7.漆黒の太陽に抱かれて
セレーネの自宅に着いてから、イェソドはいつものようにセレーネに説教を始めた。
「お姉ちゃん。わかってる? ヘリオスさんにだいぶ迷惑かけたんだよ? あたしはいい、うん、あたしはいいけど、ヘリオスさんには迷惑かけてるんだよ? なんで警戒心なく人について行くの!? あれ完全なる誘拐だったんだよ? ちょっとは警戒心っていうものを持ちなよ! んもう、わかった?」
「……はい。すみません、ヘリオスさん。いーちゃんにも、迷惑をかけてしまって、ごめんなさい」
しゅん、とした表情でセレーネが言った。
そんな姉に、イェソドは言った。
「……何より、お姉ちゃんが無事でよかったよ。はい、お説教は終わり。ほんとに、心配したんだからね! お姉ちゃん、どうなるかと思った! せっかくのお気に入りのお洋服ももったいないことになってるし! クリーニングで汚れは大丈夫だけど、傷とかは無理なんだから。もったいない」
「別に、心配すんなよ、妹。またセレーネに服ぐらい何着だって買ってやるさ」
別にそのつもりだったし、とヘリオス。
「それに、まだ足りねえよ。……これから俺がセレーネを幸せにする分に、全く。だから、まだまだやる。服だけじゃなくって、いっぱいな」
ふ、と笑んで、未だしゅんと落ち込んでいるセレーネの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「セレーネ。明日は今日のデートの仕切り直しだ。明日は俺がお前をここに迎えに来るから、待ってろ」
「え? デート、ですか?」
何気なく口にしてみたものの、やっぱりか、とヘリオスは思った。
「お前、ずっと俺とデートしてたんだよ。説明が面倒だから黙ってた」
「で、で、デート、ですか!? だ、だって、それは……」
「お前の言う事当ててやる。〝それは好きな人とやる事なのではないでしょうか〟。俺はお前が好きだからそれを当たり前にやってる。毎日会ってデートしてる。だから、お前そろそろ俺の恋人って自覚持てよな。堂々として、私はヘリオスさんの恋人です、って面をしてりゃいいんだよ」
驚いたように言葉を失ったセレーネに対して、ヘリオスはそう言った。
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