間話5 魔人イフリートと炎帝ネイ
「イフリートじゃあ行ってくるね」
「あ~い、委員長~、アリスを頼むわね~」
「もちろんですイフリートさん」
午前中の授業が終わり昼食をすませたアリスは午後からの王侯貴族科の授業の為教室を移動する。
最初は教室までついて行くつもりだったんだけど、委員長が
「僕が一緒に行くので大丈夫です」
と言ってくれたので任せることにしたの。
ふふふ、見てればわかりますわ、委員長がアリスに気があることを。
あたいが一緒に行ったら馬に蹴られてしまうわね。
でも委員長、アリスはあなたのことをイイ人としか見てないわよ。
あとアリスは綺羅に似て鈍い上に天然だから大変だけど頑張りなさい。
あたいが温かく見守ってあげるから。
アリスは手を振りながら教室を出ていき、
委員長はあたいに頭を下げる。
あたいは親指を立てて委員長にしか聞こえないように魔術で
「綺羅がいないあいだに頑張るのよ」
「……」
顔を赤くした委員長はアリスを追って教室をでた。
可愛いわね~
応援もしてあげたいけどからかうのも楽しいからやめれないわ。
さてあたいは何をしようかしら。
午後の授業中学園内散歩でもしようかしら。
など考えていると2人の男子学生があたいの前にきた。
「あの、イフリートさん」
「なにかしら?」
1人の男の子はモジモジしている。
もう1人の男の子はモジモジしている男の子を肘でつっつき
「がんばれ」
私に聞こえないように彼を激励してるみたいなのだけど聞こえてるわよ。
モジモジしている男の子は身長は綺羅より少し高いわね。
体は鍛えているみたいね
年は綺羅より1、2歳したかも。
モジモジしてなんか可愛いのよね~
「ふふ、あたいになんのようなの?」
「これを読んでください!」
モジモジ男子はあたいに手紙を渡すと駆け足で教室を出て行った。
「すみません、あのよければその手紙読んで返事を言ってあげてください」
一緒に来た男子学生はあたいにお辞儀をして駆け足で出て行ったモジモジ男子を追いかけて行った。
……なんだったのかしら。
とにかく手紙は屋敷に戻ってから読みましょう。
あたいはもらった手紙をカバンに入れようとすると
「……あら」
教室の入口前にネイがいた。
「イフリート何をしているの?」
「何もしてないわよ。午後から暇だから散歩にでも行こうと思ってね」
「そう……」
ネイは少し考え
「イフリート暇ならお願いがあるんだけど」
「いや」
「なんでキラもシヴァもあなたも内容を聞いていないのにすぐに拒否するの」
「めんどくさいから」
「答えも同じ……」
あたいたち3人は一心同体だからね。
「久しぶりに私に稽古して欲しいのだけど」
やっぱりめんどくさいことじゃないの。
30年前あたいは一時期ネイに炎系の魔術を教えていたのだけど、
炎系の魔術を全部覚えたネイはあたいと実践稽古をするようになったの。
最初はあたいの完全完勝だったんだけど、
何回か繰り返しているうちに手ごわくなり最後の方は辛勝だったわ。
「もし稽古に付き合ってくれたらそれなりのものを用意するわ」
「それなりのもの?」
「ええ、それは……」
「仕方ないわね、久しぶりに相手になったあげるわ」
ネイが用意してくれるものに惹かれたあたいは了承することにした。
時間がもったいないと言われあたいはネイに第2武術武道館に連れて行かれた。




