間話9 ヴァンヘルト・クシュリナーダ 4
俺が謁見の間に着いた時には決着がついていた。
まさかのイフリートの完勝とは思わなかった。
てか、なんでイフリートがここにいるんだ?
ん!? シヴァまでいるじゃないか。
キラは鬱陶しそうな表情で前からイフリートと後ろからシヴァに抱きつかれている。
30年前から変わらない3人のイチャつきに俺はイラッとする。
俺に気づいたキラは苦笑いし、
「えーまあイロイロあって説明するよ、シヴァ三銃士の手当を頼む」
「……わかりました、綺羅様」
シヴァはキラから離れアラミスの方に歩いて行った。
イフリートは甘えるようにキラに抱きついたままだ。
キラは離れるようにイフリートに言うが離れないので仕方ないと言った表情で俺に説明を始めた。
なるほど……話を聞くに連れてバカ王とバカ英雄に呆れてくる内容だった。
お前らは子供か! と怒鳴りたくなる。
そして三銃士の治療が終わったシヴァが再びキラに抱きついていた。
それを見てさらに俺はイラッとくる。
「なんかお前たちを見ているとイライラしてきて鬱陶しいからさっさと学園都市に帰れ!」
リリーナの件は改めて俺から準備すると伝えキラ達は学園都市に戻った。
「じゃあ宰相閣下殿、俺たちは部署に戻るわ」
三銃士は俺と顔を合わせないようにそそくさと謁見の間から出ようとするが、
「お前ら3人からも話を聞きたいから明日10時に俺の部屋に来い。来なかったらわかっているだろうな」
俺は三銃士に威圧的に話す。
「ちっ……わかったよ」
「わかったわよ。そんな怖い顔で睨まなくってもいいじゃないの」
「……うむ」
三銃士は文句を言いながら謁見の間から出て行った。
謁見の間に残った俺とバカ王の2人になる。
バカ王は未だに玉座の前で膝まずきながら震えている。
このバカ王が今のフランスの王なのだから情けない。
だがそんなことを言っても仕方ない。
バカ王も今回のことでイロイロ懲りただろう。
これで少しはマシになってくれるはずだ。
「陛下、服を着替えましょう。そのお召し物でわ……」
「兄上ご無事ですか!」
俺がバカ王に着替えを進めようと話しかけている時に数人の女騎士を引き連れた女性騎士が謁見の間に駆け込んできた。
駆け込んできた女性騎士は前国王の末娘でフランス最強の乙女騎士団の言われているコーネリア騎士団団長のコーネリア・リファイン・ボナパルト王女だ。
「兄上?」
バカ王はコーネリア王女の言葉が聞こえていないようだ。
震えているバカ王では話ができないとわかったコーネリア王女は俺に視線を変え、
「ヴァンヘルト、一体何があったのだ」
「コーネリア様、少しお待ちください。先に陛下を……」
「ああ、そうだな、アンナ、イリーナお前たちは兄上を自室にお連れしろ。それ以外の者は部署にもどれ」
「「「「「ハッ、我が姫よ」」」」」
2人乙女騎士に連れられバカ王は謁見の間がら出て行った。
他の乙女騎士も素早く謁見の間から退室した。
「ヴァンヘルト何があったか説明せよ」
「はっ、実は……」
俺の説明が終わるとコーネリア王女は右手をこめかみに当てて悲痛な表情をする。
わかるぞコーネリア王女。
俺も説明を聞いたときはそんな表情だったと思うからな。
「で、どうしたらよい。このままいけば我がフランスは最悪、イングランド、ドイツ、正十字教、学園都市、そしてお前は敵になるのでわないか」
イングランドのアルトとセリア。
ドイツのリョウ。
学園都市のネイ。
正十字教のシアン。
そして俺。
英雄キラと一緒に戦った6勇者を敵にと思ったのだろう。
普通ならコーネリア王女のように思うだろう。
だがそんなことはならない。
俺は確信して言える。
「いいえ、それは大丈夫です。キラはそんな小さな男ではありません。それに私はフランスの宰相ですよ。この国を愛していますので、もし戦うとなったらフランスの宰相として戦います」
それにキラがもしごちゃごや言いやがったら精神的攻撃などで黙らせるだけだがな。
俺の言葉にコーネリア王女は少しだけ安堵したようだがそれでも不安そうだ。
どうも俺の言葉だけではコーネリア王女の不安を取り除けないようだな……そうだ、
「コーネリア様。近日中に私は公用でキラに会いに学園都市に行きますのでよければご一緒に行きませんか?」
「ああ、それはいい考えだ。でわ行く日程などを調整して報告を頼む」
「ハッ、我が姫よ」
コーネリア王女は謁見の間から退出した。
俺は兵士とメイドを呼び謁見の間の掃除と修理をするように伝えた。
長い1日だった。
後日俺とコーネリア王女は学園都市に行くことになるのだが反省したバカ王がまた余計な案をコーネリア王女に言う。
俺はコーネリア王女は断るかと思ったのだが、
その案をコーネリア王女が了承したため俺は寝込みそうになった。
だがバカ王なりの謝罪のため俺もこの案に乗らなくてはならなくなってしまった。
俺はネイに嫌われるかもしれない。
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