7-11
服屋を出て、また街を歩く。
手を繋ぐのは当たり前のようになって、セレーネはヘリオスの手を握って、嬉しそうに歩いていた。
放っておいたらスキップでもしそうだった。
そんなセレーネを見ながら、ヘリオスの心は今日は特別な気持ちで、緊張していた。
今日のデートは、ヘリオスの中ではいつもと違うのだ。
それは以前、時計塔の前で待ち合わせのデートの時に考えていたプランだった。
正直、それがレーシュの行動で叶わなかったので、今日こそは、と実行しようと思っていたのだ。
「おい、セレーネ」
「はい?」
新しい服を着て、心が浮かれているセレーネに、真面目な口調で、ヘリオスは勇気を出して、言った。
「俺の家に、来ないか?」
唐突の提案に、セレーネは足を止めて、きょとんとした顔をしていた。
ヘリオス自身もこんな提案を女性にするのは初めての事だ。
けれど、セレーネが本当に好きだからこそ、この提案をしたかったのだ。
セレーネは少し考えた後、ヘリオスに問いかけた。
「……ええと、ヘリオスさんのお家に、ですか?」
「ああ」
「私が、ですか?」
「お前以外に誰がいんだよ」
「お邪魔ではありませんか?」
「邪魔じゃねえよ。だから提案してんの」
セレーネも、自分の家ばかりヘリオスに来てもらっているので、ヘリオスの家も気にはなると言えば嘘ではない。
けれど、他人の家に行った経験のないセレーネは、その提案にどう返答すればいいのかわからなかった。
そして、考えた末、セレーネは答えを出した。
「ヘリオスさんがお邪魔にならないと言うなら」
それは、イエスの言葉だった。
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