4-2
レーシュは納得がいかなかった。
正直、二人だけで話し合いが出来ると思っていたし、久しぶりに二人きりで会えると思っていたから、少しだけ気持ちが舞いあがっていた部分はある。
けれど、まさかその場にセレーネがいて、二人の仲を眼前で、リアルに見せつけられるなんて思いもしなかった。
腹立たしい、そうも思った。
ヘリオスは自分にただセレーネとの仲を見せつけて、絶望を味あわせようとしたのか。
二度と会わない、そんな言葉を込めてセレーネに二度と近づくなと言ったのだろう。
「……ふざけないでよ……」
ぎり、と歯噛みする。
ヘリオスと話して、セレーネと別れて欲しい、そう告げようと思っていた。
それもしつこく。
そうでもしないと、もう一度ヘリオスはレーシュのことを見てはくれないと思っていたからだ。
しかし、セレーネが同席した事で、レーシュが考えていた計画が台無しだった。
それもまた、腹立たしかった。
けれど、セレーネを見ていて、彼女がかなりの鈍感だときちんと把握出来たのも事実。
次の作戦を考えなければならない。
ヘリオスはセレーネしか見ていない。
振り向いてもらうには、どうすればいいのか。
そんなことよりも、今はもう、嫉妬しか心になかった。
「……引き離しちゃえばいいんだわ」
ふと思いついたように呟いた。
――拉致、監禁。
よもや、不穏な考えしか思いつかない。
セレーネを拉致するにはどうするか。
監禁場所はどこにするか。
犯罪、そう言われてしまえばそうだ。
けれど、憎しみと嫉妬に駆られた心に、もう迷いはなかった。
どうにかして二人を別れさせようと、心は燃えていた。
「あたしを怒らせたこと、後悔させてあげる」
不穏な笑みを浮かべて、レーシュは呟いた。
†




