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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
深淵
1783/1787

22-31 大物になるカモね


特質系洗浄で元に御戻り遊ばした山守神やまもりのかみ、小さなうつわを手に和山社なぎのやまのやしろへ。


人のときに残ったシズエは、グッチャグチャになった社の掃除に精を出す。






ちかぁぁ。」


「ゲッ。」


「何が『ゲッ』ですか。山守に飛ばされてから今まで、何をしていたのでっ。」


九尋くつね社憑やしろつき、鹿食かのけくちばしを開いたまま固まった。


「申し訳、御座ございません。」


パサッと翼を畳み直し、こうべを垂れる。






鹿食は犬鷲の妖怪。好き嫌いが激しく、鹿肉しか口にシナイ。


九尋山の緑が保たれているのは、鹿食の働きによるトコロが大きい。



尋が戻らず、ドコに居るのか分らない。その事に御怒り遊ばした九尋神くつねのかみおおせに従い、山守山へ飛んできたのだ。






「コレッ。」


逃げようとする尋の尻に、思い切りくちばしを刺す。


「イタァァイ。」


痛いよね。


和神なぎのかみ、ありがとうございました。すもも美味おいしかったデス。また食べたいッタァ。」


尋、涙目。


「山守と祝辺はふりべで見聞きした事、残らず御伝えなさい。」


「はい、和神。」


キリッ。


「では、これにて。」


ニコッ。


「鹿食、優しく運んでぇぇ。」


尻を掴まれ、急浮上。ぷらんプランと運ばれる。


「痛そう。」


清和きよなつぶやき、日和ひよりうなずく。






ことが開いた闇の道は霧雲山系、山守山だけではナカッタ。


人は闇をいだきやすい。霧雲山の統べる地で暮らす、いくさとは縁のない人であっても。






ずは、雷獣。」


「ミャァ。」


「飼い猫なの?」


「ミッ。」


キュルン。






團暴とんぼう一派に不法飼育されていた雷獣には、闇の力でつむがれたと思われる糸が結び付けられていた。


それを炎の才で焼き切り、回収。






「取りえず、確保。」


首根くびねっこをまみ、保存容器の中へポイッ。


「隔離空間だ、死ぬ事は無い。」


と言いながらふたをする。






保存容器の中には水と食料、寝床となる麦藁むぎわらが敷き詰められていた。


中からは外の様子が分からないが、外からは丸見え。そうとは知らず欠伸あくびして、ユッタリとくつろぐ。






「大物になるカモね。」


クスッ。


「和様。その雷獣、飼われるのですか。」






和音かずねは思った。


和様はツルツルの蛇より、モフモフのけものが御好き。雷獣は耳が丸く、顔が小さな獣。モフモフが増えれば増えるホド、ナデナデが減ると。






「雷獣は天獄てんごくで飼育されている、珍しい獣なの。異が開いた道を閉ざしたら、天獄に送り届けるわ。」


ニッコリ。


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