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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
紡がれる白昼夢
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103/129

Peace3-2

朝、せれんが起きると、ちはるが洗面室を占領していた。

せれん「ちはる、どいて。」

ちはる「無理。髪型に悩んでるの。」

せれん「別にいつものでいいじゃん。今日はろわ達遊びに来るだけだし。」

ちはる「だからだよ!あ、今からでも巻こうかな…。」

ちはるが退かないので、せれんは曲の歌詞を考えていると、前にふらんが言っていたことを思い出す。

せれん「…この前ふらんから聞いたんだけど、人間って好きな人の為に髪型を変えるんだって。まさかそれ?」

ちはる「は!?違うし!ろわさんが好きとかそう言うんじゃないし!」

せれん「えー!?ちはるってろわが好きなの!?どこが!?」

ちはる「どこがって…恋したことない人には分かんないと思うよー。」

せれん「恋はしたことないけど、興味はあるんだよ。創作の参考になるから。」

ちはる「そんなんじゃ恋できなくて当然だよ…。」

せれん「で?何でろわが好きなの?いつから?どうやって好きって分かったの?」

ちはる「そんなに質問しないでよ!えっと…初めて会った時…」

せれん「え?あれは助けてあげたせれんを好きになるところじゃん。」

ちはる「どういう思考回路!?こんな自信家好きにならないから!

…それで、ろわさんはあんな状況でも周りが見えてて、優しくて、綺麗で…」

せれん「ふんふん、それで?」

ちはる「それで…ってせれん絶対聞いてないじゃん!」

せれん「いや聞いてるよ。前髪長いところが好きなんでしょ?」

ちはる「やっぱり何も聞いてないじゃん…。」

玄関のチャイムが鳴る。ちはるが慌てふためき出ようとしないので、せれんがモニターを確認して鍵を開けた。

ろわ「こんにちは。…って、せれん起きてたんだ。」

せれん「ろわ早くない?頼んでたコントローラー届いたのかと思った。」

ろわ「叔父さんと叔母さんにご飯作ってって頼まれたから。」

ろわが家に入ると、ちはるはリビングで赤面しながら座っていた。

ちはる「こ、こんにちは。早いですね…。」

ろわ「こんにちは。ご飯頼まれたから、今から作るね。」

ちはる「え!?悪いですよ!ちはるが作ります!」

せれん「ちはる料理できないじゃん。」

ちはるはせれんを睨み、ろわに引きつった笑いを向けた。

ろわ「ちはるもゆっくりしてて。」

ちはる「あ、ありがとうございます…。」

会話がなくなり、慌ててせれんをゲームに誘う。

ちはる「せれん!対戦ゲームしよ!」

せれん「えーせれんはこの前のストーリーの続きやりたい。」

ちはる「お願いせれん!もっと強くなる方法教えてほしい!」

せれん「チハルハモウツヨイカラ、チートツカッタホウガハヤイヨ。」

ちはる「チートは使っちゃダメなんだよ!」

ろわ「ちはる、すっかりせれんに懐いてるね。」

ちはる「懐いてません!ただ、この前いろにランク戦で抜かされて…絶対追い抜く!」

ろわ「そうだったんだ。」

せれん「あとでせれんがやりたいゲームやってくれるならいいよ。」

ちはる「ありがとうせれん!」

せれん「はいはーい。」

ララはキッチンにいるろわとシュシュの方へ行く。

ララ「せれん、ちはるには弱いラ。」

ろわ「確かに、あのせれんがいとも容易く折れるなんて。」

シュシュ「せれんもやっと丸くなったシュ。」

せれん「そこの2体、せれんの悪口言ってるなら串刺しにするよ。」

シュシュ「言ってないシュ!」

ララ「決めつけラ!」

ちはる「せれん、誰と話してるの?」

せれん「せれんは天の声が聞こえるんだ。」

ちはる「厨二病じゃん…。」

ろわ(せれん、昔から友達いないけど、ちはるとは仲良くできてて良かった。るかやのえるやふらんとも一緒に遊んでるみたいだし。)


-せれんとろわの幼少期-

せれんは島に来てろわと学校に通い始めるも、よく誰かと喧嘩をして問題を起こしていた。

そんなせれんに叔父と叔母はゲームを買い与え、ゲーム内で攻撃性を発散できるよう病院の先生とも相談した。

しかしせれんは一度学校にこっそりゲームを持っていき、クラスメイトと休み時間にゲームをしていた。ゲームで戦っていたクラスメイトに負けた瞬間、せれんはその生徒を殴り始めた。

