表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/47

7-16

 ふと我に返ったのはすぐ後だった。


「……公開プロポーズとか……! よくよく考えたらくそ恥ずかしいじゃねえか!」


「まぁ、よかったんじゃない? お互い上手くいったんだし」


「ですよね。……まさか公開プロポーズとは……、お邪魔かと思いましたよ」


「……妹、セレーネは本当に大丈夫なのか?」


「あぁ、多分平気ですよ。……まぁ、困った事があったらあたしにすぐに言ってください。今の状況は、少なくともちゃんと理解出来てます。ほら、幸せそうな顔をしてるのがよくわかります」


 イェソドの隣に座るセレーネの表情は、まさに幸せ絶頂な表情をしていた。


「……ヘリオスさんと一緒にいれるんですね、ずっと一緒……!」


「……セレーネさんの一挙一動がなんだか滑稽ね。飽きない」


「お姉ちゃんはいつもこうです」


 レーシュとイェソドは苦笑を浮かべながら、セレーネを眺める。


「これできっと、お姉ちゃんは一人じゃなくなって、幸せになれましたね」


「……今まで辛かったからか?」


「まぁ、本人は言いませんでしたけど。でも、きっとそうだと思いますよ。だから、ヘリオスさんが支えてくれないと、お姉ちゃんはまた元通りです。そうなったらあたしが許しません」


「あ、ついでにあたしも許さないからね。大事にしなさいよ、セレーネさんのこと」


「……わかってるよ。お前ら二人揃ったら怖いな」


 慄きながら、ヘリオスはそう言う。

 その中、ヘリオスもセレーネも心の中で、未来を思いはせていた。

 幸せな人生になればいい。

 いつまでも一緒に、離れないように。

 お互いの未来が、輝くような日々になるように願って。

 お互いの出会いが全ての運命の始まりだった、それは確かな事だった。


「お姉ちゃんはこれから花嫁修業だな」


「……花嫁修業……?」


「一人で掃除したり料理したり、結婚したら大変だよ。今から頑張って練習しなきゃ駄目」


 イェソドが言うと、にっこりと笑って、セレーネは言った。


「きっと何とかなりますよ」


「……うわー、やっぱり説得力ない」


「いーちゃん、酷いです! 努力は報われるって言うじゃないですか!」


「……妹、びしばし鍛えてやってくれ。俺は本気でそれが心配だ」


「ヘリオスさんまで! 酷いです! 努力は報われるんですよ!」


「努力は報われても、結果的には自分で頑張らないと努力とは言わないわよ?」


「……レーシュさんまで……」


 がっくりと肩を落としたセレーネを見て、けれどそんなセレーネも愛おしいな、と心底思うヘリオスだった。

 一目見たときから恋に落ちたのは、必然だったのかもしれない。

 いつまでも、幸せにしてあげたい、ヘリオスは心からそう思った。

 前途多難ではあるにしろ、だが。


 ――漆黒の太陽は純白の月に恋をし、永遠に添い遂げる運命だったのだと、その場の誰もが思った。


―了―

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