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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
紡がれる白昼夢
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108/129

Peace4-2

-現実世界 新年-

7人「今年もよろしくお願いします。」

ララ「せれんも言うラ!」

せれん「…よろしく?」

のえる「何で疑問形?」

みれい「皆、配慮してくれてありがとうございます。」

みれいは去年父親が亡くなった為、新年の挨拶をすることができない。

他の7人も各々で元旦を過ごしたので、神楽家で集まる今日が新年で初めて皆で過ごす時間だった。

ろわ「早速で申し訳ないんだけど、バラの剪定手伝ってもらっても良い?」

りおう「その為にきたのですから。」

せれん「師匠はまだ病院?」

ろわ「うん…。」

るか「ゆうりさんは?野菜の収穫の時にはいたけど。」

ろわ「師匠に付き添ってる。」

ゆら「…それなら、お二人の分まで頑張らないとですね…!」

ろわ「ありがとう。」

せれん「じゃあ頑張ってー。」

せれんはそう言うと、寒そうに家の中に入っていった

のえる「相変わらずだね…。でも、帰らないでいることはいるんだ。」

ふらん「せれんはのえると似て素直じゃないからね〜。」

のえるはふらんの頬を引っ張る。

7人は神楽家の裏庭に回った。そこは薔薇の庭園で、まだ花一つ咲いていないが綺麗に手入れされており、雪溶けの季節を感じさせる。


守護精霊の守護知識

最後の守護精霊の守護知識は、バラの冬剪定で大事なことをシュシュが紹介するシュ。

バラの冬剪定はとっても大事シュ。バラの健康に関わってくるシュ。

まず、バラの個性を知るシュ。バラも人と同じで、色んな花の形があって、樹形も違うシュ。それぞれの種類にあった剪定をするシュ。

次にバラの年数によっても、剪定方法が変わるシュ。1年、2年目のバラは、まだ根が張ってなくて、栄養を少ししか吸収できないシュ。だから、枝を切りすぎると葉っぱが減って、光合成ができなくなるシュ。すると、栄養が足りなくて、全然育たなくなっちゃうシュ。

そして、冬剪定が何故大事なのかシュ。冬は花も葉もなくて、多少切りすぎても問題ないシュ。逆に、花や葉のある時期に切りすぎてしまうシュと、株を傷つける可能性があるシュ。

最初は難しい剪定作業シュが、バラの種類や年数を知って、沢山花を咲かせてほしいシュ〜!


薔薇の剪定が終わった頃、せれんが庭にやってきた。

せれん「終わった?」

るか「せれん、何かあったの?」

せれん「おせち食べたから帰ろうと思って。」

のえる「勝手に食べてたの!?」

ろわ「せれんはいつも勝手に食べて勝手に帰るから。」

みれい「自由人ですね〜。」

りおう「もう少しろわを思いやったらどうですか?」

せれん「ろわに心を開いてる証拠。」

ふらん「思いやるとはまた違う気が…。」

ゆら「寒くなってきましたし、ゆらも家に帰りますね。」

ろわ「うん。皆、本当にありがとう。」

ろわは7人が帰っていく様子を玄関で見届けた。

家に入ろうとすると、ろわの携帯が鳴った。相手はゆうりからで、ろわは固唾を飲む。

ろわ「…はい。」

ゆうり「ろわ!!早く病院に来て!!先、生が…!!!」

ろわ「…!!!」

ろわは家を飛び出した。汗で手が滲み、息が切れ、走っている足に感覚がない。動悸で心臓の音だけが煩くろわの頭に響いた。

ろわ「師匠!!!!」

シュシュ「師匠!!!!」

ろわは病室の扉を思いきり開けた。

師匠「ろ…わ…シュ…ュ…来て…くれたん…です…ね…。」

ろわ「当たり前です。嫌です、師匠!一緒にいてください!」

師匠の弱々しい手を握った。師匠とろわの手に涙が滴り落ちる。

師匠「…大丈…夫…ま…た、…どこ…か…で…会い…ま…しょ…」

生命が尽きる音がした。ろわとゆうりは泣き崩れ、しばらく動くことができなかった。

ろわはゆうりから机に置かれていた手紙を受け取る。師匠が遺した手紙だった。

師匠はろわに、自由に皆で幸せに生きてほしいと遺言を残していた。


-お葬式-

後日、ろわは7人をお葬式に招いた。

ろわ「師匠、あんまり人を呼びたくなかったんだって。でも、皆には来てほしいって言ってた。」

せれん「…そうなんだ。」

ろわ「うん。だから、今日は来てくれてありがとう。…私はこの後、ゆうりさんと話があるから、先に帰ってて。」


-帰り道-

るか「ろわに…何も声をかけられなかった。」

ゆら「ゆらもです…何ていうのが正解か、声をかけても良いのか…いつもろわに助けられてるのに、不甲斐ないです。」

りおう「決まった礼儀以外、どう相手を思いやることが正解なのか、りおうも分かりません。深く知る相手なら、尚更。」

みれい「どうして、別れは次々と来るのでしょう…。」

のえる「本当にここ最近、色々あった。色々ありすぎて、頭が追いつかない。」

ふらん「ろわと師匠さん、本当に仲が良くて、すごく優しい人達だよね。そんな人達…ふらんが大切だと思ってる皆には、悲しい想いなんてしてほしくないのに…。」

せれん「…。」


-1週間後-

学校が始まり、ろわは久しぶりに外へ出る。

シュシュ「ろわ、大丈夫シュ…?」

ろわ「…まだ休んでたいけど、学校には行かなきゃ…。」


師匠「ろわ、貴方にはやることがあるのでしょう。私がいない方が、ろわの為になります。」


師匠の言葉を思い出し、ろわはシュシュへと話しかける。

ろわ「シュシュ、せれんはこのまま園芸をしないで、いいのかな。」

シュシュ「シュ…分からないシュ…。」

ろわはせれんが前に言った言葉を思い出す。


せれん「ゲームとか創作の方が大事。一人でいたい。」


そう言っていたことが気がかりだった。

シュシュ「話してみるシュ?」

ろわ「うん。まだ時間あるよね?」

シュシュ「シュ!きっと大丈夫シュ…!」

ろわは学校の帰りに、せれんの元へ行こうと決意する。


-学校帰り-

せれん「ろわ、来てたんだ。」

ろわ「うん。せれん、本当に園芸やる気ない?」

せれん「え、うん。」

ろわ「少しも?見学するくらいも?」

せれん「うん。どうしたの急に。」

ろわ「せれんが園芸しなかったら、世界が終わるって言ったら?」

ララ「…!」

せれん「それは…沢山人が死ぬ?」

ろわ「うん…。」

せれん「なら、別にいいや。」

ろわ「え?」

せれん「せれんが園芸しないことによって世界が終わるって、せれんがトリガーなわけじゃん。夢が叶うなら、絶対しない。」

ろわ「それで…せれんも、私も皆死んでも…?」

せれん「死ぬのは惜しいけど、お役目終了ってことで。で、それって本当の話?」

ろわ「…例えだよ。」

せれん「だよね。」

ろわ「…それでも!お願いせれん。ちょっとだけでもいいから、園芸一緒にやろうよ。」

せれん「やだ。」

ろわ「お願いだから!」

せれん「鬱陶しい!」

せれんはろわから逃げるように、道路に飛び出す。せれんは路面電車が通る信号を見ていなかった。

ろわ「せれん!!!!」

路面電車とせれんの距離がどんどんと狭まっていった。

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

守護精霊の守護知識で書いた園芸の知識は、諸説あると思いますので、参考程度に留めていただけたら幸いです。

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