22-30 えぇぇぇ
木片に幽閉されていた山守神は、闇を御抱え遊ばす。
闇堕ち為さるまで、あと少し。
「御戻り為さらぬなら、放たれませ。」
なにを。
「九尾の白狐、シズエ。」
えっ。
「仕える神が闇堕ちすればドウなるか、御分かりですね。それでも、と御考えなら。」
「待って! シズエは、シズエは助かったの?生きているの。」
「腹を開いて折れた骨を取り除き、閉じました。足りない血は近くに居た、同じ九尾からタップリと。」
・・・・・・エッと。
「つい先、目を覚ましました。」
ぱぁぁ。
救出された山守神、シズエの安否を確認。
生きていると御知り遊ばし、安堵なさる。
「御戻り遊ばせ。」
人虎の腹から取り出した御魂を、木片に閉じ込められていた御魂にググィ。
「いっ、痛い。」
和とて初めての事。力加減が分らず、全力で捏ね合わせてしまった。
特質系洗浄の才を揮ったので、ピッカピカです。御許しください。
「良く御戻り遊ばしました。」
ニッコリ。
「ありがとう。あの、和神。ココはドコなのかしら。」
山守神、キョロキョロ。
「山守社の北で砕けた、大岩の下です。」
「えっ。えぇぇぇ。」
和、五歳。ドコからドウみても幼女です。
そんな幼児にヒョイと横抱きされ、もの凄い速さで進めば叫びたくもなりますヨ。
後ろには清和。全力で駆けなければ、和に追いつけないからネ。必死に四肢を動かしてマス。
その後ろには團暴に管理されていた、名無しの雷獣。コチラも必死です。
「シズエぇぇ。」
砕けた大岩から出た瞬間、転がるように山守社へ。
「居ない、居ないわぁぁ。」
石積みの社から飛び出し、和の肩を掴んで揺すり為さる。
「御待ちください。」
幼くても化け王。グラングラン揺すられても、清和を制しながら対応。
「日和。」
「はい、和様。」
鏡の中から出てきたのは、日和に支えられたシズエ。と、目を輝かせる尋。
「シズエぇぇ。」
ギュッ。
「山守神、御離しください。苦しいです。」
「ごめんなさい。傷は、痛みは。」
「傷は塞がり、痛みも御座いません。」
ニッコリ。
「和神、ありがとうございます。御蔭さまで、元の姿に戻る事ができっ。」
ウルッ。
「山守神を御救いくださり、ありがとうございます。」
前足を揃え、頭を下げるシズエ。
「ありがとうございました。」
山守神が和神の御手を取られ、涙を流し為さる。
「これから隠の世、和山社へ参ります。何が起きたのか、御伝えするために。」




