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485話「地区予選 準決勝戦② ミナトの奮戦!」

 なんとミャコが意識を失い、白く奇妙な巨大な怪鳥が四つの翼で現れてきたぞ。

 精神世界特有のバドバドバドと奇妙な反響音が響く。

 オレも誰もが唖然とする。ヤマミとミナトは汗を垂らして切羽詰っていた。


「だが、そんなものッ!!」


 凄まじい威圧で溢れているミャコと偶像化(アイドラ)を相手に、ホネロウは両手から巨大なドクロの『衛星(サテライト)』を生み出す。

 怒涛と数え切れない程の弾幕を張ってきた。

 まるで弾丸の津波だ。


「フシャアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」


 ミャコの偶像化(アイドラ)が吠え、自身の白い体からメリメリ何かが剥がれると、それは無数の鳥となって弾幕の津波へ一斉に飛び立つ。


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!


 ミャコとホネロウの間で爆発の連鎖が勢いを増して規模を広げていく。

 すると相殺し損ねた流れ弾が両者に飛んでくる。

 ホネロウを包む球状の悪霊バリアがそれを弾き、ミャコを守るかのように無数の鳥が周回して弾いていく。

 それでも互いに弾幕の嵐を繰り返し、流れ弾にも構わず競り合っている。


「くくっ!!」


 ホネロウは苦い顔をしていく。

 じりじりMP(マジックプール)が底をつき始めてきているのだ。ミャコの方は平然としているように見えるので、余裕がなくなっているようだった。

 飛んでくる流れ弾の鳥が次々被弾して、悪霊バリアを少しずつ剥がしていく。

 しかしホネロウは弾幕の勢いを緩めない。いや、緩められないのだ。


「くそおおおお!! アイツ無限なのかよおおお!?」


 悪霊バリアを補強しようとすれば、押し切られるのが目に見えている。

 と思ったら、巨大な怪鳥が弾幕の爆破連鎖を突き抜けてホネロウへ強襲してきた。


「な!?」


 無数の白い鳥が飛び交い、ホネロウは見開いて絶句。

 そのままホネロウを容赦なく集中砲火。ドドドドドンと爆破の連鎖が覆う。

 流石に悪霊バリアも吹き飛んでホネロウは爆破四散して棺桶化。


《先鋒『玉緒(タマオ)ミャコ』選手の勝ち!!》


「フシャアアアア────!!!!」


 それでも未だ無数の白い鳥が周囲を飛び交っている。

 そして巨大な怪鳥がズズズズ……と膨らみつつ、形状がさらに異形化していく。

 ぶら下がっているミャコをも内部に取り込まれようとしている。


「頼む! ミャコを棄権させてくれッ!! 早くッ!!」


 立ち上がったミナトの声に、運営は察したらしくミャコを逆転送した。

 フッと現れてきたミャコをミナトが駆け寄って抱き上げていく。


《先鋒『玉緒(タマオ)ミャコ』選手は棄権により、この場に帰還させました》


 仮想世界から帰還したら全てリセットされるので、ミャコは無事で済んだ。

 ヤマミは「……」と神妙な顔で眺めている。

 ようやくミャコは目を覚ます。


「あ……ミナト!?」

「まだ『偶像化(アイドラ)』に取り込まれるままだ……。あれ以上は無理と判断して棄権させてもらった」

「ごめんにゃ」

「謝るな。だから俺がついている。今は休め」

「……うん」


 ミナトは笑って安心させようとしている。それに対してミャコも安心して力を抜いていく。

 お姫抱っこで戻ってくる。

 それを見たコハクは複雑な心境だった。ホントはリア充もげろ言いたい様子。


 戻ってきたホネロウに敵チームは「大丈夫か!?」と気遣ってきた。

 ホネロウ自身も「いや、大丈夫だ」と返すも、ミャコの怪鳥が恐ろしく焼きついていた。

 オレは神妙な顔でミナトとミャコを眺める。


「世界大戦ん時、ブラクロも似たような状況になってたっけ?」


 あれはまだ『偶像化(アイドラ)』をコントロールできてないな……。

 ヤマミが言ってたように強力な分、リスクもあるか。



《デススカル学院の中堅『翠香(スイカ)ルボーン』選手と、アニマンガー学院の次鋒『夜宵(ヤヨイ)ミナト』選手、前へ!》


 敵チームの中堅とミナトが揃って出てきて、仮想世界へ転送されていった。

 ルボーンは褐色イケメンで骨の鎧を纏う。そして手には骨を束ねた棍棒が握られていた。

 それに対してミナトは大剣で構えた。


「やあああああッ!!!」

「ボオオオオオッ!!」


 ミナトの大剣とルボーンの棍棒が交差し、大気が爆ぜた。

 そしてガンガンガンと力強く得物をぶつけ合って、切迫した白兵戦が繰り広げられた。

 しかし重みでルボーンが押し切ろうとしてきている。


「パワーもそこそこだが、それじゃ俺には勝てねぇなぁ!!」

「くっ!」


 ガガッガガガガッガッガッガガガガッガッガガガッガッガガッ!!


