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そして覇者になる ~織田信長の物語~  作者: ノーネアユミ
第四章 元亀争乱編

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3 狙撃

 念のためキャラ紹介


 森可成 信長の部下 蘭丸君のお父さん すぐ死ぬ

 蒲生父子 元六角家家臣 織田家が説得に説得を重ねて自派に引き入れた 

上様(うえさま)(おそ)れ多くも浅井が裏切(うらぎ)りました。それがしは岐阜(ぎふ)(もど)態勢(たいせい)(ととの)える所存(しょぞん)にございます」


 信長は京に入ると身支度(みじたく)もそこそこに将軍へ謁見(えっけん)を求めた。


「な、なんと。なぜじゃ?」

「分かりませぬ」


 信長はほぞを()んだ。


 信長は苛烈(かれつ)なイメージが強い人物だが、身内を大切にする部分がある。

 一度裏切りかけた庶兄(しょけい)や、手ひどいミスを(おか)した叔父(おじ)(ゆる)され家中(かちゅう)(いま)健在(けんざい)だ。

 1人だけ弟の信勝を殺しているが、それは信勝が2度も裏切ろうとしたから。


 そして長政には掌中(しょうちゅう)(たま)である妹お(いち)(とつ)がせている。

 信長にとっては彼も大切な弟だったのだ。


 しかし浅井(あざい)長政(ながまさ)にとってはそうではなかった。彼としては同等(どうとう)同盟(どうめい)関係を(のぞ)んでいたのかもしれない。




 攻略したばかりの若狭(わかさ)から人質を受け取ると、すぐに信長は帰国を始めた。

 軍勢は手元(てもと)にあるが、空の本拠地を攻められたらたまらない。岐阜城は天下(てんか)名城(めいじょう)であるが、主力を()く状態であれば敵も総攻撃してくる危険性が大きい。



「しかし浅井が京に攻めてきたらどうするのじゃ、三好(みよし)三人衆も恐ろしいというのに」

一大事(いちだいじ)がありましたらただちに京に参りますので」


 将軍様に止められてもこればかりは無理。



宇佐山(うさやま)城には森可成(よしなり)、長光寺は柴田権六(ごんろく)に任せる」


 琵琶湖の南を通りながら要所には家臣と軍勢を残す。浅井軍と朝倉軍が協力して京へ進軍することだけは(はば)まなければならなかった。


 敵が取りそうな手を考え、1つ1つ対処(たいしょ)する。


「敵と正面衝突(しょうとつ)する危険だってあるな」


 信長は慎重(しんちょう)に軍を動かした。

 琵琶湖付近の国人は元からの主である浅井に(したが)う者が多かったが、味方に残った武将もいた。

 日野城の蒲生(がもう)氏である。


 元々蒲生家は六角氏の家臣(かしん)(あるじ)の六角氏がポンコツ若殿(わかとの)のせいでピンチになった時さえ見捨(みす)てない忠義(ちゅうぎ)の臣。

 織田方に引き入れる時は信長たちも随分(ずいぶん)苦労した。

 つまり蒲生氏は損得(そんとく)考えず主人を(ささ)える脳みそまで筋肉なタイプ。


 さらに蒲生氏のあととり息子は人質(ひとじち)として岐阜に(あず)けられていた。

 人質であっても織田家では教育の機会を与えたようだ。多数の人質を受け取っていた信長は、できさえ 良ければ家臣に(むか)え入れる気マンマンだから。

 

 息子から待遇(たいぐう)の良さを伝えられていた忠義者の父親は迷わなかった。

 蒲生の家臣に案内されて織田軍は千種(ちぐさ)山の山道を急ぐ。




 しかしそれでも襲撃(しゅうげき)はあった。

 信長本人をねらう狙撃(そげき)が。


 バンッ、バンっと鉄砲の音が(ひび)き、信長の体に衝撃(しょうげき)が走った!

 (するど)い痛みが後から来る。


 音がした方向には逃げる男が一人。


不届(ふとど)き者め、(つか)まえろ!」


 部下に後を追わせたが犯人は捕まらなかった。


 ()たれた(たま)は二発。この時代の(じゅう)は連射ができない。おそらく弾をこめた鉄砲を二(ちょう)用意したのだ。



 五月二十一日、信長は岐阜にたどり着く。その翌日には六角氏が石部(いしべ)城に軍を集めているから、ギリギリセーフだった。


 しんがりを任せた部隊もなんとか生還。浅井軍は信長本隊に逃げられたことを知って、しんがり部隊をせん滅せず追撃(ついげき)を止めたのだろう。


 松永久秀も大和(やまと)に戻り守りを(かた)める。



 信長は、人生最大のピンチをのり切った。

 



 そしてそれは浅井長政にとって、信長を倒す最大のチャンスを(のが)したことになる。

 織田軍の侵攻(しんこう)に備え居城(きょじょう)の小谷城を守るために、長政は美濃(みの)との国境近くに(とりで)(きず)かせた。


「こちらに欲しいな、調略(ちょうりゃく)じゃ」


 国境付近を守る砦を手に入れれば、信長が小谷城を攻めるための足がかりになる。


 敵を引きこむのが得意なのは、話がうまい木下藤吉郎(とうきちろう)策略家(さくりゃくか)竹中(たけなか)半兵衛(はんべえ)地味(じみ)すぎて敵に警戒(けいかい)されづらい丹羽(にわ)五郎左(ごろうざ)長秀(ながひで)

 信長は彼らに次々と浅井方の城を調略させた。


 六角承禎(じょうてい)の軍は柴田と佐久間に任せる。



 竹中半兵衛が新砦を守護する堀ナントカと樋口(ひぐち)カントカの調略を成功させたので、信長も浅井長政のいる小谷城に向けて進軍を始めた。


 将軍義昭からは「()も行きたいぞよ」とか手紙が来たけど(ことわ)る。


「将軍様は京で目を光らせていてくだされ。西の三好もいるのですから」


 こんな状況で京を空になどできるはずないのだ。



堀と樋口の調略は立中半兵衛の手柄ですが、彼だけに命じられていたのかちょい疑問だったので秀吉と長秀も混ぜてみました。


 いろんな場所に調略はしかけまくっていて、半兵衛が担当した刈安と長比が真っ先に乗って来たとかですかね。

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