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478話「水泳競技の発展……?」

 あれから三日後、例のチューブトップ美女から連絡が来て、待ち合わせは環状線の駅……。

 ヤマミと一緒に向かうと、チューブトップにジーパンのツプネが手を振ってきた。

 ジリジリ暑いとはいえ大胆な格好だぞ。


「こんにちは。どうしても見て欲しいものがあったから……」


 まさかまた来て欲しいとか思わなかったぞ。

 しかしやっぱ大きな胸でのチューブトップは反則だ。谷間に目がいく。おおう……。

 やはりヤマミに後頭部をチョップされた。ペシン!


 環状線の電車に乗ってガタンゴトン揺られて流れていく景色。



 駅から降りて、しばらく歩いていく。大阪府の西成区辺りのところだろうか?


「ここが!? ミズギキーター学院!?」

「卒業して以来、久しぶりね」


 ツプネの後をついていけば、普通の学校にしか見えない変哲もないコンクリート造の学院だ。

 開いている門を通ると、学院側面に瑞々しくて青いプールが見えた。

 リクー○似のカタマデが綺麗に弧を描いてプールに飛び込み、スイスーイ泳いでいる。

 仮想対戦(バーチャルサバイバル)で対戦した選手が他にもいる。


「まさかここに来るとは思わなかったぞ……」

「そうね」


 中に入ると、古く寂れたような感じだった。

 ガチャリとドアを開けて入ると、アニマンガー学院同様の仮想対戦(バーチャルサバイバル)用の広場が目に入った。

 そこは新しくて、確かに五年前に設立したのが窺える。


「元々は他の学校だったけど廃校になってて、買い取って創作士(クリエイター)専門学院に改築してたの」

「だからかぁ……」

「そういう事ね」


 サーバーみたいに円柱が奥行きで立ってある。

 するとスク水に白衣を着た丸メガネの女性が「あ、先輩!」とひょっこり顔を見せてきたぞ。

 他にも白衣の創作士(クリエイター)がいて、ピポパポキーボードを叩いているようだ。


「おお、そちらは英雄のナッセさん!? まさか本物か!?」

「ええええ!!? マジですかぁ!?」

「なんだって、こんなところに!?」


 ざわざわし始めたぞ。


四首領(ヨンドン)や火星の闘神(バトキア)を打ち倒したっていう武勇は聞いております!」

「地下世界へ行ったんだって??」

「なになに? ぜひ話を聞かせてくれ!!」


「話はそれくらいにして、例のやつはどうなってるの?」


 ワイワイしてきた白衣創作士(クリエイター)は気を取り直して「ハイ、ばっちりです!」と答えた。

 こちらからでも見えるモニターがヴンと浮かび上がったぞ。

 広がる青空。まるでレースのように曲がりくねったプールが窺えた。結構広くて、一周一〇〇〇メートルはありそうだった。


「普通のプールは長くてもせいぜい二五メートルから五〇メートルなんですがねぇ」

「私ら創作士(クリエイター)は身体能力が高いので、それでは狭い」

「外にあるプールが二五メートルで、せいぜい遊び程度に泳ぐくらいなんですよね」

「じゃあ、地区予選に参加してた人が入ってたのは……?」

「単に遊んでるだけです。はい」


 乾いた笑いを漏らす。てっきり練習してるかと思ったぞ……。

 するとザザッと五人がやってきたぞ。やはり対戦した事のある選手だ。

 湾泌(ワンピ)イース、協栄(キョウエイ)ハサム、巣食瑞(スクミズ)ムメコ、引煮(ビキニ)ヤセホソ、葉入具(ハイレグ)カタマデの五人……。


「よーし!! 私も行くよ!!」


 なんとジーパンを放り投げて、完璧なるチューブトップ水着を晒した。

 長い生足が色っぽい。

 ツプネが振り向いてきたぞ。


「あんたも入る?」

「え、いいです……」

「得意じゃないから、見てるだけでいいわ」


 ヤマミと一緒に首を振った。


「へっへっへ! 水泳じゃ勝てないと見える!!」

「フン。負けるのが怖いならそれでいいさ」


 カタマデがリ○ーム的に煽るように笑い、ヤセホソは仏頂面で歯牙にもかけない。


「つーか、ナッセさんって妖精王になれるだろ? すごく速いんじゃないか? どのみちボロ負けして自信失いたくないから、ぜひ見てて欲しいまである」


 地味っぽいスクール水着の丸刈り男が額のゴーグルをクイクイしている。

 ムメコだったっけ? 対戦で唯一剣を振るってたやつ。

 どうやら水泳頑張ってやってるのに、あんまやってないオレたちに負けたら自信喪失しそうだから拒否してるっぽいな。

