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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
深淵
1772/1798

22-20 狭い場所で暴れちゃダメよ


山守の地から闇が溢れ、広滝を越えようとしている?


それはまた、スゴイ事になっているな。






「ふぅ。」


ジルが言うのだ、確かだろう。しかし気になる。


清和きよな。」


「はい、なぎ様。」


クゥン。




ちょっと、ちょっとチョットちょっとぉぉ。




「和様、和音かずねも参りますぅ。」


シュルシュルシュルゥゥ。キキィッ、ドン。




スッと停止するハズだったのに、勢い余って清和につかった。




「痛いよ、和音。」


「ごめんなさい。」






最小化して秋田犬サイズになっているが、清和より大きい和音がシュンとする。



アンリエヌ化け王城は、城内に複数の離れを建てられるほど広い。けれど本丸は塔である。


当代、和王は永遠の五歳児。執務室の家具を小さくしたので広く感じるが、広くはナイ。






「御出で、清和。」


「はい。」


トコトコ。




和に優しくナデナデされ、ウットリ。ジンジンと感じた痛みがスッと消え、ポカポカする。




「和音。」


「はい。」


塩をかけられた蛞蝓なめくじのように小さくなっていた和音が、静かにスルスルと近づく。


「狭い場所で暴れちゃダメよ。」


「はい、気を付けます。」


シオシオ、しょんぼり。






和は初め、清和と和音を連れて行くツモリだった。けれど考えを改める。




日和ひより。」


「はい、和様。」


ピューン。パタパタ、フワッ。


「お呼びでしょうか。」


化け王城の窓枠に止まり、微笑む。


「これから霧雲山、ふもとの拠点へ向かいます。」






清和も和音もオス。シズエはメスなので、同性の日和を連れて行く。



ジルに祝の力はナイ。似た力もナイので、山守の地で何が起きたのか。どうなっているのか調べられない。


だから祝社はふりのやしろ祝辺はふりべもりを張っていたのだろう。






鎮森しづめもりに何か、悪い事が起きたのですか。」


清和が問うた。


「それが冀召きよしに、和社なぎのやしろわざわいもたらすのですか。」


和音がシュッと蜷局とぐろを巻き直す。


「鎮森は清らよ。山守から闇が溢れそうなダケ。」


エッ。






山守山は霧雲山系、最高峰。


いただきが割れて盛り上がり、山守の地が崖下に沈んだ。そんな地を山守神は見捨て為さらず、ずっと御守り遊ばす。


統べる神として。






「日和は鏡の中で待機。患者の看護を、お願い。」


「はい。お任せください。」


キリリ。


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