない。私は前の記憶があったし、本当だったら時期国王で、植物を皆で育てるよう仕向けなければならなかったのに、結局何も守れなかった。
…でも、師匠にもう一度会って頼めば、何か変わるかもしれない。」
のえる「それって⋯」
ふらん「待ってよ!何でろわがいなくならなきゃいけないの!?」
るか「うん、ろわらしくないよ…。あまりにも無謀すぎる。」
ろわ「⋯ごめん、もう疲れた。何も救えなくて、シュシュもいなくて⋯これ以上、もう失いたくない。」
りおう「…ろわが本気なら、好きにすればいいと思います。」
のえる「りおう!?」
りおう「ですが此処にいる大半は、自分は死んでもよくて、大切な人達は死んでほしくないと、そう思っています。だから止める権利もありませんが、止めてはいけない訳でもありません。」
みれい「ろわだってそうでしょう?この中の誰かが死を選ぼうとしたら、止めますよね?第一、皆で幸せになろうと思っているから、園芸を教えてくれたり、皆が成長するよう、見守っていてくれたのではないですか?」
ろわ「…でも、皆は花の天国に戻りたい訳じゃなかったんだよね。それなら本当に…私の独りよがりの所為で、皆を巻き込んじゃっただけだよ…。」
のえる「…のえるは最初、ふらんがいるからここにいただけで、園芸とか興味なかった。それでものえる達に居場所をくれたのは、紛れもなくろわとシュシュのおかげだよ。」
ふらん「それにこの場所があったからのえると向き合う機会があって、疎遠にならなかった。大切な家族を繋ぎ止めてくれて、ありがとう。」
るか「るかがメメ以外の理解者を得られたのも、この場所のおかげ。ここがあったから、るかは今ここにいる。」
りおう「忘れているかもしれませんが、りおうは元々園芸がしたかったんです。ここのおかげで、それを叶えることができました。」
みれい「みれいとりおうが園芸を始められたのも、ろわが神楽家へ連れていってくれたおかげですし!」
せれん「⋯国王様は不条理を受け入れろとか言ってたけどさ、もしかしたら人間界に降りることを決めたみたいに、あの国で何をするのか、もっと前の…あの国に生まれる前の自分が決めてたのかもしれないよ。」
ろわ「…それなら、間違った選択をしたよ。…見たでしょ?あの国に私達がいた時の事を。でも結局あの国は滅びた。皆であの国に戻れるように頑張ってきたのに、私は花の天国すら守れなかった。国王様を止められなかった…。シュシュが特別だって言ってたのに、全部失わせちゃった⋯。」
ゆら「…あの!本当に国王様と師匠さんのことを想うなら、余計に行かないであげてください!」
ろわ「ゆら…?」
ゆら「ずっと国王様が何をしたかったのか分かりませんでした。シュシュだけがお気に入りのはずなのに、フィフィ達も戻ることができたり、やり方はよくないですが、国をずっと守ろうとしていました。だけど、ララと師匠さんには憎悪を向けていたのも確かです。それで思ったんです。
国王様はきっと、ゆら達を頑張って愛そうとしていたんだと思います。誰かの代わりに。」
りおう「代わり…?愛していたわけではなく?」
ゆら「ゆら…フィフィはずっと、成績も良くないですし、国王様に必要とされていないと思っていました。ですが、人間界に皆と行こうとした時、腕を掴まれて…その時言われたんです。」
国王「貴方も、私を置いて行ってしまうんですね⋯。」
ゆら「最初は皆のことかと思っていましたけど、国王様のお気に入りは師匠さんやシュシュで、その師匠さんもシュシュも、ご自身で追放させていますし、なら誰が国王様を置いて行ったんだろうって。そして、今の天国の様子を見て分かったんです。ゆら達は国王様が本当に愛したかった対象ではないと。」
ろわ「どういうこと…?」
るか「根拠の裏付けになるか分かんないけど、この前、のえるとふらんが出た劇の原作を書いた人、社会で上手くやっていけない人の為に色んな支援を作ったんだって。そんな感じのこと、花の天国で師匠が言ってなかった?」
のえる「それって…師匠が書いたってこと…?でも、その話はただの童話じゃなかった…?」
みれい「ですが、ゆうり先生が描いた童話も、実際にあったことみたいですし、ここにいる皆に伝えたかったのだと考えたら、辻褄が合います。」
るか「どこまでが本当なのかは分からないけど、きっとゆらなら分かってくれると思ったんじゃないかな。」
ゆら「そうでしょうか…。ですが、あの話が本当ならやっぱり、国王様には、きっと他に愛していた方がいたんだと思います。最後仰っていたことも何処か、誰かと比べた言葉のようでしたし⋯。そうでなかったら、国が滅びかけても尚、あのような形で他の天使達を残していた理由がありません。」
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




