22-28 定期購入します!
虎杖が覚悟を決めた、その時。
グウグウ眠っていた尋が目を覚ます。
シズエは輸血しなければ助からないホド、多くの血を失っていた。だから尋は並の狐なら立ち上がれない、三匹分の献血をさせられたのだが・・・・・・。
「ほえっ。」
ここ、どこ?
「頭スッキリ、気分爽快。」
クワァっと欠伸しながら尻を上げ、背を伸ばしてフルフル。
「喉が渇いたでしょう。どうぞ。」
日和からグラスを渡され、トクトクと注がれた液体をクンクンと嗅ぐ。
「アンリエヌ領ティーラで栽培されている、李の果汁です。」
「ありがとう。」
味見するツモリでゴクリ。
雲海に囲まれた天界の秘境、神跡未踏の地ティーラは日当たり、風通し、見晴らしも抜群。神界の喧噪を離れ、手付かずの自然の中に身を置くのにピッタリ。
そんな地に建てられたのがアンリエヌ国立、地界総合研究所。
主に品種改良が行われ、多くの成果を上げている。所長は和王。研究員は離宮地下出身の新たな一族で、その大半が留学経験者。
モチロン国家公務員。
グビグビ、ぷっはぁ。
「美味しい。」
何これ。
尋が飲んだのは自然な甘さがあり繊維質、ビタミンA、カリウム、ミネラルに富む健康食品。
葉は長楕円形で細かい鋸歯があり、その果実を乾燥させた加工食品は鉄分に富む。西洋李の一種、プルーン。
李はバラ科サクラ属スモモ亜属スモモ類の総称で、葯三百種ある。そのうち十数種が果樹として栽培利用されているが、和は神格化した化け王。
ワリと何でもアリ。
「悪魔の実。」
ヒョッ。
「と呼ばれるほど美しい、青紫色の木の実です。」
ニッコリ。
「そうなんだぁ。」
あぁ、ビックリした。心臓に悪いわ!
和は父母から祖父、ジロの話を聞いて育った。ジロと同じ、和の花色の目が好きだった。なのに変わってしまう。
人でない、はじまりの一族になって。
「実から種を取り、ジックリと乾かしたのがコチラ。」
白い小皿に盛られた黒い物体を見て、思わず息を呑む。
「美しさを保つのに良いと」
「頂くわ。」
キリッ。パクッ、モグモグごっくん。
「はぁ、若返るぅ。」
そんな効能はない。
和は昔の瞳と同じ、和の花と同じ色をした実を作りたかったダケ。アンリエヌにナギは、ミズアオイは生えてイナイから。
和が稲の育種を始めたのは、米を食べたいと思ったからではない。セパールに水田を作ろうと思ったからだ。
ナギは水田や池沼に群生する、ミズアオイ科の一年草。溜水中に生え、軟質で茎は短い。花期は九月から十月。一日でしおれる花は青紫色。
「九尋社に届けて頂けるかしら。」
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