22-26 死期、迫る?
迷路状の洞穴。
鍾乳石も石筍もナイが、鍾乳洞のようにヒンヤリしている。
「ヴゥゥ。」
前方に敵、発見。ビリビリしている。
きっと強い力を持った、雷神の使いか何かだ。
呻る清和を撫で、辺りを照らした。
ズラッと並ぶのは、手前に柵が填められた檻。
「おや。」
その奥に蹲り、消えかけた神神の御姿が見える。
「ナゼ霊獣が。」
こんな場所に。
血走った目をした雷獣が、呻る清和を睨む。爪を出し、ノッソノッソと近づいて牙を剝いた。
その瞬間。
「ニャッ。」
腹を蹴り上げられた雷獣が、天井に突き当たる。
「ヴャッ。」
落下直後、脇腹を蹴り飛ばされた。
唖然とする清和を静かに下ろし、ツカツカと接近。
怯える雷獣、万事休す。
「出せ。」
「にゃぁ。」
可愛く鳴き、後退り。
「ほう。」
が相手が悪い。
和は猫より、犬が好き。
何だ、この生き物は。体は小さいのに、恐ろしく大きく感じる。
見える、見えるぞ! 刃を研ぐ姿が。隠し持っているな。恐ろしく切れる得物、疣のある鉄製の棒を。
殺される。眉一つ動かさず、甚振られながら。
外道め! 許さん。温もりを知らぬ雷獣だが、親は雷獣王の臣。と聞く。
「ニャァァァ。」 トツゲキィィ。
突進してきた雷獣の吻を開き、牙を残らず砕いてから突いた。
拳で。
善悪の区別はつくし、力加減も出来る。けれど全力で突っ込んだ。
お子様は気が短い。
諦めろ、野良。逃げようとすればするホド、締め付けが強くなるゾ。
「仕方がない。」
具現の才で手に似せた機械を現し、グイーンと伸ばして操作する。
アンリエヌ化け王、六忠臣は獣。和神の使わしめ、その大半が獣。
何を隠そう、和はモフモフが好き。いや大好き♪ だから心を鬼にした。
早く終わらせるために。
「〇✕▽、◇※。」 グルジイ、ヲエッ。
地下で見つけた雷獣が、泣きながら吐き出した塊。それは柔らかく、眩しいホド輝いていた。
「見つけた。」
御魂奪還に成功。やったネ。
「モフモフよ、安らかに眠れ。」
いや死んでない、生きてます。生きてますって。
「和様。これから、どうされるのですか。」
清和が控え目に問うた。
「奥に御坐す神神に、御返しする。」
ニッコリ。
「と、その前に。」
違法飼育された雷獣に死期、迫る?




