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465話「大魔剣ウェクサ編⑪ 覇魔剣ダイスドナ!」

 中心の台座に巨大な漆黒の魔剣が刺さっている。

 コイツこそ大魔剣ウェクサだ。四千年前に敗北を喫したが、復活を虎視眈々と狙っていたラスボスなのだ。


《まだか!? まだかッ!? ……この我の欠けた刃、残すはあと三ヶ所! 良質のブキを寄越せ!!》

 ウオオオオオ……ンッ!!!


 リーダーとして取り仕切っていた男が頭のフードをめくって細身イケオジがキリッと顔出しした。

 頭上には仰々しい魔剣が刺さっている。


「は! この覇魔剣ダイスドナが必ずや修復してご覧に入れましょう!」

《聞き飽きたわ! 最初に聞いたのは十年前だったぞ……!》

「最初は原型を留めぬほど粉々だったのでしょう? アレから剣として形に成すまで頑張ってきましたよ」

《だが最近になって復活が遅れておる……! 早うせんかッ!》

「申し訳ございません」


 覇魔剣ダイスドナは丁重に頭を下げる。


「た、大変ですッ!!」


 なんか向こうから駆けつけてきた狂信者二人がやってきて、複数たむろしていた狂信者はザワザワしていく。

 ダイスドナは怪訝な視線をよこす。


「何があった!?」

「凶魔大剣マスビッグ、幻魔剣ミュブレラ、魔邪斧アックルス、毒魔小剣ポズピア、乱魔剣ラッブレーがやられて、死相殺剣デイピアスが捕らわれてしまいましたッ!!」

「あのメンツでやられた?? ウソだろ?」

「おいおい!?」

「マジか!?」

「あのマスビッグさんがやられるなんて!?」


 相当な腕前のメンバーだったらしく、全滅した事に狂信者はうろたえていく。

 あの獄魔剣ヘルビルと惨魔剣ジドブェノがやられるほど、というので六本の戦闘特化メンバーを向かわせたら返り討ちに遭ってた件。

 覇魔剣ダイスドナはわずかに見開き、ほおに汗を垂らす。


「……それは誠か? 相手は一体誰だ??」

「はい!! この邪翼剣ネルピトフが遠くから三キロほどの『察知(サーチ)』で様子を見てたのですが、瞬殺された模様!」

「なに!?」

「ハンマーを振るったチビのヒトが強いです。杖のヒトも怪しげな術で死相殺剣デイピアスが呪縛されました。あ、弓はハンマーのチビが背負ってます」

「その後、どうした?」

「言いにくい事ですが……魔剣武団ウェクサを名乗っていた連中と聖剣団はグルのようです」

「「「なんだとッ!!?」」」


 狂信者は騒然とした。

 覇魔剣ダイスドナは唇を震わせる。

 三キロの『察知(サーチ)』ができる邪翼剣ネルピトフが、敵に悟られぬように範囲外から行動を監視していたのだから間違いないだろう。

 ハンマーのヒトが我ら凄腕の六本を瞬殺し、捕虜として聖剣団のアームストログ号へ連行していったっぽい。


「ちなみに魔剣武団ウェクサのメンバーである四本のメスブキも聖剣団に連行されるのを確認しました」

「まだ魔剣武団はあと二本いるはずだが?」

「……依然として行方知れずです」

「現状はハンマーと杖が活動している状態か。弓は背負われているまま」


 邪翼剣ネルピトフが言っていたハンマーとは氷魔鎚アスマハーの事で、金星では万引き常習犯の小物悪党。

 杖は金星で多くのオスブキを貢がせてきた岩魔杖アンドース。

 闇魔弓ダクボーウは影が薄いので、数十分気づかれずに食い逃げしてきた罪状がある。

 いずれも歯牙にもかけぬ小物なのだ。

 特にハンマーと杖は戦闘能力が比較的高くて、これまで捕まっておらず魔剣武団へ入団したという経緯がある。


「まさか……我々の戦闘特化メンバーを殲滅できるほど強いとは……」

