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480話「地区予選 コンドリオン参戦ァ!」

 プロレスリング学院の先鋒ハリテンが意外と強く、ピイロとキンゴローに勝ち抜いてしまったぞ。

 トボトボと戻ってくるキンゴロー。


「……ピイロ、すまないだす……。こんな無様な負け方で報いれなかっただす」

「いえ……オラァ悔しかったと申す! キンゴローさんが負けて本当に悔しかったで申すっ……」

「ピイロ……」


 ピイロはぐしゃぐしゃ嗚咽(おえつ)している。

 キンゴローは「ありがとだす……」と一緒に戻っていった。

 ベンチのフクダリウスは腕を組みながら「奴らの気迫は凄まじい。侮れんな」と呟く。


《アニマンガー学院の中堅『コンドリオン・カレイナーン・ジュピタァ』選手、前へ!》


 コンドリオンが気丈な顔で歩んでいって、転送されていった。


「いきますッ!!」


 コンドリオンは身構えた。

 ただならぬオーラがこもれ出ている。


「むっ……! やるでごわすな……!!」


 ハリテンは油断なく身構え、爆発するようにオーラを纏って「はっけよいッ!」と突っ張りを繰り出す。

 しかしコンドリオンは右拳を腰へ引いていく。ググ……!


「行くぞァ~~~~!! (ゾォ)長鼻拳(ノォーズパンチ)!!」

 ズドォン!!

「!!!!?」


 右腕から変化した象の鼻が急激に伸びてハリテンの大きな腹を穿ったァ!!

 ハリテンは屈み込み、白目で「ぐがっ!」と呻く!


「が……がばッ!!」


 口から鮮血が溢れ、足がヨロヨロふらつく。

 それでもハリテンは大ダメージにも踏ん張り、歯軋りして反撃の張り手を繰り出す。

 しかしコンドリオンは身を翻して、ハリテンの脇下へ潜り込んでいた!


(ゾォ)前足拳(フォーフットパンチ)!!」


 ゼロ距離で脇腹へ象の前足による打撃を見舞ったァ!!

 ドゴォン!!

「!!!!」


 重みを乗せた一撃は、巨体のハリテンを吹き飛ばすほどだァ!!

 ハリテンは猛スピードでロープへ引っかかってグィ────ンと伸ばしていくが、限界を超えて切れてしまい観戦席に突っ込んでしまった。ズガアアアンッと煙幕が吹き上げられる。

 コンドリオンは真剣な顔で見据えている。


 しばしして、ヨロヨロとリングに上がってくるハリテン。

 血まみれでゼエゼエ息を切らすが、闘志は轟々燃え盛っているかのようだ。


「ハァ……ハァ……! さすがに……アニマンガー学院のレベルは高いでごわすな……! だ、だが負けられないでごわすっ!! 仮想対戦(バーチャルサバイバル)が盛り上がる最中……、我らが誇る相撲が廃れ、今度はプロレスにまで衰退の波が押し寄せてきているでごわすっ!!」

「どういう事ですか?」

「ワイは……ワイはまた相撲とプロレスを再び盛り上げたいが為に、この学院へ入学したでごわすっ!!」


 体が震えているにも関わらず、全力疾走とオーラを纏ってコンドリオンへ張り手を繰り出そうとする。

 しかもその張り手は無数の掌を残像と見せるかのような超高速連打だ。

 意地でもコンドリオンを倒さんとする勢いだ。


「負けられるかでごわ────すッ!!!」

「……そうか。それならばインドの戦士として、僕も全力を尽くしますッ!!」


 コンドリオンもキッと戦意を漲らせた。

 父ダウートにも恥じぬ戦いをするまでだ、と気迫を漲らせたのだ。


「うぬおおおおおッ!! ヨコヅナ・センジュツッパーリッ!!」

(ゾォ)ァ~~前足連拳(フォーフットラッシュ)ッ!!」


 コンドリオンは両腕による太い象の前足で連続パンチを放ち、ハリテンの無数張り手と激しく撃ち合う!


 ドガガガガガガガガガガガガガ!!!


 互い負けまいと歯を食いしばって乱打の応酬ァ!!


 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!


「おおおおおおおおおおおッ!!!」

「な、なにッ!!!」


 なんとコンドリオンの乱打が上回って、ハリテンは見開きながら全身に乱打を受けていく。

 ハリテンは白目で口から血をこぼす。

 それでも止まぬ凄まじい乱打がハリテンの全身を容赦なく穿ちまくる!!

 穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つ穿つァ!!!


 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!


 コンドリオンの全身全霊の乱打でハリテンを吹っ飛ばし、向こうの壁を突き破っていったァ!!

