Peace4-3
ろわはせれんに腕を回し、急いで歩道側へ引き込こんだ。
その拍子に、せれんがつけていたネックレスが路面電車に掠り、地面へと飛んでいった。
ろわ「何飛び出してんの!?危ないじゃん!」
せれん「まずろわが執拗いのが悪いんでしょ!」
「そこ!危ないよ!!!」
少し先で急ブレーキをした路面電車が止まっており、運転手が降りてくる。
せれん自身が電車にはぶつかっていなかったので警察は呼ばず、聴き込みの為に、せれんとろわは電車に乗って駅へ連れていかれた。
聴き込みが終わり、2人は家へ帰ろうとする。
せれん「あれ?アクセサリーは?」
ララ「ララが拾っておいたラ。」
せれん「⋯ああ割れちゃってる⋯。」
ろわ「ごめん、大事なものだったよね…。」
せれん「というか、ララにずっと持っといてって言われたから持ってただけ。家に置いてこうとしても持ってくるし…これでもうつけてなくていい?」
ララ「いいラ。」
ろわ「⋯ごめん、ララ。折角のプレゼントが…。」
ララ「大丈夫ラ。」
シュシュ「ろわ…!」
シュシュに促され、ろわは欠けたアクセサリーを見た。何かを思い出したかようにろわはせれんに問う。
ろわ「…ねえ、せれん。せれんは小さい頃の事とか、今みんなで過ごした時間とか、覚えてる?」
せれん「なに急に。」
ろわ「どうなの?」
ろわの真剣な眼差しに、せれんは首を傾げなからも過去を振り返る。
せれん「…昔のことなんて、もう大分思い出せない。せれんが忘れっぽいのもあるけど、でもそんな忘れるような記憶、せれんには必要ない。」
ろわ「そっか。」
せれん「そういうろわは?聞いたんだから答えてくれるよね?」
ろわ「…私は忘れたくても忘れられないものがある。明日忘れてることを願ってもなくならない。でもせれんと、みんなといて初めて、例え必然に引き起こされてることだとしても、忘れたくないって思った。そう思える出来事があるって知った。」
せれん「…分からないよ。ろわずっと隠し事してるじゃん。せれんに構うのだって、ただ呪いを解くために必要なだけでしょ?」
ろわ「⋯!」
せれん「それは皆に対してもだよね?それなのに純粋に思い出作りなんてできないよ。」
ろわ「そんなの…そうかも、しれない。でも今は、呪いのためだとしても、皆と仲良くしていたい。せれんは、違うの?」
せれん「別にせれんは皆がいてもいなくてもどっちでもいい。創作で人に傷を残せて、あとはゲームができてれば満たされてる。」
ろわ「そ…うなんだ。…でも、前にも言ったけど、せれんのその人間に対する憎しみは、呪いの影響で…」
せれん「まだそんなこと言ってんの?せれんは人間が嫌いなんだよ。」
ろわ「だからそれ自体が、呪いなんだって!」
せれん「呪い呪いうるさい!せれんの意思だよ!」
ろわ「違う…せれんは…そんなんじゃなかった…。」
-回想 夢の中-
ララ「せれん。せれんは何で創作してるラ?」
せれん「世界征服。」
ララ「ラ!?!?」
せれん「までは無理だけど、沢山の人に傷を残したいから。」
ララ「何でラ?」
せれん「それがせれんの使命だから。」
ろわ「それ、せれんが決めたの?」
せれん「当たり前じゃん。」
ララ「じゃあやっぱり、それがせれんの呪いラ。」
せれん「何で?せれんはるかとかゆらみたいに、抗えない力に邪魔されてる訳じゃないんだけど。」
ろわ「それなら、何で世界征服したいって思ったの?」
せれん「人間って汚いから。」
ララ「いつそう思ったラ?」
せれん「…ろわを虐めてた奴見た時。」
シュシュ「それは違うシュ。」
せれん「じゃあ、親がせれんを捨てた時。」
ララ「せれん、きっとその前から、人間を恨んでいたはずラ。」
せれん「ララに何が分かるの?」
ララ「守護精霊だから、分かるラ。」
せれん「分かんないよ。せれんのことはせれんにしか分かんない。自分からしか世界なんて見えないんだから。」
ろわ「確かに自分を通さないと世界って見えないけど、それと自分が世界の中心だと思うのは別のことだよ。」
シュシュ「別だと分かってないと、せれんみたいに世界征服をしようとするシュ。」
せれん「ろわ前に言ってたよね?『自分が世界の中心だと思うな』って。それってろわにも言えることだよ。」
ろわ「…え?」
せれん「ろわが何を知ってんのか知らないけど、何でもせれんの為って、それこそせれんのこと見えてないじゃん。
…師匠のことも何か知ってた?」
ろわ「え…?」
せれん「師匠、シュシュのこと見えてたっぽいし、教会のことも夢のことも、師匠の死期だって、ろわも師匠もシュシュも全部知ってたの?」
ろわ「師匠が何処まで知ってたのかは分からないよ…。
…でも、師匠からもう長くないとは、言われてた。私だって、生まれ変わる前のことなんて知りたくなかった…。ずっと重荷で、でも私にはそれしかやるべき事がないから。」
せれん「…そのやるべき事って、ろわがやりたくてやってるわけ?」
ろわ「…分からないけど、その為にここまで生きてきたから、ちゃんと役目を果たさないと。」
せれん「誰かに役目でも与えられてんの?それに従ってるからせれんに構うのは、違くない?」
ろわ「…そっ…か。ごめん。」
ろわは離れていくせれんの後ろ姿を呆然と眺めていた。
??「シュシュ。」
シュシュ/ろわ「…!」
-数日後-
せれんが園芸を拒否した因果なのか、せれんは山に入ってもいつもの霧が現れなくなり、教会へ入れなくなってしまった。
せれん「…何で?」
ララ「せれん、入れないラ?」
せれん「ララは入れるの?」
ララ「ラ。」
せれん「…まあいいや。帰る。」
ララ「せれん…!」
それだけでなく、夢の中でさえ教会に集えなくなり、ろわに連絡するも、既読すらつかない。
せれん「ねえ、あの教会って精霊が関係してるんだよね?ララ、せれんに何かした?」
ララ「何もしてないラ!」
せれん「じゃあ何か知ってるでしょ。何でせれんだけ教会にいけないわけ?」
ララ「それは…」
せれん「ララも隠し事ばっか!そんなんで協力する訳ないじゃん!」
叔母「せれん!朝から大声だして、どうしたの…?」
せれん「…なんでもない。」
すると、ふらんから連絡があった。
ふらん『今日ふらんものえるも夢見なかったんだけど、せれんは見た?』
せれん『見てない。』
せれん「せれんだけじゃないみたいだけど、ララ、知ってること全部話して。」
ララ「…多分ラけど、せれんが園芸を拒んだから、入れなくなったラ。でも、何処かおかしいラ。今までは温かかった教会が、冷たい気がするラ。」
せれん「冷たい?寒いってこと?」
ララ「温度の話じゃないラ。少し、嫌な予感がするラ。」
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