すぐに他のクラスメイトが先生を呼び、先生と話していたろわも駆けつける。

「七海さん!何やってるんですか!」

せれん「ゲームで殺されたから現実で殺す。」

先生がせれんをクラスメイトから引き離すが、せれんが暴れ回り、他のクラスメイトも巻き添えをくらっていた。

そんな中、ろわはせれんの攻撃を交わし、せれんを下敷きにした。

せれん「ろわ重い!」

ろわ「せれんは人を殴ってるんだからいいかなって。」

せれん「ろわは殴ってないじゃん!」

ろわ「でも周りの人もせれんを殴ってないのに巻き込まれてるよ?それならせれんだって殴られる覚悟はあるんだよね?」

ろわはせれんを止められるよう師匠に武術を教わっていた。その日から、せれんもろわと共に武術を習い始めた。

ろわや師匠、叔父や叔母のおかげで少しずつせれんは人を殴らないようになり、家に引きこもってゲームと創作で昇華するようになった。

ろわはシュシュのお告げを聞きながら植物を育てたり、せれんの面倒を見ていた。

ある日、美化委員でりおうと一緒になる。

ろわは生まれ変わる前のことを覚えていたため、りおうも一緒に生まれ変わった人物だとすぐに分かることができた。

りおう「あの、ろわはりおうのこと、嫌いですか?」

ろわ「え?」

りおう「何となくですけど、嫌われている気がするので。」

ろわ「そん…なこと…」

りおうの言う通り、生まれ変わる前の記憶を持つろわは、りおうに苦手意識があった。

りおう「恐らく分かってしまうのは…りおうもろわが苦手だからです。」

ろわ「え、そうだったの?」

りおう「ただの嫉妬です。りおうは家の事情で、自由に植物を育てられません。」

ろわ「もしかして、委員会をやめたのって…」

りおう「親に美化委員に入っていることがバレました。学校に問い合わせたそうです。」

ろわ「そうだったんだ…。」

りおう「ろわは園芸をしているのに、どこか…植物が好きではなさそうなので。神楽家は強制的に園芸をさせる家ではないはずですが。」

ろわ「うん。私が勝手に義務感を持ってるだけ。」

りおう「そうですか…。りおうは、ろわが羨ましかったです。けれど、ろわにも家を継ぐ義務感があるんですね。」

ろわ「そうじゃないけど…私も、りおうが羨ましかった。」

りおう「そうだったんですか?」

ろわ「だって、花を育てるの上手で成績も優秀なのに、先生のことばかりで国には興味なさそうだし、私は一番でいるのに必死で皆みたいに人から好かれる才なんて…」

りおう「ちょっと待ってください。何の話をしているんですか?」

ろわはりおうの言葉で我に返る。

ろわ「…ごめん。でも、りおうにも羨ましいって感情、あったんだね。」

りおう「りおうのこと何だと思ってるんですか…。」

ろわ「兎に角、この島凄いね。向こうでは桜なんて見たことなかった。」

りおう「島の外って、そんなに植物がないんですか?」

ろわ「私がいたところは都会だったし、全然なかったよ。」

それから宝華家と神楽家でいざこざがあり、りおうは親から神楽家の人と関わるなと言われたそうで、距離感がぎこちなくなっていった。


-午後-

ゆらといろ、るかが七海家に到着する。

ゆら/るか「お邪魔します。」

いろ「じゃじゃーん!るか先生連れてきたよ!」

るか「先生?そっちの学校で実習したことないよ。」

ゆら「多分、ゲームの先生ってことだと思います。」

ちはる「初めまして!七海ちはるです!」

るか「初めまして。小鳥居るかです。この子がせれんのきょうだい?しっかりしてるね。」

ちはる「えへへ!」

せれん「せれんの方がしっかりしてるよ。」

ララ「せれんはちゃんと挨拶しないラ。」

いろ「早く対戦ゲームしよ!」

せれん「えーさっきやったから嫌だ。」

いろ「ずるい!いろはやってない!」

るか「じゃあ多数決しよ。対戦ゲームやりたい人ー。」

いろ/ちはる「はーい!」

るか「じゃあ対戦ゲームだね。」

せれん「何で!?るかもそっち側なわけ!?」

るか「るか入れたら偶数になるから3人で多数決取ったんだよ。」

せれん「嫌だ!ストーリーの続き見たい!」

ちはる「でもそれ、ちはるとせれんでやってるやつだから、皆で遊べないじゃん。」

せれん「さっき対戦ゲームしたらストーリー見るって言った。」

ちはる「夜やるから、今は皆でできるゲームしようよ。」

せれん「絶対だよ?」

ちはる「はいはい。」

シュシュ「精神年齢が逆シュ…!」

ろわ「2人が仲良い理由、何となく分かった。」

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

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