Peace5-4
セラヴィはこの国の創設者である為、神様ではなくとも少しだけ天使達に関与することができた。
セラヴィ「⋯。」
ヴェヴェ「⋯じゃあどちらかが本当は生まれてこない存在だったヴェ?」
セラヴィ「⋯レヴェが強く望んだのですよ。自分の理解者がほしいと。貴方達はお互いにとっての希望で、きっとこの世界を乗り越えていけると思ったのですが、違いましたか?」
レレ/ヴェヴェ「違わないレ/ヴェ!」
セラヴィ「それと、ゆらさんとるかさんが互いの存在を認識できなかったのも、私のお節介です。」
メメ「どういうことメ!?」
フィフィ「呪いじゃないですフィ!?」
セラヴィ「お二人にとっては、きっと呪いだったでしょう。しかし、神様があのお二人にかけた呪いは、『自信を持てない』というものです。フィフィとメメだけは、人間界に行くことを躊躇っていた。それが地に足をつくことができない呪いとなったのでしょう。」
メメ「でも、るかは少しずつ自信を取り戻してるメ。これはセラヴィ様のおかげメ?」
リュリュ「それじゃあ、りおうとみれいが夢の中の記憶を忘れちゃうのも、セラヴィ様の力リュ?」
国王「それは私がシュシュの願いを叶えてあげたのですよ。シュシュはリュリュとミュミュが苦手だったでしょう?」
シュシュ「違っ…確かに、勝手に苦手意識をもっていた部分はあります。けれど、皆との思い出を忘れてほしい訳じゃない!」
国王「本当はシュシュの為に、リュリュとミュミュは皆と出会えなくしようと思っていたのですよ。それなのに、セラヴィに邪魔されて、夢の中とやらの記憶だけが忘れるようにしかできなくなっていて…」
ミュミュ「心とかないミュ?」
レレ「神様はセラヴィ様みたいにこの国を愛していないレ?愛しているから、皆のことを深く知っているんじゃないレ?」
国王「シュシュだけを愛しています。いい加減、こちらへ戻って来なさい。」
シュシュ「嫌です!」
国王「逆らうのは勝手ですが、強制的に連れてくることだって可能なのですよ。」
そう言うと、シュシュは宙に浮かび、国王の元へ引き寄せられる。
シュシュ「待ってください!シュシュと私に分けてからにしてください!シュシュに何かするのだけは許さない。シュシュも喰らうつもりなら、私だけにしてください。」
国王「私が欲しいのは分かれた存在ではなく、完璧なシュシュです。」
国王のローブの下に身体はなく、暗闇となっていた。どこまでも続く暗闇にシュシュは呑み込まれてしまう。
ララは国王の気がシュシュへ逸れているうちに助走して飛び、シュシュが呑み込まれた暗闇の中へと入っていく。守護精霊たちもララの後を続いた。
シュシュは暗闇の中で藻掻くこともなく、ただ呆然と沈んでいった。
シュシュ(もう全部どうでもいい…何も考えたくない…)
狭窄した視界の先から、何かが近づいてくる。
ララ「ろわ!」
シュシュ「…ララ…どうしてここに…。」
ララ「ずっと思ってたんだけど、せれんはろわに話しかけてんの!よく分かんないけど、意識は人間の方じゃん。だから、せれんもララじゃない!」
シュシュ「じゃあシュシュはどこに行ったの?いなくなったの?ララは?…それに、確かに守護精霊としてシュシュはいたけど、私はずっとシュシュとして生きてきたんだよ。贖罪して花の天国に戻る為にずっと。ろわなんて名前だけで、最初から存在していない。」
せれん「はあ!?せれんは逆に守護精霊のシュシュしか知らないよ。生まれ変わる前の記憶だって、ララであってせれんじゃない。確かに同じ魂かもしれないけど、人間界に降りた時点でせれんはずっと七海せれんだよ。」
すると、ララが光を纏い、せれんと守護精霊のララに分離した。
シュシュ「ララ…せれんは、今思い出したから自分が分かるかもしれないけど、私はずっと、過去に囚われて生きてきた。今更自分なんて分からないよ⋯!」
せれん「せれんもろわが何言ってるかよく分かんない。そんなに自分に境界が大事?だったら生まれ変わる前がシュシュ、人間として生まれたのがろわでいいじゃん。少なくとも、せれんはずっと、ろわと関わってきた。ろわと出会って、見えないシュシュってのと話してる変な奴で、施設でいじめられてて、師匠や皆を失うのが、シュシュを失うのが怖い、そんなあんたはシュシュじゃない。神楽ろわ!」
そうせれんが叫ぶと、シュシュも天国での姿ではなく、人間の姿に戻っていた。
6人が眠っていた棺にヒビが入り、いつの間にか暗闇の中で、せれんと精霊に続き、6人が手を伸ばしている。
ゆら「ろわ!」
るか「ろわ」
のえる「ろわ」
ふらん「ろわ〜!」
みれい「ろわ!」
りおう「ろわ」
ろわ(そっか…私は…ろわはもうシュシュじゃない。この名前も、今世限りのもので、死んだらなくなってしまうけど。でも、それは皆も同じだから…)
すると守護精霊のシュシュが現れる。
シュシュ「ろわ!」
8人と8精霊は温かな光に包み込まれ、暗闇から戻ってきた。
国王「何なのですか!?シュシュ…青薔薇…何故棺に閉じ込めておいたお前達まで!?」
フィフィ「フィフィはゆらと出会えて幸せでしたフィ!」
メメ「メメはるかの笑顔を取り戻せて幸せだったメ!」
ミュミュ「ミュミュはみれいと幸せを見つけられて幸せだったミュ!」
リュリュ「リュリュはりおうが自由になれて幸せだったリュ!」
ヴェヴェ「ヴェヴェはのえるが素直になれて幸せだったヴェ!」
レレ「レレはふらんが心を開けて幸せだったレ!」
ララ「ララはせれんの話し相手になれて幸せだったラ!」
シュシュ「シュシュはろわと日々を過ごせて幸せだったシュ!」
国王「…やはり、私には貴方達に愛されることも、貴方達を愛することもできないのですね。」
せれん「愛愛うるさい。それ以外言うことないわけ?」
セラヴィ「もう、終わりにしましょう。」
8精霊「これが皆で生きた証ですフィ/メ/ヴェ/レ/ミュ/リュ/ラ/シュ!」
セラヴィと精霊たちが力を振り絞り、滅びかけた花の天国側と8人側の大地を切り離した。
花の天国の神は、人間界の神に愛されたかった。それだけでなく、人間界の神が世界に向ける、愛おしそうな微笑みの正体を知りたかった。
人間界の創造主になってから構わなくなった神に振り向いてもらうため、そして世界に対しての愛おしさを知るため、自分と似たセラヴィの孤独心を利用し、花の天国を創造した。
生物はどう転んでも競争する世界になってしまうので、秩序を乱さない為に表向きは国王制度を作りながら、国王であり続けた。
自分を必要としたセラヴィが、自分では飽き足らず自然界に反した存在である青薔薇を生み出したことで追放した。
自分に愛を向けなくなったものは追放し、愛したものは吸収し土に還し、また新たな命を芽吹かせた。
だが、世界を勝手に作るという禁忌を犯したことが、他の神々にバレてしまった。人間界で青薔薇が作られれば、自然の国である花の天国は滅びると決まり、それまでの猶予期間が与えられた。
そして、人間界の秩序を守るため、神は花の天国が滅びる前に、人間界へ隕石を落とす役目を担った。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




