483話「衰退する相撲とプロレスの最終地点は!?」
紅味クインの件から、すぐまた依頼来やがったよ。
ヤマミと一緒に喫茶店でため息をついていた。
「すみません! 近煎クマンです!」
黒髪イケメンでタラコ唇のマッチョ男が頭を下げてくる。
またプロレスリング学院の人だ……。
こいつ大将を張ってた人ね。リングのローブを利用して最強形態で体当りしようとしてたけどコンドリオンにぶちのめされた。
「もう終わってる相撲はともかく、プロレスが衰退してて誰も興味を持ってくれない! どうすればいいんだ!!」
「そんなこと、オレに言われても……」
「私らプロレス知らないし、全く関係ないわよ」
縋りつきたくなる気持ちは分からんでもないが、頼む相手を間違えてる気がする。
ならば、チューブトップ美女にも言ったアドバイスが活きるかな?
「だったらさ、仮想対戦みたいに仮想闘技を作ればいいんじゃね?」
するとビクッとクマンは竦んだぞ。そしてワナワナ震えていく。
「大爆死したんだよォ~~~~!!!!」
わんわん泣きながらテーブルに突っ伏した。左右から噴き出すギャグ涙がドバーッと出てくる。
聞けば、チューブトップ美女のアイデアをパクれば同じようにヒットするだろうと思ってたらしい。
しかし異常に広いリングでバトルロワイヤルすればいいという、いい加減なものだったため視聴者に呆れられて爆死。
「あれはアスリートでゴールまで競うスポーツだからな」
「仮想対戦もバトルロワイヤルだけど、チームでやってたりソロでやってたりで色んなバトルしてるからね。プロレス一色じゃ仕方ないわよ」
「相撲は潰れていいから、プロレスだけは潰れんといで欲しい~~!!」
するとバガーンとガラスが破けて、なんと張り手を出した牡網ハリテンが現れたぞ。
なんか怒りの明王みたいな顔してる。ゴゴゴ……!
「相撲が潰れていいとは……?」
「あっ! ちょっ! そ、それは誤解で……!」
「風前の灯だからとて、それは聞き捨てならんッ!! 確かに相撲は数年すればなくなるかもしれないが、そうならないよう苦心して頑張っているというのにッ!!」
「お、おは~~~~っ!!!」
怯えるクマンに詰め寄るハリテン。
彼は確か、一年生のピイロやキンゴローを二タテした強豪相撲レスラーか。
コンドリオンにぶちのめされながらも必死に戦おうとしてたっけ。
「ちょっと待て!! 待ってくれ~~!! ナッセさん、止めてくれ~~!!」
「いや、知らんがな」
「最初『もう終わっている相撲はともかく』とか言ってたしね」
オレとヤマミが突き放すので、青ざめて絶望するクマン。
「うぬおおおッ!! 許せんッ!!! ヨコヅナ・センジュツッパーリッ!!」
地を揺るがしてハリテンの連続ツッパリが怒涛と繰り出され、クマン哀れボコボコにされる。
こちらに「すまんのう。迷惑をかけたな。代わりに払っておこう。弁償もな」と言い残して、ズタボロになったクマンを引きずりながら去っていく。
その後、彼がどうなったのかはオレらは知らねぇ……。
マンションでヤマミと一緒にくつろいでて、テレビを見てたら見開いた。
とあるニュース出てるぞ。
《現在、日本相撲協会は二〇一二年で活動を終了すると発表しました》
なんか力士が引退していくばかりで、新規の人がなかなか来ない状態が続いているって話。
創作士お断りなので必然的に衰退するのが目に見えていた。
この時代どんどん創作士が増えていくばかりなので、このご時世に相撲は注目を浴びれない。
……そんな話が放送されてる。
「それから日本の力士が意外と少なく、モンゴルからの力士が多いって聞くわね」
「そういやそうか……」
「その次がプロレスって事か」
それもこれも総合格闘技みたいな仮想対戦に押し切られているせいもある。
時代の波と言ってしまえば身も蓋もないか。
《しかし、これより日本仮想格闘技協会を設立する事を宣言致します!!》
なんと新たに協会を立ち上げるらしい。
オレもヤマミもビックリして見開く。あっちでパチパチパチ拍手の音が響き、カメラのフラッシュが点滅する。
《これは総合格闘技みたいなもので、相撲&プロレス&ボクシング&キックボクシング&空手&柔道&レスリングが力を合わせて『仮想格闘技』を創作します!!》
オオオオオオオ……、歓声が湧き上がる。
プレゼンとして公開されたプロモーションビデオで、二人が向き合って格闘していくのがあった。
空手と相撲の人が対戦してるぞ。
《波動弾!! 波動弾!! 昇龍撃!!》
《スーパーベッドバッド!! 背中折り!!》
上部に二人のゲージがあって、ダメージを与えていくと減っていく。
互いに己の技を繰り出しあってゲージを削り合うぞ。しかもフィールドは世界各地をモデルにしているので、バリエーションに富んでいる。
世界で繋がる格闘技だ。
「あ、これ……」
「うん。まんまストリートファ○ターⅡね」
オレたちはジト目で見るしかない。
仮想対戦と差別化するために、ストリー○ファイターⅡ方式でやっていくらしいな。
でも殺し合いではなく格闘技なので、ゲージは判定みたいなもんだろう。
リアルなスト○ートファイターⅡってトコか。
バーチャルファ○ターって言うんだから、そっちのポリゴンゲームじゃないんかよ………はさておいて。
《更に超武道伝モードがありまして……》
広いフィールドを利用し、二人が戦う。
エネルギー弾を出したり、格闘したり、空中戦したり、必殺技の撃ち合いとかしたり……。
もろドラゴン○ール超武道伝まんまじゃねーか。
「……ともあれ、相撲もプロレスも大丈夫そうだな」
「アレで納得するかはともかくね」
でぇじょうぶだ。なんとかなるさ。たぶん……。
さて、次は準決勝戦か。




