66話 リリーナの秘密
屋敷の中庭に転移した俺はちょうど舞空術で2階の窓掃除をしているシヴァと目が合いにこやかに微笑み、窓ふきをやめ舞空術を解除し俺の前に降りてきた。
『舞空術』……空を低速であるが動くことができる中級魔術だ。
ちなみに高速で空を飛んで動く上級魔術を『飛翔術』と言う。
「綺羅様お帰りなさいませ。早いお帰りですね……それにお客様もいらっしゃるようですね。」
「ああ、ただいま。ちょっと急用が出来て俺だけ先に帰ってきたんだ。アリスとイフリートはまだ遠足中だ」
「そうですか……」
シヴァは俺と横にいるリリーナ見て頷き、眠っているハゲマッヨを見て
「いらっしゃいませリリーナさん。それとそこで眠っている方は確か……旧フランス王族のルグランジュ・エベルト・フォン・ブルボンですね。でもどうしてここにいらっしゃるのですか?」
「このハゲマッチョを知っているのか?」
どうやらシヴァはこのハゲマッチョに面識があるみたいだ。
「……綺羅様も一度お会いしたことがありますが」
え!?そうなのか。
俺はハゲマッチョの顔をよく見たが思い出せない。
これくらいインパクトあったら覚えているはずなんだが。
「う~ん、覚えてないな」
「そうですか、たしかに以前お会いしたときに比べると随分変わられているみたいですからわからないのでしょう」
俺自身あまり人の名前や顔を覚えるのが苦手なんだよな~。
しかも一度しか会ったことがなく見た目も変わっているのなら完全に無理だよ。
ルグランジュ・エベルト・フォン・ブルボンて名前なのか、このハゲマッチョン。
ブルボンて確かフランス旧王族が名乗っていた家名だよな。
リリーナの祖父がブルボン王家の人間か……なら俺を恨んでいるのも仕方ないな。
30年前もし俺たちが現在のボナパルト王朝に手を貸さなかったら間違いなくクーデターは失敗していただろう。
そしてブルボン家の人間がそのままフランス王位を継承していたら30年前にフランスは滅亡していただろう。
それくらい当時のフランスは危ない国だったのだ。
ん?!てことは、リリーナはブルボン王家血筋か
だが今のリリーナが第3王子のメイドをしている……何かあるのか。
話を聞こうとリリーナに目線を向けると
「え!?私の祖父が旧王族なんですか」
「知らなかったのか?」
俺も驚いたが話を聞いていたリリーナはもっと驚いていた。
「はい。実は1週間前に初めてお会いしたのです。孫である私の顔が見たいからと学園都市に来たと行っていたのですが……まさかキラ様を襲うなんて……本当に申し訳ございません」
リリーナの声が震えていた。
そして俺に深く頭を下げた。
「気にするな。リリーナが悪いわけじゃないんだから」
「でも……」
俺はリリーナに近づき頭を上げるように言い、頭をなでた。
リリーナは先ほどまで泣きそうな表情だったが俺に頭を撫でられて恥ずかしそうにしている。
さてと、俺を襲ったリリーナの祖父にいろいろと聞きたいことがあるので殴ってたたき起こすことにした。




