変な方向への道(1)
昨日はマジで最悪の誕生日だった…。けど、1つわかったことがある。地球上でも、エネルギーブーストを空中で行えば地球の裏側に行けるってこと。けど、もう行きたくないな…。裏側の世界はここより暑いし。今はもう夏だし、わざわざ暑い所行く必要無いよね。
だが、わざわざ行かなくてはいけない事態になってしまうとはまだ一切知らなかった。
総体が終わった。時は7月2日。3年生は部活動からは引退した。しかし、南町さんも葵衣さんもパーティーには参加し続けるということだったので安心した。
さて、男女のキャプテンと副キャプテンの発表か…。さすがにこれには先生も関わって、3年生の投票も考慮しながら最終的に先生が決める。
が、しかし。何か問題が起きたらしく、先生方は去っていった。僕達に進行を全て丸投げにして。
「えー、ということで…副キャプテンになりました、館斬です。よろしくお願いします。」
てか、もう自己紹介する必要無くね?1年生は全員パーティーで一緒に活動してるし。
「斬さん…ちょっと相談が。」
磨夏が声をかけてきた。僕に?なんだろ?
「どうしたんだ?」
…。…そして現在。僕は女子の部室に連れ込まれた。中には僕のほかに磨夏とすずみ。ほのかにいい香りがする。
「待て、これって僕が入っていい所なのか?」
「え?問題無いですよ。女子の卓球部の部室は他からは見えづらい所にありますから。」
「いや、そういう問題じゃなくて…」
「着替えてるのは見ないでくださいね?」
すずみがにこやかに笑いながら言う。
「いや着替えるのかよ!?」
「うっそですよー。期待しましたね?」
なんだよこの神級の眼鏡っ娘(すずみ)の笑顔!
「い、いやその、…。」
見たい!て、んな訳無いだろ!すずみの比較的小柄な見た目の下のちょこっとある胸の肌色を眺めたい。できたら磨夏の引き締まった体も見れたら…はぁ。僕ってやっぱ思春期男子だわ。今実感した。
「斬さんは案外アダルト系いけそうですね。安心しました。」
「あ、安心…?」
待て、どういうことだ。女子部室で女子に囲まれて男子1人がアダルトな話で攻められる…フォォォォ!!!って何興奮してるんだ。…ん?僕って変態なのか?
「この本を、預かっておいて欲しいんです。色々な事情がありまして…。」
頬を赤らめて、男子高校生が胸チラ女子数名から囲まれているイラストが描かれた本を渡される。
「私なんかより全然胸おおっきい人ばっかでしょ?」
いやんなこと言われても!!まぁ、けど事実磨夏の胸はほとんどわからないな…。あ、この本のタイトル知ってる。
「…この本、僕知ってる。…んで、これを預かれと?」
ふと隣を見る。するとそこには…目をキラキラと輝かせるすずみがいた。
「その本読みたーーーーい!!」
「だーめ!」
磨夏に頭をその…エロ本で叩かれるすずみ。
「んでまぁここからの話が重要なんですけど…その本を預かってもらって、毎朝私に渡してもらいたいんですね、はい。」
…それ、僕のリスク高過ぎじゃね?
「あ、渡す場所はここの部室でいいですよ。朝はこの辺に人いませんから。」
…なら大丈夫か?んでもって帰りにまたここの部室に来て本を受け取る…。ま、大丈夫か。僕の家は基本1人暮らしだから隠し場所には困らない。
「土日に見つかったりしないでくださいね?」
「もちろん。んじゃ、そういうことで。」
チャリを漕ぐ足がせわしない。ヤバイ、部室出てから興奮し過ぎ。帰ったらこの本少し読んでみよ。
「まな、めっちゃ嬉しそうだね。」
え?わ、私顔に出てる?そりゃまぁ、斬さんにものを渡すって時点ですんごい嬉しいけど、うそ、隠しきれてない?
「あの本、親に見つかりそうでヤバかったんだよ。だから、信頼できる人になんとかしてもらおうと思って。」
信頼できる人、という言葉が妙に引っ掛かる。まなって斬さんのこと…まぁ、いいか。鼻唄を歌いながらうきうきしている磨夏を見ながら、ふとそんなことを考えるすずみだった。
なっ…!!このイラスト、チラどころかもろ服破れてるじゃん!…まぁ、作中でやってないから思ってたよりはハードル低かったな。さて、どこに隠すかな…。
こうして、斬に変な方向への道が開かれた。




