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463話「大魔剣ウェクサ編⑨ 聖剣団と会う!」

 オレたちはアニマンガー学院へ着くなり、事情を説明した。

 魔剣武団ウェクサの連中がオカマサとドラゴリラを始め、色んな人を乗っ取って暗躍していて、しかも他に本物の極悪ブキもいるらしいとな……。

 現に、背負っているブキを何らかの方法で探り当てて、オレたちの通学の際に襲撃が起きた事も含む。


「テレビじゃ、多くの人が行方不明になってたんだ。オカマサとドラゴリラグループとは別に、大量のな」

「ああ、見てたぞ……。しかも同じ武団ではないとは……」


 フクダリウスも息を呑む。

 てっきり同じ組織で行われた悪行だと思ってたらしい。たぶん大半そう思う。

 リョーコとエレナは訝しげだ。


「まーたオカマサとドラゴリラがテロ企んでんじゃないよねー?」

「ありえるッ!」


 オレはハンマーと弓を手に見せびらかしする。すると喋りだした。


「いや、俺はこの目で見ている。電魔剣サダソドと火魔斧フアックレイに乗っ取られていた」

「ああ……。僕はチンパンジーだったけど」

「オー! ワンダフル! 本当に武器がしゃべってますネー」


 ノーヴェンがメガネをクイックイッさせて珍しそうに見ている。

 コマエモンは腕を組みながら「なんと奇妙な……」と冷静な顔。ミコトはおどおどしている。


「フン! こいつらに、別の闇の剣かし……」

「ああ、コイツだけは本物のワルだ。地球人の命をなんとも思ってねぇ」


 獄魔剣ヘルビルを取り出す。

 しかし完全に呪縛しているので物言わぬ武器にしか見えない。

 ヤマミが触れると「くっ!」と声が出た。


「……しゃべる気になったか?」

「だ、誰がッ……きさまr」

「はい」


 ヤマミはまた指で触れて口封じをオンした。焦りが伝わって来るようだ。

 フクダリウスは顔をしかめて「むうッ、確かにハンマーと弓とは毛色が違う」と納得した。

 ハンマー、弓、杖は『魔剣武団ウェクサ』と名乗ってるだけの小物集団。しかし襲撃してきた邪悪な魔剣二本こそが本物の極悪武団なのだろう。

 しかも頭にブッ刺して完全に乗っ取ってる外道なブキだ。


「とまぁ、極悪ブキなんで逆に裏切らせる。こいつらの仲間と戦う形でな」

「へっ! そいつは面白くなってきたぜし……」


 マイシは不敵に笑む。

 モリッカはにこやかな顔で「ボクは武器を使いませんが、こいつらをブッ壊せるなら面白そうです」と物騒な事を言い出す。コハクもジト目だ。


「リョーコ、ハンマー使えるんだっけ?」

「使えるけど斧女子だからね? ハンマーなんて論外だからー」


 リョーコは片目つむって首を振る。斧女子としての矜持(きょうじ)があるらしく断ってきた。

 しかしハンマー使いといえばレキセーンモサ学院のカレンぐらいしか知らねぇな……。しかもアイツ雷属性だったっけか?

 思ったより少なすぎる。ましてや氷属性のハンマー使いだなんて……。


「なぁ氷魔鎚アスマハー……。属性変えられねぇ?」

「そんな気軽に変えられたら二つ名ついてないぞ……」

「それもそっか」

「僕のは闇の矢を射出できる弓だからな。ナッセさんのは光属性だから合わないかもしれん」

「使うとしても弓部分しか使えねぇもんな」

「うむ」


 弓を媒介のようにして光の矢を放つくらいしかできねぇ。

 こいつは元々自前で闇の矢を生成して撃てるから、同じ闇属性の『弓兵(アーチャー)』だったら威力割増で扱えるかも知れない。

 ただ、この中に闇属性の『弓兵(アーチャー)』がいないのが……。


「そうそう都合よく使い手がいるわけないものね」

「ああ」


 先生がやってきて「授業始めるぞー」と来た。

 みんなは急いで席に着いていった……。




 例のごとく、退屈な授業シーンは飛ばして帰宅時間に……。(学園モノあるある)

 すると待ち伏せしていたらしい三人の全身鎧が立ちはだかった。ザッ!


「待っていたぞ……!」

「まさか襲撃してきたヤツらの仲間か!?」


 オレは思わず身構えた。

 するとヤマミが手にする杖がブルッと震えだした。


「間違いないわ! アレフロート王国の聖剣団よ!! まさかここに来てたなんてっ!?」

「金星の?」

「ええ。高貴な聖剣ブキで構成された歴戦の騎士団よ」


 すると先頭の全身鎧が一歩踏み出す。

 腰の鞘を突き出す。神々しい聖剣なのが窺い知れる。


「その通りでございます。我らはアレフロート聖剣団です。そして僕は第二隊長、流聖剣ヴィクトと申します」


 鞘に差している剣がペコリと曲げてくる。

 ……って事は全身鎧はロックマンって事か? 金属っぽいからメタルマン?


