479話「地区予選 二回戦はプロレス!?」
二回戦は『プロレスリング学院』だぞ。
ほとんどがパンツと長靴の半裸。紅一点はワンピース水着みたいなコスチューム。一人覆面がいる。体格も頑丈なのが多い。
いずれも真剣な面持ちだ。目がギラギラしてる。
黒チューブトップ美女の話を聞いてたから、彼らも必死にやってたんだろうとは思う。
恐らく一般プロレス界から出ていった創作士どもだ。面構えが違う。
「それでもマイシの出番来ないかもしれねぇな……」
「そうね。副将にはエレナ。中堅にはコンドリオンがいるもの」
「ああ」
オレはヤマミと一緒にベンチで試合を見守るしかない。
……まぁ一回戦は出番なかったけどね。エガラが強すぎて四タテしちゃったから。
互いの学院はチーム五人並んで、向こうと対峙し合う。
アニマンガー学院側!!
大将『龍史マイシ』
副将『桃園エレナ』
中堅『コンドリオン・カレイナーン・ジュピタァ』
次鋒『坂田キンゴロー』
先鋒『飼葉ピイロ』
プロレスリング学院側!!
大将『近煎クマン』
副将『聖斗エサレム』
中堅『紅味クイン』
次鋒『雁関イワオ』
先鋒『牡網ハリテン』
観客もアニマンガー学院のメンバーにどよめく。
一回戦と同じく一年生が含まれているからだ。二年生はエレナとマイシのみ。
「……ずいぶん舐められたものだな!」
「後悔させてあげるわ」
戦意をギラギラしている敵チームはさらに闘志を燃やしているぞ。
「へっ、そういう御託はあたしのところまで勝ち抜いてからにするんだなし。今回はてめぇらを応援してやるし。もっとも希望は薄いがなし」
マイシはマイシで不敵な面構えで笑い、挑発すらする。
怒りマークを浮かばせたイワオが「な、なんだとぉ~!!」と踏み出すが、他のメンバーに「待て!」「そういうのは試合でぶつけろ!」と引き止めた。
腕を組んだままのマイシは「フン」と冷笑のままだ。
あいつベジー○みたいなもんだからな。ヒヤヒヤするぜ。
フクダリウスは疲れたような顔で「やれやれだ」と胸をなでおろす。
最初はマイシが先鋒をやりたいとか言ってたけど、それをなだめるの大変だったぞ。
《では二回戦、試合開始ですっ!! 互いに先鋒前へ!!》
宣言と共に、先鋒の二人は仮想世界へ転送する魔法陣が光り出してシュパーン!
なんと広大なプロレスリングだ!? 三本のローブが長い上に、四本囲むコーナーが遠い!
一年生のピイロは汗を垂らして、相手の大きなデブレスラーに戦慄しているぞ。
体重三五〇キロ、身長二六〇センチで、完全に力士だぞ。
「このハリテンさまが、きさまを葬ってやるでごわす!!」
「やれるもんならやってみろで申す!」
「ふん!」
ハリテンはニヤリと悪人面っぽく笑む。
ピイロはメキメキと巨大なカバに変身していく。そう彼は蛮族だ。
「初めての初陣……、勝利で飾るで申す!」
「カバに変身するか! 面白い! 行くぞ!! ヨコヅナ・マッハツッパーリ!!」
なんとハリテンがオーラを纏って超高速で駆け出して、張り手を一発繰り出す。
それはピイロの顔を突いて、勢いよく遠くまで吹っ飛ばす。三本のロープに引っかかって伸びていく。
その反動でピイロが戻されるが、ハリテンは駆け出していてムキムキの腕を振るう。
「ヨコヅナ・マッチョラリアット!!」
なんとラリアットがピイロの首に重々しく決まった! ドゴン!!
ピイロは「ガッ!」と苦悶。
更に追い討ちとハリテンは左右から張り手を交互に繰り出して、ピイロの顔を滅多打ちにする。
「な、何を~!! ヒッポーランページッ!!!」
凶暴なカバよろしく、ピイロは怒り狂いながら太い前足と強力な口で反撃に出る。
今度はハリテンを滅多打ちにしていくぞ。強力な前足と牙は手痛い。
一人だけなので味方を巻き添えにしなくていい。
「へっ! そんなものでごわすか!?」
「く……くそっ! 通じないで申す……! これまで鍛えてきたのにレベルがこんなにも違うで申すか……!?」
「負けられんでごわすからな! 相撲界の未来を憂う者として!!」
「だが、負けられないで申すッ!!」
ピイロは押し切らんと体当たりをかます。ドゴンッ!!
