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とある英雄の学園生活  作者: にゃん丸


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64話 暴漢

 「じゃあいただくとしますか」


 「「「いただきます」」」

 

 アリスとイフリートは楽しそうにお弁当を食べている。


 イフリートはともかくアリスも箸をうまく使えるようになったな。

 最初の頃はうまく使えず途中でフォークで食べていたのに。 

 ちなみに俺は箸ではなくスプンだが……


 「アリス友達できたか?」


 「……どうなんだろう?でもイフリートのおかげでいっぱい喋ったし、お昼ごはんが終わったらみんなで遊ぼうて言ってくれたの」


 俺はイフリートに目線を送る


 (どうなんだ?本当のところわ?)


 (ん、大丈夫よ。最初はアリスがお姫様だから他の子達は遠慮してたみたいだけど、だんだんとあの子達も慣れてきて気軽にしゃべれるようになったわよ。まあ、あたいのおかげなんだけどね)


 (……イフリートありがとうな)


 俺は心のそこから感謝の言葉を発した。


 イフリートの顔が紅くなりそっぽを向き


 (……あたいのおかげは冗談よ。アリスががんばったんだから)


 そんなことないと思う。

 イフリートはアリスと出会ってからいろいろと彼女に気を使っている。

 ふざけた態度をしたり、冗談を言ったりしているが

 それも全部アリスに笑っていて欲しいからの行動だ。

 それは館に住む全員が知っているし、アリス自身もわかっている。


 「じゃあ昼からは俺も一緒に行動してもいいのか?」


 「だめだよ、女の子だけで遊ぶんだから」


 「そ~ゆうこと。だからキラはネイとでも遊んでなさい」


 ……一応俺アリスの護衛騎士なんだけどな~。

 イフリートが一緒だから問題はないが……

 今後のことを考えて女性の騎士がいてくれるとありがたいな。

 一度イングランドに戻ってアルト王とセリアにでも相談してみるか。


 「ごちそうさまです」


 「あたいもごちそうさま」


 あら、俺がイロイロ考えているうちに2人は食べ終わったようだ。

 アリスは自分の弁当箱とイフリートの弁当箱をカバンにしまい

 

 「じゃあ、リリーナさんたちが待っているから行ってくるね。ほらイフリートも」


 ニコニコ笑顔のアリスは座っているイフリートの手を引っ張って立たせた。


 「あたいはもう少しゆっくりしたいんだけど……しかたないわね~」


 「楽しんでこい。イフリート頼んだぞ」


 「あいよ」

 

 2人は少し離れた小屋の前にいるリリーナのところに駆け足で向かって行った。

 アリスよ、食べたあとに走ったらお腹が痛くなるぞ。

 しかし2人共俺が食べ終わるまで待っててくれてもいいんじゃないか。

 俺は残っているカレーを一気に食べた。


 さて俺はすることがないので昼寝をすることにした。

 芝生に寝っころがり目をつむり寝ようとすると殺気を放しながら俺に向かってくる人物がいるようだ。

 そして俺の横に立ち止まり、


 「おい!キラ・イチジョウだな」


 男のドスの効いた声だ。

 声の年齢からすると30歳ぐらいか

 俺は少し目を開け怒鳴っている男を見た。


 声は若く聞こえたが見た目は50歳ぐらいでスキンヘッドでかなりのマッチョだ。

 冒険者用の革の鎧を着ており背中に大剣を背負っている。

 学生じゃないよな?

 まして護衛騎士でもないよな?

 うむ~考えてもわからんからここは寝たふりを継続しよう。


 「……」


 俺は寝ているので返事ができませんので向こうに行ってくれ、ハゲマッチョ。

 

 「おい、おきろ!」


 ハゲマッチョはさらに大きな声で怒鳴る。

 うるさいよ!寝ているんだから静かにしろよ。


 「てめ~あくまで寝るて言うなら、そのまま永眠させてやるぜ!」


 男は背中に背負っている大剣をつかみ、俺めがけて振りかざした。

 こいつマジだ!!

 俺は咄嗟に左手を上にあげ無詠唱で『氷の壁』を展開し攻撃を防いだ。

 俺は男を睨むと


 「へっ、やっぱり起きてたんじゃないか!」


 「寝ていたさ。アンタのしょぼい斬撃じゃあまだ寝ぼけているがな」


 「てめ~」


 男は大剣を構えなおす。

 俺も起き上がり横にある片手剣を取ろうと思ったがやめ、無詠唱で氷魔術中級の『氷の槍』を唱えハゲマッチョを円で囲むように放ち動けないようにした。


 「あんたさ~俺に恨みでもあるのか?いくらなんでも無視したからって剣を向けて俺に切りかかってくるなんて正気じゃないぞ?」


 「貴様!!俺の顔をわすれたのか!!」


 ん?本当に恨まれていたみたいだが、こんなインパクトがあるハゲマッチョのおっさんなら覚えているはずだが……。


 俺は額に手を当てて思い出そうとしたが……思い出せん。

 

 「貴様が忘れても俺は忘れんぞ!!29年前のことを!!」


 29年前……俺からしたら1年前ぐらいか……なにかあったか?

 あの頃は……

 ん?!

 もしかして……


 「おっさんもしかしてフランス人か?」


 「ふん……」


 俺の質問におっさんは顔を背ける。

 どうやらフランス人のようだ。

 フランス人で俺を恨んでいる人間といえば……


 「おっさんもしかしてフランス旧王族か?」


 「そうだ!!貴様らに滅ぼされたブルボン家の者だ!」


 なるほど。それなら恨まれても仕方ないか。

 29年前にフランス王族と一部の貴族の横暴さで国は衰退していた。

 それを救うため現在のフィリップ王がクーデターをおこしたが最初は苦戦していた。

 ちょうど旅の途中にフランスに滞在していた俺たちはフィリップ王が襲われているのを助けそのままクーデター派を助けた。

 俺たちがクーデター派を助けることでイングランド王国とドイツ帝国もクーデター派に力を貸し3ヶ月後にクーデター派の勝利になった。

 旧王族と貴族は裁判にかけられほとんどの者が処刑された。

 一部の者は他国へ逃げたと聞いていたが、たぶんその逃げた者だろう。

 仕方ない学園都市の警察に引き渡すのが妥当だな。


 ハゲマッチョのおっさんを『スリープ』の魔術で眠らせた俺はそのままロープで縛ったところにアリスたちが騒ぎを聞いて駆けつけた。


 「キラ、大丈夫だった?」


 「ああ、大丈夫。このとおり悪漢も捉えたし」


 そう言った俺はハゲマッチョを指差す。


 アリスの横にいたリリーナが『スリープ』で眠らせているハゲマッチョを見て驚いた表情をし


 「おじいちゃん!!」


 「え?おじいちゃん?」


 「はい私の祖父です」


 リリーナの言葉に今度は俺たちが驚いた。 

読んでいただきありがとうございます^^

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