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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
深淵
1786/1792

22-34 まさかぁ~


山守神やまもりのかみおだやかな山神。そのような目を為さる神ではナカッタのに、どうして。


いや違う。そんな山神を変えてしまう、恐ろしい事が起きたのだ。






ながれを呼ぼう。神成山かみなりやまへ使いを。」


「はい。」


和山社なぎのやまのやしろの使い蛇がニュルッと現れ、スススと下がった。






渦風神うずかぜのかみの使わしめ、流は猫又の大妖怪。


ふところにハンムラビ法典の一部が記された巻物。指の先がチョコッと触れたダケでも効力を生じる、オッソロシイ代物を入れている危険なニャンコである。






「嫌だ。」


プイッ。


「渦風神、そうおっしゃらず。」


と言いながら、流に木天蓼またたびを差し出す。


「やまとには他に、頼れる御猫サマは。」


チラリ。






使い蛇も慣れたモノ。


和山社から持ち出したのはアンリエヌ領、圓洲みつくに産の木天蓼。『ニャ酔わセル』である。






「参ります。」


『一度で良いから食べてみたい』と思っていた数量限定、幻の逸品を胸に抱き、目を輝かせる流。


「御許しいただけないなら和社なぎのやしろへ」


「許す。」






流は本気だ。もし止めれば、直ぐにでも『める』と言う。


そんな目をしていた。






「その代わり、早く戻れ。良いな。」


「はい、渦風神。」






流の頭の中は『ニャ酔わセル』でイッパイ。


きっと美味おいしい。美味しいに違いナイ。あぁ、早く食べたい。それダケ。






「ニャンだい、これ。」


うつわに入れられた大陸妖怪、虎杖こじょうを見た流がつぶやいた。


「猫は液体らしいケド、限度ってモンがある。ニャに事にもね。」


パクリと木天蓼にかじり付き、ウットリ。






瀕死ひんしの虎杖を見た流が白澤はくたくに連絡。その数分後、西の空に稲妻いなずまが走る。




「どうするの、これ。嫌だよ。」


流からの呼出状をスッと遠ざけ、頭を抱える神獣。


「白澤よ、諦めろ。」


「じゃぁ麒麟きりん、代わりに行って。」


「断る。」


生草を踏まず生物を食わない一角獣、即答。






猫又の大妖怪、流が動いた。その知らせはアッと言う間に天獄てんごくに広まる。


呼ばれたのは神獣、白澤。けれど恐らく、アレが絡んでいる。






團暴とんぼうの首領、奇羅きら復活を主導したのは。」


コソコソ。


「金臣、跋扈ばっこ。」


ヒソヒソ。


「銀臣、妄染もうぜん。」


ザワザワ。


蠶贓さんぞう。」


ピタッ。




蠶贓は絸緝けんしゅうの首領で、蠶王さんおうと呼ばれる下級妖怪。




「まっ、まさかぁ~。」


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