 ミナトの方も負けじと、今度は軽やかに飛び跳ねながら攻める方へ転じた。

 パワーに対してスピードで対抗か。



 オレは退屈そうにモニターを見ている。ベンチだしなぁ……。


「ミナトも五万そこそこの威力値か。成長早いなぞ」

「もしかして二人とも『闇の重圧ダークネス・プレッシャー』に当てられたんじゃないのー?」

「……かもな」


 リョーコの言葉に、もしかしてと思った。

 オレたちが火星へ行っている間に『洞窟(ダンジョン)』を探索してて、闇の重圧ダークネス・プレッシャーに触れて急激なパワーアップしたんでは?

 そうとしか思えない。最初はまだ一万未満だったもの。


「準決勝戦だけあって、相手校も手強いッ」


 リョーコの背中から抱きつくエレナ。

 あの告白の件以降から、オレに絡む事がなくなったなーと思う。

 ロリに絡まれるのも悪くなかったけど、ヤマミいるしなぁ。


「お、ミナト押して来てるー!」

「ああ」


 モニターではミナトがルボーンを押している。

 身を翻し飛び跳ねながら死角を狙ってのヒットアンドアウェイ戦法に、ルボーンも苦い顔か。


「こうなったら、これだあああー!!」


 棍棒を消して、今度は両拳を包んだドクログローブ。硬質があって、大剣をガツンと弾く。

 更にラッシュパンチを繰り出して押し切ろうとする。


 ガガガガガガガガガッ!!!


 ミナトが苦い顔を見せ、大剣から二刀流の短剣へ切り替えてラッシュの応酬へ持ち込んだ。

 それでも一撃一撃は互い重い。大気が幾度なく爆ぜ続けている。

 短剣の横薙ぎとグローブが重なり、ズンと互いの足元が窪んで破片が舞う。


「やあああああああああッ!!」

「ボオオオオオオオオーン!!!」


 ミナトとルボーンは互い傷つけ合って、なおも拮抗した激戦を繰り広げていた。


「しゃらくせぇ!! ドクロブリット!!」


 ドクログローブを突き出し、頭蓋骨型の光弾を撃ちだす。

 ミナトはサッと横へ移動して、通り過ぎたドクロ光弾が向こうの岩山を爆破四散させた。


「おらおらおらあああ!! 俺たちは優勝したいんだああああっ!!」


 なんとドクロ光弾を連射してきたぞ。

 負けてたまるものか、と勢いに任せてラッシュを繰り出して弾幕を張る。

 ミナトは短剣で弾きながら飛び退いていく。そして岩山に隠れる。


 ドガドガドガガガガガッ!!!


 それでもドクロ光弾で岩山を削るように砕いていく。


「いつもいつもいつもーっ、俺たちゃ予選敗退ばっかり!! 今度こそ地区予選を優勝して全国へデススカル学院を思い知らせたいんだああああっ!!!」


 息を切らしながらも弾幕を張り続けて、岩山をことごとく砕いていって逃げ場をなくしていく。

 追い詰められたミナトは二本の短剣を交差させて、キュインキュイン『増幅(ブースト)』させていく。

 岩山が削れていって破片が飛び散って、互いの姿が見えた瞬間!


「ファイナル・クロス・アンダーレーションッ!!!」


 ミナトは交差させている短剣から、凄まじい刀剣波を放ったぁ!!!

 一直線と射線が走り、見開くルボーンを呑み込む。


「あああああああああああッ!!?」


 ドオオオオオッ!!!!


 遥か向こうまで真っすぐの光線が突き抜けた。収まった後はミナトの足元から一直線と抉れた跡が地面に刻まれていた。

 ドン、と爆散して棺桶化したルボーンが転がる。


「……悪いな。俺はミャコと一緒に夢を叶える為に駆け上りたいんだ」


 そう言い切ったミナトはハァハァ息を切らしてて満身創痍で疲労困憊……。

 オレも見て分かる。連戦できるような状態じゃねぇ。

 しかしミナトは鋭い視線を宿していた。


《次鋒『夜宵(ヤヨイ)ミナト』選手の勝ち!!》


 わあああああああああああああああああっ!!!!


 派手な技で盛り上がったのか、観客の歓声が音響した。

 オレは「もう大爆裂撃てんのかぁ……」と呟いた。

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