67話 フランス王国宰相 ヴァンヘルト・クシュリナーダ
リリーナの祖父に襲われて3日経った。
なぜ俺を襲ったか聞くとただの逆恨みだった。
リリーナの祖父は王族だった自分は平民に落とされ冒険者として苦しい生活をしている時に俺が生きていてのほほーんと学園都市で暮らしていることを知り恨みを晴らすため俺を襲ったらしい。
別にのほほ~んと暮らしていたわけではないんだが……
また襲われるのは嫌なので学園都市の警察に連れて行こうと思ったのだがアリスの友達であるリリーナが悲しむのでどうしたらいいか考えているとネイが、
「フランスのことだし、ヴァンヘルトに任せれば?」
と助言を頂いたのでその日にフランスのベルサイユ宮殿にネイの転移術で行くことになった。
ヴァンヘルト自身宰相と言う地位で忙しいにもかかわらず俺たちの訪問に喜んでくれた。
「キラ!生きていたんだったら直ぐに顔を見せにこんか!」
そう言ってヴァンヘルトは俺の頭をヘッドロックする。
「痛いわ!はなせ!」
俺は力ずくでヴァンヘルとのヘッドロックを外した。
30年ぶりのヴァンヘルの見た目はカイゼル髭を生やし体格も60歳に見えない強靭な体つきで宰相より将軍に見える。
「ネイも久しぶりだな。……前々回の世界首脳会議以来だったかな」
「ええそうね。ヴァンヘルとも相変わらず元気そうね」
ヴァンヘルとはネイに握手を求め、ネイもそれに応えるように握手をする。
なんで俺は握手でなくヘッドロックなんだよ!
文句を言ってやろうかと声をかけようとすると
「キラ、私は先に学園都市に戻るわ」
「え?」
「少し火急の用事を思い出したの。1人で帰れるでしょ?」
「……わかった」
「じゃあヴァンヘルト、申し訳ないけどお暇させてもらうわ」
そう言ってネイは転移術で学園都市に戻った。
俺は3日前の遠足での事情をヴァンヘルトに説明すると、
「あのバカは……」
ヴァンヘルトは難しい表情をし考え出した。
話を聞くと、リリーナの祖父とヴァンヘルトは元々親友の間柄で30年前のクーデター終結後、リリーナの祖父も厳しい処罰が決定的だったが、ヴァンヘルトの親友でリリーナの祖父他の貴族や王族に比べると比較的マシな方だったので、リリーナの一族は財産没収、貴族から平民にされたがヴァンヘルトの資金援助や仕事の凱旋をして生活をしていたようだ。
「で、どうする?」
「そうだな、あのバカは俺が引きとる。二度とキラに迷惑をかけないようする。リリーナだがあのバカの件であの子には罪はないがアルベルト王子のメイドはもう無理だろう」
ヴァンヘルトいわく、第3王子アルベルトの母親一族グルワーネルがこのことを知ってリリーナをそのままにしておくわけがない。メイドを首どころか俺を襲った共犯として扱う可能性がある。
そして王子のメイドとして紹介したヴァンヘルトを失脚させる足がかりにする可能性があるみたいだ。
「キラ、すまないがリリーナを預かってくれんか」
「え!?」
「リリーナに罪はないがあのバカの責任を取る理由でお前の下で、下働きをさせるといえば多分グルワーネル一族も何も言ってこんとはずだ」
グルワーネル一族がリリーナを処罰する前に俺が処罰する形で俺の元(アリスの下)で働かせることでこの件を終わらせたいんだな。
「わかった。リリーナはこちらで引き取るよ」
「俺が提案してなんだが、アルトに聞かなくていいのか?」
「大丈夫だ。アリスの友達を助けるためだ、嫌とは言わせん」
後でイングランドに行ってアルト王に話をしないといけないな。
「……アルトも大変だな。じゃあすまんが学園都市に戻って第1王女のアフローディア王女に会って今から俺が書く手紙を渡してきてくれ」
……え!?なんて言った?
「なんで俺が王女の所に行かないといけないんだよ」
「リリーナの人事権はアフローディア王女が持ってるから俺が決めることができない。なので王女の了承をもらってきてくれ」
アフローディアてイオリと一緒にいたタカピーで俺を見下していた王女だぞ。
会いたくない。
「アフローディア王女はキラの大ファンだから、スムーズに話が進むはずだ」
誰が誰のファンだって?
さんざん罵倒されたんですが俺。
「どうした?そんな嫌そうな顔をして!」
俺は先日アフローディア王女にあったことをヴァンヘルトに伝えると笑い出し
「わはははは、そんなことがあったのか。大丈夫だ、俺の手紙を渡せば罵倒もなんぞせんぞ、リリーナの件は直ぐに了承してくれるわ」
本当か……リリーナの件は大丈夫かもしれんが、俺はまた罵倒されるのは嫌だぞ。
「何を心配している。とにかく俺は今から手紙を書くからその間、謁見の間にでも行ってこい」
「はあ?なんで謁見の間に行かないといけないんだよ」
「我が王がキラに会いたがっているからだ」
どうやら俺が知らないところでヴァンヘルトの話が終わり次第フランス王と会う予定が組まれていたみたいだ。
「めんど……」
「メンドくさいと言って断るなよ」
ちっ。
「わかったよ会えばいいんだろう」
ヤサグレる俺にヴァンヘルトは笑い机の上にある鈴を鳴らすと俺と同じ年齢ぐらいの青年騎士が部屋に入ってきて
「宰相閣下お呼びでしょうか」
「すまないが、イチジョウ大尉を王のところまで案内を頼む」
「ハッ」
ヴァンヘルトに敬礼し青年騎士は俺を見て
「でわ、ご案内させていただきます」
「ああ頼む。じゃあ行ってくるわ」
「ああ、早めに手紙を書いて俺もそっちに行くから」
俺は青年騎士に案内の下、フランス王に会うため謁見の間に向かった




