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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
深淵
1773/1797

22-21 人の子の皮を被った


大木おおきの側にやしろを、石積みの社を建てたのはツル。山守社やまもりのやしろの、はじまりの祝。


清めの力を込めて建てられた社に、シズエの狐火をまとわせている。だからチョットやソットでは崩れない。


そんな社が消えた?



山守神やまもりのかみ御身おんみに何か。いや、シズエだ。傷ついたシズエを守るため、社の奥に隠し為さったのだろう。


急がねば!






「何だ、この闇は。」


シュルッ。






なぎが触れると浄化してしまうので、くさりを伸ばして捕らえた。


具現ぐげんの才で現した物は使い捨て。けれど、その強さは本物。



ギリギリと縛り上げられ、口をパクパクさせる。はちの中で酸欠におちいった、金魚のように。






「答えろ妖怪。」


相手が化け王と知らず、食らうツモリで近づいたことが暴れる。


「ホウ、道を開いたか。」


ジタバタ、ジタバタ。


「闇で弱った神を取り込めば、望む強さを得られる? そんなワケないだろう。」


ピクッ、ピクピク。


「まだ気づかぬのか。まぁ良い。死体からでも情報は得られる。


絶望した異の目から、光がスッと消えた。


「とつ守。祝社はふりのやしろひとやへ、これを。」


ポーンと放り投げ、ニコリ。






山守社を調べようと、鎮森しづめもりを通って崖下に下りた。けれど闇が濃過ぎて、よく見えない。


困っていた時、あらわれたのが和。






「はい。おおせのままに。」


とつ守が一礼し、気絶した異をかついで地割崖ちわれがけを上がる。


和音かずね、闇を。」


「はい、和様。お任せください。」






和音が食らうのは、山守から噴き出した闇。高い吸引力を誇る掃除機のように、グイーンと勢いよく吸い込む。


そのたびに大きくなっているが、問題ない。






清和きよな。」


「はい、和様。」






広滝を背に進み、鎮森のきわを目指す。


山守の民が生きていた頃は、それなりに賑わっていた。けれど今は何もない。噴き出した闇にみ込まれたか、かされてしまったのだろう。






「これは、また。」


清めの力が重ね掛けされている。


「ごめんください。」


と言いながら清和をともない、山守社の奥へ。


「アッ。」


清和が歩を止める。


「和様、狐が。」


社の奥で水泡に包まれ、死にかけているシズエを発見。


「これは酷い。」






山守神の力で守られているが出血が酷く、一刻いっこく猶予ゆうよも無いと判断。水泡ごとシズエを抱え、外に出た。


と同時に光のおびを広滝まで伸ばし、縮める。



捕らえ、引き寄せたのは広滝の上でウロついていた狐。






国津神くにつかみの、社憑やしろつきか。」


「違うわ! 人の子の皮をかぶった・・・・・・ん。」


パチクリ。


「祝、いや違う。神。いやいや、それはナイ。よね、ね。ねっ。」


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