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第三話(裏側)ルルの秘密

怖いの。


そう言った言葉は、嘘じゃない。


でも――


それだけじゃない。


ルルは、窓の外を見ていた。


消えた星。


そして、歪み始めた“それ”。


(やっぱり……始まってる)


静かに、確信する。


これは、ただの観測干渉じゃない。


“修正”だ。


宇宙規模の。


(観測者……じゃない)


もっと上。


もっと――


根源に近い何か。


「トシノリ」


名前を呼ぶ。


振り向く顔。


その目は、何も知らない。


(……まだ、知らなくていい)


ルルは、ほんの少しだけ目を細める。


(あなたは、“外側”に触れすぎてる)


本来なら、あり得ない。


観測される側の存在が――


観測の外に干渉するなんて。


でも、トシノリは違う。


(だから……見つかる)


心臓が、わずかに強く打つ。


あの“目”。


あの光。


すでに――


気づいている可能性がある。


トシノリの存在に。


(ダメ……それだけは)


ルルは、無意識に一歩引いていた。


距離を取る。


近づきすぎれば――


巻き込む。


“あの時”みたいに。


「前なら、もっと近かった」


トシノリの言葉が、胸に刺さる。


(……やめて)


そんなこと、言わないで。


でも。


言えない。


本当のことは。


「宇宙は、違うの」


それしか、言えなかった。


(違うのは、宇宙じゃない)


(私の方)


ルルは、知っている。


観測が崩れたとき、何が起きるか。


星が消えるだけじゃない。


人も。


記憶も。


存在も。


“なかったことになる”。


(だから――)


トシノリだけは。


守らなければならない。


たとえ。


自分が――


(消えることになっても)


その時。


警告音が鳴る。


ルルの意識が、一瞬で切り替わる。


「来る……!」


前を見る。


空白が、歪んでいる。


これはもう――


遅い。


(始まってる)


観測の破綻。


そして――


トシノリの運命も。

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