Peace4-2
-現実世界 新年-
7人「今年もよろしくお願いします。」
ララ「せれんも言うラ!」
せれん「…よろしく?」
のえる「何で疑問形?」
みれい「皆、配慮してくれてありがとうございます。」
みれいは去年父親が亡くなった為、新年の挨拶をすることができない。
他の7人も各々で元旦を過ごしたので、神楽家で集まる今日が新年で初めて皆で過ごす時間だった。
ろわ「早速で申し訳ないんだけど、バラの剪定手伝ってもらっても良い?」
りおう「その為にきたのですから。」
せれん「師匠はまだ病院?」
ろわ「うん…。」
るか「ゆうりさんは?野菜の収穫の時にはいたけど。」
ろわ「師匠に付き添ってる。」
ゆら「…それなら、お二人の分まで頑張らないとですね…!」
ろわ「ありがとう。」
せれん「じゃあ頑張ってー。」
せれんはそう言うと、寒そうに家の中に入っていった
のえる「相変わらずだね…。でも、帰らないでいることはいるんだ。」
ふらん「せれんはのえると似て素直じゃないからね〜。」
のえるはふらんの頬を引っ張る。
7人は神楽家の裏庭に回った。そこは薔薇の庭園で、まだ花一つ咲いていないが綺麗に手入れされており、雪溶けの季節を感じさせる。
守護精霊の守護知識
最後の守護精霊の守護知識は、バラの冬剪定で大事なことをシュシュが紹介するシュ。
バラの冬剪定はとっても大事シュ。バラの健康に関わってくるシュ。
まず、バラの個性を知るシュ。バラも人と同じで、色んな花の形があって、樹形も違うシュ。それぞれの種類にあった剪定をするシュ。
次にバラの年数によっても、剪定方法が変わるシュ。1年、2年目のバラは、まだ根が張ってなくて、栄養を少ししか吸収できないシュ。だから、枝を切りすぎると葉っぱが減って、光合成ができなくなるシュ。すると、栄養が足りなくて、全然育たなくなっちゃうシュ。
そして、冬剪定が何故大事なのかシュ。冬は花も葉もなくて、多少切りすぎても問題ないシュ。逆に、花や葉のある時期に切りすぎてしまうシュと、株を傷つける可能性があるシュ。
最初は難しい剪定作業シュが、バラの種類や年数を知って、沢山花を咲かせてほしいシュ〜!
薔薇の剪定が終わった頃、せれんが庭にやってきた。
せれん「終わった?」
るか「せれん、何かあったの?」
せれん「おせち食べたから帰ろうと思って。」
のえる「勝手に食べてたの!?」
ろわ「せれんはいつも勝手に食べて勝手に帰るから。」
みれい「自由人ですね〜。」
りおう「もう少しろわを思いやったらどうですか?」
せれん「ろわに心を開いてる証拠。」
ふらん「思いやるとはまた違う気が…。」
ゆら「寒くなってきましたし、ゆらも家に帰りますね。」
ろわ「うん。皆、本当にありがとう。」
ろわは7人が帰っていく様子を玄関で見届けた。
家に入ろうとすると、ろわの携帯が鳴った。相手はゆうりからで、ろわは固唾を飲む。
ろわ「…はい。」
ゆうり「ろわ!!早く病院に来て!!先、生が…!!!」
ろわ「…!!!」
ろわは家を飛び出した。汗で手が滲み、息が切れ、走っている足に感覚がない。動悸で心臓の音だけが煩くろわの頭に響いた。
ろわ「師匠!!!!」
シュシュ「師匠!!!!」
ろわは病室の扉を思いきり開けた。
師匠「ろ…わ…シュ…ュ…来て…くれたん…です…ね…。」
ろわ「当たり前です。嫌です、師匠!一緒にいてください!」
師匠の弱々しい手を握った。師匠とろわの手に涙が滴り落ちる。
師匠「…大丈…夫…ま…た、…どこ…か…で…会い…ま…しょ…」
生命が尽きる音がした。ろわとゆうりは泣き崩れ、しばらく動くことができなかった。
ろわはゆうりから机に置かれていた手紙を受け取る。師匠が遺した手紙だった。
師匠はろわに、自由に皆で幸せに生きてほしいと遺言を残していた。
-お葬式-
後日、ろわは7人をお葬式に招いた。
ろわ「師匠、あんまり人を呼びたくなかったんだって。でも、皆には来てほしいって言ってた。」
せれん「…そうなんだ。」
ろわ「うん。だから、今日は来てくれてありがとう。…私はこの後、ゆうりさんと話があるから、先に帰ってて。」
-帰り道-
るか「ろわに…何も声をかけられなかった。」
ゆら「ゆらもです…何ていうのが正解か、声をかけても良いのか…いつもろわに助けられてるのに、不甲斐ないです。」
りおう「決まった礼儀以外、どう相手を思いやることが正解なのか、りおうも分かりません。深く知る相手なら、尚更。」
みれい「どうして、別れは次々と来るのでしょう…。」
のえる「本当にここ最近、色々あった。色々ありすぎて、頭が追いつかない。」
ふらん「ろわと師匠さん、本当に仲が良くて、すごく優しい人達だよね。そんな人達…ふらんが大切だと思ってる皆には、悲しい想いなんてしてほしくないのに…。」
せれん「…。」
-1週間後-
学校が始まり、ろわは久しぶりに外へ出る。
シュシュ「ろわ、大丈夫シュ…?」
ろわ「…まだ休んでたいけど、学校には行かなきゃ…。」
師匠「ろわ、貴方にはやることがあるのでしょう。私がいない方が、ろわの為になります。」
師匠の言葉を思い出し、ろわはシュシュへと話しかける。
ろわ「シュシュ、せれんはこのまま園芸をしないで、いいのかな。」
シュシュ「シュ…分からないシュ…。」
ろわはせれんが前に言った言葉を思い出す。
せれん「ゲームとか創作の方が大事。一人でいたい。」
そう言っていたことが気がかりだった。
シュシュ「話してみるシュ?」
ろわ「うん。まだ時間あるよね?」
シュシュ「シュ!きっと大丈夫シュ…!」
ろわは学校の帰りに、せれんの元へ行こうと決意する。
-学校帰り-
せれん「ろわ、来てたんだ。」
ろわ「うん。せれん、本当に園芸やる気ない?」
せれん「え、うん。」
ろわ「少しも?見学するくらいも?」
せれん「うん。どうしたの急に。」
ろわ「せれんが園芸しなかったら、世界が終わるって言ったら?」
ララ「…!」
せれん「それは…沢山人が死ぬ?」
ろわ「うん…。」
せれん「なら、別にいいや。」
ろわ「え?」
せれん「せれんが園芸しないことによって世界が終わるって、せれんがトリガーなわけじゃん。夢が叶うなら、絶対しない。」
ろわ「それで…せれんも、私も皆死んでも…?」
せれん「死ぬのは惜しいけど、お役目終了ってことで。で、それって本当の話?」
ろわ「…例えだよ。」
せれん「だよね。」
ろわ「…それでも!お願いせれん。ちょっとだけでもいいから、園芸一緒にやろうよ。」
せれん「やだ。」
ろわ「お願いだから!」
せれん「鬱陶しい!」
せれんはろわから逃げるように、道路に飛び出す。せれんは路面電車が通る信号を見ていなかった。
ろわ「せれん!!!!」
路面電車とせれんの距離がどんどんと狭まっていった。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。
守護精霊の守護知識で書いた園芸の知識は、諸説あると思いますので、参考程度に留めていただけたら幸いです。




