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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
深淵
1776/1788

22-24 似ているが違う


何だろう、この光は。あたたかい。


山守神やまもりのかみ御力おちから、ではナイな。






「戻ったか。」


和神なぎのかみ。」






一命を取り留めたシズエが見開く。


起き上がろうとしたが、思うように動けない。






「そのまま。」


「はい。」


「飲みなさい。」


ズボッとふんからのどの奥に、清め水が注ぎ込まれた。


「はぁ。」


五臓六腑ごぞうろっぷに染み渡るぅ。






山守神、シッカリなさいませ。いつまで私の尾に、御顔をうずめて御出でなのですか。


・・・・・・あ。






「和神。山守神が闇のめぐし子、ことさらわれました。」


そう言って気を失う。


日和ひより。シズエを、お願い。」


「はい、なぎ様。」


優しく撫でられ、ウットリ。






ふもとの拠点から山守社やまもりのやしろ前に戻った和が、スッと目を細めた。



眩しい? いや違う。気付いたのだ。


北方からただよう、ネットリとまとわりつくような妖気に。






「うわぁ。」


清和きよな和音かずねを見上げ、感嘆の声をあげた。


「和様、和音の腹が黒いです。」


アワアワする清和を撫で、微笑む。






清和は和音の『心根こころねが良く無い』とか、『悪巧わるだくみをいだいている』と思ったワケではナイ。


見たままを言ったダケ。






「そうね。でも、ほら。」


首に巻かれた布には、清めと守りの力が込められたたまが付けられている。


「光の力。」


取り込んだ闇の消化を助け、輝く。






溢れた闇は全て、和音の腹に納まった。けれど、まだよどんでいる。


それら全てをらい、毒に変えるまで半時はんとき。一時間といったトコロか。






「清和。」


「はい、和様。」






山守社の北。かつて大岩があった場所に、見慣れない屋敷が建っている。昆虫を含め、動物の気配が無い。


気味が悪いホドの静寂につつまれた異空間。



考えるマデもない。アレは大陸、破落戸ごろつき妖怪が使う術。團暴とんぼうの生き残りか、新興勢力か。


いづれにせよ看過かんかすべからざる問題。






冥府めいふの闇?」


似ているが違う。


「人のときおにの世のさかい黄泉平坂よもつひらさかに近い場所。」


「和様、そのような場所が。」


どうして中津国なかつくにに。






校倉造あぜくらづくりだが三つ、コの字型に並べて建てている。


視線をさえぎるように植えられたのは牡丹ぼたん。大輪の花は紅紫べにむらさき花托かたくに囲まれた基部は深淵のよう。



食肉植物と思われる。


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