 血塗れで白目のハリテンは「が……はぁッ!!」と吐血し、宙を舞いながら爆散して棺桶化。


《中堅『コンドリオン・カレイナーン・ジュピタァ』選手の勝ち!!》


 今度は敵チームが「ああ……!」と騒然する。

 ハリテンは無念そうに戻ってきて「後を頼んだでごわす……!」と、次鋒のイワオの肩に手を置く。


「はいッ!!」


 意を決してズカズカと歩みだす。

 岩石のような肌で頑丈そうなのが窺える。キン肉○ンとかに出てきそうなビジュアルだぞ。


《プロレスリング学院の次鋒『雁関(ガンセキ)イワオ』選手、前へ!》

「おう!! やってやんぜッ!!」


 シュパーンと転送された。

 コンドリオンを前に、イワオはキッと睨み据えてオーラを噴き上げていく。

 リングを踏み鳴らしてタックルを仕掛けるが、コンドリオンは右拳を象の鼻に変化して繰り出す。


(ゾォ)長鼻拳(ノォーズパンチ)!!」

「なんのォ!!! ロックプレッシャー!!」


 ドゴォン!!


 なんと超重量のタックルでコンドリオンの一撃を受け止めたァ!

 ビリビリと衝撃が走ってイワオは「グッ!」と苦悶の顔を浮かべた。体が引き裂かれそうな激痛が走っているのだ。


「今度はこっちの番だァ!!! ロッククラッシュ!!」


 なんと飛び出して岩のような拳でコンドリオンの顔へ殴りつける。しかし掌で受け止められた。

 それはブラフで、真意はコンドリオンを捕まえる事にある。

 密着して岩石のような両腕で締め上げれば、誰たりとも抜け出せない。


「うっ!?」

「行くぞォォ~!!」


 起死回生の手を打つべき、イワオはバ────ンと跳躍して空へ舞う。

 逆さまにしたコンドリオンの腕を背中に回して足で()め、両腕で足を交差させて()め、海老反りにしていく。グワキィン!

 そのまま急降下していく。ギュ────ン!!


「喰らうがいいワーッ!! ロックダイブ・プレスドライバーッ!!!」

 ドズガガァンッ!!!!


 超重量を乗せてのコンドリオン潰し! しかも全重量が頭に集中したままキャンバスに突っ込んでいるのでダメージは計り知れない!

 例え気を失わなくとも、全身も打ってしまうから立ち上がるのは難しいだろう。

 下手すれば複雑骨折を起こしてもおかしくないのだ。


「ふう……痛かったですよ。さすがです」

「な……なにっ!? なぜッ……!?」


 なんとコンドリオンは鼻を象の鼻に変えてクッション代わりにしていたので、ダメージは半減以下に抑えられた。

 それがなければ大ダメージは受けていただろう。

 コンドリオンだって気迫では負けていない。


「僕にも負けられないからですッ!!」


 気が緩んだ隙を突いてコンドリオンは蹴りを入れて、イワオを怯ませた。


「グウゥ!」

(ゾォ)ァ、頭突き拳(ベッドバッドパンチ)!!!」


 なんとコンドリオン右手が大きな象の頭に変化させて、その超重量パンチをイワオの腹に叩き込んだァ!!

 ドゴォォォオン!!

「!!!!」


 たまらずイワオは白目で「グフアッ!!」と吐血した。

 すかさずコンドリオンは飛び上がってカカト落としの体勢に入る。振り上げた右足は高く高ァ────く伸びていって先端が大きな象へと変貌していくぞ。

 誰もが唖然とする。


「これで終わりだァ~!! (ゾォ)ァ~”巨象踏撃(ビッグゾォスタンプ)!!!」


 ドゴオォン!!


 急降下してきた巨象がイワオにのしかかったァ!! これは強烈ゥ!!

「!!!!」

 たまらずイワオは白目で歯軋りした口から血を吹く!

 そのままキャンバスが大きく窪んでメキメキメキ敗れていって、ついに破裂して衝撃波を噴き上げたァ!!

 まさかのリング破壊!! 巨象と岩人間がのしかかったからムリないッ!


 煙幕が立ち込めて、破片が散乱している上でイワオはぐったり白目でうつ伏せだ。

 ほどなく爆散して棺桶化した。


《中堅『コンドリオン・カレイナーン・ジュピタァ』選手の勝ち!!》


 敵チームが「ああ……イワオまで……!」と更に落胆していく。

 絶対勝てないだろ空気が漂ってきて、さすがに気の毒に思えてくる。

 なんかこっちを恨めしそうに見てきたぞ。


「中堅にヤバイの置きやがって……!」

「悪ぃ!」


 ついオレは後頭部をかいた。ヤマミはジト目で「謝る必要ないわよ」と突っ込む。

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