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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
深淵
1784/1788

22-32 こちらに御坐す御方を何方と心得る


雷獣に結び付けられていた糸は、まるで生きているようだ。時間停止機能つき容器に入れたのに、焼き切ったのに伸びている。



才で作ったしなだ。神でも開封不可能、破壊も不可能。


けれど、急いだ方が良い。






鎮野しづめの、大泉、鎮森しづめもりを守るため、閉ざす。」


腰に手を当て、なぎが微笑む。


「はい。」


清和きよな日和ひより和音かずねもキリリ。






ことが開いた闇の道は遠く、大陸まで続いていた。それを残らず潰すため、もちいられたのは和音の毒。


山守から噴き出し、あふれた闇をタップリ食らったのだ。余る事は有っても足りなくなる事はナイ。






「外から来られなくすれば、それで良い。内に残るのは統べる神に御任せする。清和は禍津神まがつかみ、日和は天津神あまつかみに御知らせして。和音、行こう。」


「はい、喜んで。」






和音は頑張った。


大きく息を吸い、スゥっと毒を注ぎ込む。その繰り返し。



侵入していた大陸妖怪ごと、ドロドロにけた道はふさがる。塞がれば閉じ、もう開く事はない。


永遠に。




失われたモノは戻らない。どんなに望んでも、強く求められても決して。それが世のつね。引っ繰り返せるとすれば? 神。



似た力なら在るが、神通力じんつうりきなど存在しない。


それに近いのは才。はじまりの一族、その直系だけが有する特殊能力だろう。



つまりアンリエヌ国王、先代から全ての才を継承した和だけが不可能を可能に出来る。というコトになる。






「ジャンジャン狩るわよぉ。」


大量殺戮兵器と猛毒製造機、発動!






霧雲山系まで続いていた道は全て、通行者ごとドロドロに融けて閉ざされた。




「よぉし、次!」


「ハイッ。」






勝手に通された通路を潰す。それダケの事だが、そのり方がエゲツナイ。


『いつイツから、この道は使えなくなります』とか、『この道は今から閉ざされますので、引き返してください』とか、そういう『お知らせ』があってしかるべき?






「抜け道なぁし。」


手差し確認する幼女。


「なぁし。」


舌を出し入れするまむし






イヤいや、ないナイ。


こちらに御坐おわす御方を何方どなた心得こころえる。おみを取り返すため天界へおもむき、巨大神殿を瓦礫がれきに変えたアンリエヌ化け王、和神なぎのかみで在らせられるぞ。


えぇい、が高い。控えぇ、控えおろぅ。






「ギャッ。」


ジュゥゥ。


「ギェッ。」


ジュワァァ。






糸風船をふくらませるように、スゥっと吹き込まれた猛毒が不法入国者を融解ゆうかいする。


やまと側からそそぎ込まれるソレは、噴き出した闇から精製された代物しろもの。光の元でなら一発でわかるが、闇の中では判らない。


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