 カタマデも「う……」とたじろいで汗をかく始末。

 仏頂面だったヤセホソも焦ってか目が泳いでいるぞ。


「……ゆっくり見ててね」

「あ、ああ……」


 金髪イケメンのハサムがイスを用意して、どうぞ言ってくる。

 そして大将だったイースは頭を下げる。


「カタマデとヤセホソの無礼を済まない。……結局、フクダリウスさんとナッセさんを引きずり出せず初戦敗退した。一年生にも敗れた今は何を言い訳しても仕方ない」

「ま、まぁ……」

「先輩がいいアイデア持ってきたようなんで、ゆっくり見ててくれ」


 さすがはキャプテン、イースは快い性格してっぞ。

 ツプネを含む六人の水泳選手は仮想世界へシュパーンと転送されていった。


「レースみたいなコースで試しに水泳競技やるって事ね」

「……だな」


 大型モニターに映っているのは、ツプネと五人。準備運動しているぞ。

 それが終わって、それぞれパネルの上に乗って六人横に並ぶ。

 向こうの大砲がドカン鳴らすと、一斉にコースへダイブした。ものすごいスピードで泳いでいくではないか。

 まるでサメの背びれがサ────ッて海面を走るみたいに、一直線の飛沫を上げながらツプネが先頭を泳ぐ。

 それに続く五人もバラバラになりながらも先頭へ追いすがる。


「おおっ!?」

「へぇ……」


 まるで競艇のような速さでズバッシャ──って泳いでるぞ。見た事もねぇ水泳。

 ツプネすげぇ! 独走ならぬ独泳! 二番目のイースと大差つけてる!!

 その次三番目はハサム、四番目がムメコ、五番目がカタマデ、最高峰がヤセホソ。


 ツプネ大差をつけて独泳!

 それを追うイース、差は縮まらないか?

 その二身差でハサムが迫る! 引っ張られるようにムメコも追う!

 カタマデ少々失速か!?

 ヤセホソ必死にカタマデまで半身差に迫る!


 コーナーを曲がって直線!! 残り二〇〇メートル!!


 ツプネもはや独泳!! ハサムから七身差、八身差……差はますます開くばかり!

 イース必死に追いすがるも苦しいか!? ムメコ、ハサムに並ぶ!

 四身差離れるカタマデにヤセホソが一身差まで縮む!


 おっと! ハサムをムメコが差す! ハサム意地になる!

 カタマデ力尽きた! ヤセホソが差す! カタマデここまでか!?


 残り一〇〇メートル!!


 ハサム、意地でもムメコを差し返す!! まだまだ勝負は分からない!

 ツプネ失速するも依然と独泳状態! イース届かないか!?

 カタマデ底力を出すか、ヤセホソに並ぶ! どっちがビリか意地の張り合い!


 残り五〇メートル!!


 ツプネ、独泳だ!! 独泳!! さすがは先輩!! 一着でゴールイン!!

 二着イース、三着ムメコ、四着ハサム、五着ヤセホソ、六着カタマデ……!


 なんか「ウオオオオオオオオオオオオ!!!」大響音が響いてきたぞ。

 白衣の研究性は「演出です」とてへぺろ。


「なんか競馬っぽい雰囲気だったが……」

「それはそれで盛り上がるかもね」

「しかし……ツプネのこれが新しい形の水泳競技……?」


 ツプネが通常空間へ戻ってきてスッキリした顔を見せていた。


「こういうのを広めようかなと思ってる。それに他にもアイデアがあってね……」


 水泳をメインにしたオンラインゲーみたいなものとか、鮫滅の刃とか、呪術廻泳、リュウグウボール、スイミングダンク、水泳白書、水★泳★王、まどか★オヨギ、スイミングサガ……色々あるっぽいな。

 なんか漫画やゲームを元にしてる気がする。


「これから発展する事を願って、努力するさ」


 ツプネは晴れ晴れとした顔でオレの手を掴んでゆさゆさ上下させてくる。

 ついでにチューブトップの胸もゆさゆさ。眼福だや……。

 うっ! ヤマミの冷めた視線が刺してて痛いぞ……!


「そ、それは良かったなぞ……」


 その後、これから水泳の発展が進む事になるとか…………?




 それから数日が経ち……、ついに二回戦が始まってオレたちは会場へ入場していった。

 なんと今度はプロレスラーの風貌をした学院チームが待ち構えたいたのだった。

 しかしオレは控え選手……。


「へっ! 勝ち抜けるならやってみろし!」


 なんと今回の大将はマイシだ。

 不敵な面構えで笑む。

 一回戦とは全く違うメンバーで挑むぞ。次回必見!

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