「うにゃマジですよ。『察知(サーチ)』で動き見てたんですが、あれプロですぜ。慣れたように瞬殺していって捕縛しちゃいましたからね」

「分かった……。アレフロート聖剣団のスパイならそれくらいはできるか……」


 魔剣武団ウェクサは大胆不敵にも大魔剣ウェクサの名を借りた賊。

 悪行を重ねているのでなければ入団できない。だから敢えておとり捜査ができるように小さい悪行を重ねて入り込んだのだろう。

 誰にもバレないように実に根気よく小悪党を演じなければならない。


「邪翼剣ネルピトフ! ここは私が引き受けよう! この最強である覇魔剣ダイスドナが、聖剣団の犬ごとき片付けてくれるわ!」

「……おお! ですが油断なさらず!」

「うむ!」


 覇魔剣ダイスドナは自信満々と、大魔剣ウェクサへ向き直る。


「なにやら手強いヤツらが出てきたようです。ですが、この私が倒してご覧に入れましょう!」

《確かに主はこの中で群を抜いた最強ブキ。全幅の信頼を寄せておる。失態は許さぬぞ……》

「はっ!」


 大魔剣ウェクサはフフッと笑う。

 あの覇魔剣ダイスドナは、いかに聖剣団が束になってかかろうとも打ち砕くほどの実力者。


《フハハハハハハハ……!!》




 すっかり夜の二十一時だぞ。

 アームストログ号の内部で、風魔槍ウィドラン、毒魔鞭ポインウィ、桜魔小剣フレイワーア、竜魔爪ドラクロゴの四本がしゅんと俯いていた。

 死相殺剣デイピアスを捕獲して連れてきた時、ハンマーと杖が驚いたのだ。


「なぜおまえらがここにッ!?」

「ってか電魔剣サダソド、火魔斧フアックレイ、珍魔大剣バンバスタ、斬魔短剣シタャドーはどうしたの!?」

「あんた……氷魔鎚アスマハーと岩魔杖アンドース!?」

「と闇魔弓ダクボーウ……」

「あんたらも捕まったってワケね」


 顔見知りだったらしく、バッタリ会ったのか互い驚いてるっぽい。

 聖剣団は「魔剣武団ウェクサを名乗っていた指名手配犯です」と教えてくれた。

 更に話を聞くと、オスブキがエッチして子作りしようやと言い出したので逃げ出したらしいぞ。

 ちなみにオスブキである電魔剣サダソド、火魔斧フアックレイ、珍魔大剣バンバスタ、斬魔短剣シタャドーは行方知れず。

 そして……。


「ええっ!? あの大魔剣ウェクサの狂信者がうろついているですって!?」


 四本のメスブキは恐怖で竦み上がったようだぞ。


「あいつら、ブキを誘拐して行方知れずにしてるのよ!」

「なんで地球に!?」

「いやあああ!! なんでこんな事にぃ~!」

「……不謹慎ではあるけど、聖剣団に捕まっていた方が安全ですわね」


 そして更に捕虜の死相殺剣デイピアスを鈴で自白させたら、珍魔大剣バンバスタと斬魔短剣シタャドーは大魔剣ウェクサのエサにされたと聞けた。

 大魔剣ウェクサはボロボロに捨て置かれて四千年、ようやく組織ができて多くのブキを生け贄に捧げて剣の形状に戻ってきたとも……。

 もちろん珍魔大剣バンバスタ、斬魔短剣シタャドーもその生け贄だろう。


「ブキ版の大魔王って感じか。ウェクサってやつ」

「黒幕ってヤツね」


 オレもヤマミも緊迫してきたぞ。

 狂信者は一三〇本と大がかりな組織。しかも優秀な探索系の教信者を据えた極悪ブキ武団。

 四〇〇〇年前から生き存えている大魔剣ウェクサもヤベーヤツって分かる。




 一方その頃、なんとアレクシがロックマンを走らせて夜道を進んでいた。


「やっぱりナッセさんたちに任せきりじゃ悪い! ボクも頑張らなきゃ!!」


 すると立ちふさがるように怪しい男が二の足で立っていた。ザッ!

 思わずアレクシはロックマンの足を止めて息を飲んだ。


「だ、誰だッ!?」

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