しかし、ハリテンはピイロの腰をガシッと捕まえて、持ち上げていく。
「なっ、で申す!?」
三五〇キロもの体重なのにバ────ンッと天高く飛び上がって、ピイロを下へ反転させて上に乗ったまま急降下。
しかもハリテンは両手でピイロの両腕を掴み、両足で両足を絡めて極めている。
ガッキィン!
「うわあああああああああで申す!!!」
「喰らえーッ!! これがワイの必殺技ヨコヅナ・サンドイッチドライバーッ!!!」
ガガァン!!!
なんとハリテンの全体重を乗せたまま、ピイロをリングに叩きつける事で上と下の衝撃による大ダメージを与えたぞ!
まさに名前の通りサンドイッチ殺法!
さしものピイロは白目で「ぐがは……ッ」と吐血。
それを見ていたフクダリウスとキンゴローは「ああ……!」と絶句した。
「残念だったでごわすな。見込みはあるが来年までベストに仕上げられるかどうかだな。この敗戦にめげずガンバレでごわす」
ハリテンは侮辱する事もせず、来年の大会に期待を寄せている。
そのままピイロは爆散して棺桶化した。
《先鋒『牡網ハリテン』選手の勝ち!!》
敵チームは「よし!! まずは一勝!」とガッツポーズしとる。
トボトボとピイロが戻ってきて、キンゴローは「頑張っただすな。今度はワッスに任せるだす!」と慰めて、次鋒として出てくる。
《アニマンガー学院の次鋒『坂田キンゴロー』選手、前へ!》
腕を組むハリテンを前に、キンゴローは真剣な顔で戦斧を構えていく。
「ほう? 戦士でごわすか!」
「武器で戦わせてもらうだす! 悪く思うなだす!」
「構わぬでごわす」
キンゴローは戦斧を振りかぶって、オーラの尾を引きながら駆け出す。
不敵に笑むハリテンもオーラをズオッと噴き上げて、張り手を食らわす。
ドンッ!!!
戦斧と張り手がぶつかり合って、周囲に破裂音が響いた。
「うぬうううううううッ!!!」
「うぬおおおおおおおおッ!!!」
戦斧と張り手がガンガンぶつかり合って、超重量級の攻防が繰り広げられた。
張り手がキンゴローを突き飛ばす。グッ!
後ろへ滑りながら踏ん張って、天高く跳躍しながら戦斧を掲げる。
「ならば!! 喰らえだすっ!! トーキョータワー・アックス!!!」
なんと東京タワーがイメージとして浮かび上がる超高角度からの戦斧の振り下ろしだ。
ハリテンは見開き、脳天にガツンと受けてしまい勢いよく血飛沫が舞う。
「ぐおっ!!」
そのままキンゴローはキャンバスに沈めようとするが、踏ん張ったハリテンは逆にキンゴローの腰を捕まえた。ガシッ!!
血まみれの顔面でハリテンはギロッと睨んでくる。
「う、ううっ! この気迫ッ……!!」
「まだだ!! まだ鍛錬が足りーんっ!! 今度はこっちの番でごわ──す!!」
「ぐ……この!」
「長年続く相撲の偉大さを思い知るでごわすッ!!」
ハリテンはキンゴローをブンブン振り回すジャイアントスイングをしてから、上空へ放り投げる。
宙へ舞ったキンゴローの背中に、ハリテンはオーラを纏って真っ直ぐ飛び上がりの頭突きを炸裂させた。
「ぐがッ……!」
頭突きを決めたまま落下する寸前、ハリテンは逆さまに反転して両腕でキンゴローの首と太ももを掴んで極めていく。グワキィン!!
ロビンマ○クの逆さまタワー○リッジのようなものだぞ。
「喰らうでごわすーっ!!! これが第二の必殺技ヨコヅナ・インフェルノーッ!!!」
ズガガアアァンッ!!!
ハリテンに逆さま垂直頭突きで背中を刺されたままキンゴローはあえなくキャンバスに沈んだ。
キンゴローは白目で「ダスガッ……」と吐血し、ズンと横たわった。
そのまま爆散して棺桶化した。
フクダリウスとピイロは絶句して言葉が出ない……。
「ピイロより強かったが、まだこれからでごわす。来年また受けて立つでごわすよ!」
ハリテンは爽やかに笑んで労ってきた。
その裏で相撲界の為にと燃え上がる気迫は只者ではない……。
《先鋒『牡網ハリテン』選手の勝ち!!》
敵チームは「よし!! 二タテきたぞ!」とガッツポーズしとる。うおおおお!!
オレは息を呑む。
一年生だけでやったら全国大会までは難しいかな?
なかなか手強い選手がゴロゴロいよる。威力値数万のやつらがデフォと思って差し支えはない。
「次はコンドリオンだけど……」
「ああ。けど、あの四首領ダウートの息子だ。やってくれる」
ヤマミと一緒に見守るしかねぇ。