「急で済まないが、邪悪な気配を辿ったら、お主らに鉢合わせたわけだ。ちなみに僕は麗光聖槍エレントラです」


 二人目の全身鎧が槍を突き出して、ペコリと曲がってくる。

 オレは懐から獄魔剣ヘルビルを取り出して「邪悪って、コイツか?」と聞く。

 三人の全身鎧は「おお……!」と驚いてきた。


「今朝、通学してたら二本の極悪ブキに襲撃されたんだ。もう一本は壊しちまったけど、コイツは生け捕りにしてる」

「話せるようにオフにしとくわ」


 ヤマミが獄魔剣ヘルビルに指で触れる。しかしダンマリだ。

 オレはミシミシと握り締めていく。


「ぐ……ぐうぅッ!!!」

「ちったぁ喋ろよ。せっかくの聖剣団が迎えてくれたんだぞ」

「う、うるさい!! 殺せッ!! このまま生き恥を晒したくねぇッ!!」

「そうは言うなよ……」


 手玉に取られている感じで、聖剣団は戸惑ってるみたいだ。


「……まさか、あの大魔剣ウェクサの狂信者でも、獄魔剣ヘルビルは凄腕の刺客と恐れられていたのに」

「あなたがた何者です……?」



 オレはナッセで、そばの彼女はヤマミ。さくっと自己紹介しておいた。


「あ、あの世界大戦で大魔王を倒したという英雄か!?」

「金星にも噂が聞き及んでおりました」

「まさか……本物だとは!? だから狂信者も難なく捕まえられたのですね!」


 聖剣団も恐れ多いと態度に出てる。

 するとハンマーも弓も杖も「ええっ!? 本物っ!?」と驚かれた。

 てっきり同じ名前の別人かと思ってたらしい。まさか本物の英雄がここにいるわけないだろうと……。


「道理でめちゃくちゃ強かったわけだ……」

「きゃー!! そんなのと戦おうとしてた私ら無謀すぎー!!」


 ハンマーは汗をかき、杖はブルブルと震え上がってた。弓は言葉が出ないのか沈黙してる。

 すると獄魔剣ヘルビルはこちらを睨んでいるようにも見えた。


「きさま……! あの忌まわしい英雄ナッセかっ! 道理で……!」

「そうと知らずに襲ってきて運が悪かったな」

「ぐぬぅ……!」

「自白してくれない? 悪いようにはしないから」

「誰がッ!!」


 冷淡なヤマミに言われてもなお、獄魔剣ヘルビルは強情にも口を割る気がない。

 オレは「しかたねぇな」言いながら、ボウッと妖精王化する。

 聖剣団もハンマー、杖、弓も「ほ、本物だぁ!!」と竦み上がっていく。


「ほい! 快晴の鈴!」


 リーン、心地よい音色を響かせると獄魔剣ヘルビルからドス黒い大きなものが抜け出て、弾け散った。

 すると聖剣団の三人目からも黒いのが抜け出て弾けた。


「え?」「ええっ??」


 聖剣団の二人が振り向く。三人目の聖剣団は申し訳なさそうに後頭部をかく。


「すみません。スパイしてました……。実は大魔剣ウェクサの下僕として、聖剣団に潜り込んでいたのです。ちなみに我が名は邪聖剣エイビリアです」

「なっ、なんと……!?」

「ウッソだろー!!」


 二人の聖剣団は仰け反った。


「あちゃあ……」


 オレは肩を落とす。獄魔剣ヘルビルを自白させようと思ったら、聖剣団にもスパイ潜り込んでたのが判明しちゃったみてぇ……。

 その後、聖剣団に頼まれてアームストログ号で同じ事やったら、二人くらい潜り込んでたのが判明しちゃった。

 三人は大人しく縛られたぞ。

 そして獄魔剣ヘルビルも素直になってて、観念して自白してくれた。


「幅広く、金星の各地にもスパイを潜り込ませて諜報活動をしていたのだ。聖剣団も厄介な組織なんで、潜り込ませるのに骨が折れた。しかしもうバレてしまっては意味ない……」

「そっか。ありがとな」

「まったく」


 ヤマミはため息をつく。


 後で聖剣団に『快晴の鈴』の効果は一時的なものなんで、スパイはそのまま厳重に縛ってくださいと念を押しておいた。

 獄魔剣ヘルビルはこのまま武器として使う事にした。

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