22-35 見な
蠶蛾の下級妖怪、蠶贓は己の手を汚さず、不正入手した金品を隠した贓から指示を出す。
不老不死に興味を示し、長寿種を攫って贓に放り込むも、その大半が餓死。けれど気にしない。
成虫になる前、つまり口がある間に霊力や妖力の塊を喰らう。モチロン生死問わず。
ウッカリ成虫になった時に備え、多くの幼虫を囲っている。
「噂だが。」
ゴクリ。
「あの小物、外界を探るために。」
額を集めていた瑞祥ズが口を閉ざす。
「ニャンだい。」
流、参上。
蠶贓は團暴で雷獣が不法飼育されていると知り、幼獣入手計画を立てた。奇羅復活準備に追われる、一瞬のスキに攫おうと。
なのに、雷獣に糸を結び付けて戻した?
「ちょいと、その雷獣。連れといで。」
シーン。
「ドコに居るんだい。」
・・・・・・。
言えない。知らないなんて、口が裂けても言えない。
「白澤。」
「ひゃい。」
「速やかに大陸妖怪を纏め上げ、管理しろ。」
ニャンコにグッと迫られ、タジタジ。
「見な。」
スッと出されたのは、山守神が和山社に提出なさったアレコレ。
「やまと国津神、失踪事件。」
えっ。
「その解決に化け王が絡んでいる。」
「なっ。」
白澤が見開き、ポスンと尻をつく。
「まだ有るよ。」
提出された証拠物、火筒を見て真っ青になる瑞祥ズ。
壊滅したハズの團暴がコソコソ、量産していた品だ。ドコからドウ見ても。
「口を割らせるしかニャイね。」
流が小さな器を持ち上げ、叩き壊した。
ポンと現れたのは團暴の生き残り。人虎、虎杖。
「せっかく生き残ったんだ。長生き、したいだろう。」
ニヤリ。
ココはドコだ。ハッ、考えるマデもない。天獄だよ天獄。見ろよ、勢揃いしてるゼ。
神獣、白澤。四瑞に五龒、四神。雷獣王まで居らぁ。
「死にたくニャければ首領の名、その口でハッキリと言え。」
脅迫された虎杖、大混乱。
首領? そんなの、知ってんだろう。なのにナゼ聞く。
落ち着け、考えろ。跋扈だったか妄染だったか、そんなコトどうでも良い。瓢箪に入れられて気が付けば。
そうだ、出されたんだ。半妖、異に。
アレが首領? ナイない。
半妖は人より強いし、長生きする。教わらなくてもある程度、妖術も使えるだろう。
山守だったか、あの土地。食い散らかされ、増えてたゼ。半妖が。溢れてたなぁ、闇がさぁ。




