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「お疲れ様でした。……うわぁ、お似合いですよ、お客様!」
試着室から出ると、店員に笑顔でそう言われた。
セレーネもこの色に違和感を感じなかった。
決して暗い色の服も嫌いではない、ヘリオスとお揃いになれるから。
けれど、また新しい色も新鮮で、素敵だと思ったのだ。
「これだけでも十分可愛らしいですけど、カチューシャなんていかがでしょう?」
そう言って店員が差し出したのは、ワンピースと同じ色のサテンリボンを使ったカチューシャだった。
斜めについた大きなリボンの真ん中に、薔薇モチーフのボタンがアクセントになっているものだった。
それを店員がそっとセレーネの頭につけると、また印象が変わる。
「……うわぁ……」
姿見を見て、セレーネは自分の姿に感嘆の声を漏らす。
そして、ふとヘリオスの様子を伺うと、優しく微笑んでいる。
「可愛いよ、セレーネ。この前とまた違う雰囲気で」
優しくそう言われて、少し頬を赤らめるセレーネに苦笑しながら、ヘリオスは問いかけた。
「お前、気に入ったんだろ? それ」
まるで、心を見透かしているかのように、的確に。
そして、ヘリオスは店員に言った。
「これを一式。彼女に」
「はい、かしこまりました。そのまま着て行かれますか?」
「あぁ、頼む」
「かしこまりました。では、着ていたお洋服は袋にお入れさせて頂きますね」
以前と同じように対応される。
セレーネは少し嬉しそうに、姿見で自分の姿を何度も確認していたのを見て、ヘリオスはまた苦笑した。
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