22-33 焼き払え!
社に戻って早早、九尋神に拳骨を食らわされた。
「焼き払え! どうした尋。それでも九尾の白狐か。」
九尋神、ニヤリ。
「そ、んなコト・・・・・・。」
「出せ。」
「きつねびぃぃ。」
泣きながら力を揮う尋を、冷たい目で見る鹿食。
鹿肉しか食さないが猛禽類。その眼、爪。迫力満点。
「弱いな。」
鹿食が羽を動かし、加勢。
「ありがとう。」
ヘナヘナと頽れる尋。
「次っ。」
「ひゃい。きつねびぃぃぃ。」
霧雲山の統べる地に伸びたソレは現在、和神が使わしめを伴い、塞いで御出でだ。
社を離れても障りない。
霧雲山系に御坐す武闘派の神神は、そう御考え遊ばす。
「許し無く開かれた道だ、思い悩む事は無い。」
ドド、ドーン。
「崩れ落ちる事も無い。」
ドド、ドッカーン。
霧雲山の統べる地から社を通って、数多の神が御出で遊ばす。
イキナリ現れた大陸妖怪の駆除に四苦八苦なされた神神、颯爽と現れた援軍に狂喜乱舞。
「もう立てない。」
ペチャッ。
狐火の連続使用により、妖力が尽きそうな尋。妖艶にクネっと身を捩り、流し目で訴える。
『帰りたい』と。
「毟るぞ。」
「き、きつねびぃぃぃ。」
隠の世、和山社へ御出で遊ばした山守神。はじまりの隠神で在らせられる大蛇神に残らず、告げ報せ為さる。
「和神にケチョンケチョンにされ、ピクリとも動けなくなった異は祝辺の獄に。」
とつ守は思った。
祝辺に居ては山守の地で、崖の下で何か起きているのか分からない。下りるしかナイと。
崖の底、広滝の前に出て驚く。
困った。先が、何も見えない。そんな時だ。アンリエヌに御坐す化け王が、和神が御出で遊ばしたのは。
「和神から異を受け取った祝辺の守、とつ守は祝辺より霧山を選ぶでしょう。」
キリリ。
「大陸妖怪、虎杖は。」
コトリ。
「和神に捕らえられ、こちらに。」
ニコッ。
和山三嶺の神神、アングリ。
こんなに小さな器に大陸妖怪が、生きたまま入れるのか? と。
『捕らえられ』という事は生きている。そう思い直され、口角をクイッとあげ為さる。
「大蛇神。この虎、合いの子です。親に捨てられたか親ナシになり、悪いヨーカイに拾われたのでしょう。」
ゴクリ。
「その頭、どう為さる御ツモリで。」
キッ。




