22-25 長居無用
團暴。
神獣、白澤によって殲滅させれたとされる組織。首領は奇羅。金臣は跋扈で、銀臣は妄染。
その金銀が消滅前、人虎を逃がしたトカ何とか。
一匹でも取り逃がしたなら、『殲滅した』とは言わないだろう。
その辺り甘いのか、天獄は。
「行こう。」
「はい。」
清和を抱き上げ、タッタカひょい。潜入成功!
獲物を見失い、慌てたのだろう。牡丹に擬態した食肉植物が花糸を伸ばし、葯を振って花粉を散撒いている。
ブワッと砂埃のように舞う、ツンした臭いのソレは毒。吸い込めば動けなくなるので要注意。
「鼻が捥げるぅ。ん、何ともナイ。」
キョトン。クンクン、ククン。
「和様。下から嗅いだ事のない、嫌な臭いがします。」
キリリ。
「そうね。」
地下から妙な気配がする。闇の噴き出し口だ、アチラへ繋がっているのだろう。
「にしても物が多い。」
ソコソコ広いハズなのに狭く感じる。
不自然に仕切られた空間。押し込むように、投げ込むように置かれたアレコレ。倉庫に納める品にしては安っぽい。
良い品も混じっているが、傷があったり欠けている。鍋があるのに勺がない、椀があるのに箸がない。
「抜け殻だな。」
捨て置かれ、散らばった品を見て思う。
「気の毒に。」
元は神倉に納められ、祭られていた品品。
「これは。」
神器。
御隠れ遊ばした、と思われている神神は御坐す。この下に。
あぁ、面倒な事になった。祝辺の守を呼ぶか。いや、止そう。隠の守に勝ち目はない。
「さぁて。」
ドウしたモノか。
和が選んだのは念動。
遮蔽物を動かし、地下への入口を探す。マデもなくアッサリ発見。
「『見つけてください』って、言っているようですね。」
清和が尾を振り、タッタと駆け寄る。
「和様、呻き声が聞こえます。」
キリッ。
ガラクタを乗せて隠せたから、それで良いとでも思ったか。
床下に伸びる階段に扉は無く、開きっ放し。
「居るな。」
が弱い。
「御出で。」
清和を抱き、風を纏って下りる。
常に浮いているのでウッカリ、踏んではイケナイ『何か』を踏んづける心配はない。
開削工法を採ったと思われる。けれど、土止め壁が見当たらない。コレを保っている妖怪が居る限り、崩れる事は無さそうだ。
が、長居無用。




