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458話「大魔剣ウェクサ編④ ハンマー&杖とバトル!」

 オレはふと気になった。


「なぁ? 魔剣武団ウェクサって、どんなブキなんだ? 何本あるんだ?」

「え? 知らない……。見てないからそこまでは……」


 アレクシは素っ頓狂な顔で首を振る。

 どうやら彼自身、目撃した事はないらしいな。


「……そんなんでよく父の仇を取ろうと思ったな」


 ちぇ……知らないんかい。

 魔剣ってたから、変な剣持ってる模様付きの人間探せばいいと思うけどさぁ。

 アレクシに関しては、たぶん父が帰ってこずウワサでウェクサの連中に壊されたと聞いたから姿を見てないとかかも知れない。

 あいつら凶悪ブキってたし、目撃者は生かさないんだろう。


「なにか飲む?」

「近くに店あったかな……?」

「あ、ボクは土や川の水で十分ですので、おかまいなく」


 材質が金属だからなのか、その辺の土にロックマンがアレクシでザクッと刺す。ごきゅごきゅ聴こえてくる。


「…………あ、そう」


 オレとヤマミは森を出て、店を探す事にした。

 蛇行している道を歩いていると田舎村が見えてきて、小さなスーパーもあると喜ぼうとした。

 すると杖を持っている妙なマネキンとハンマーを持っているゴリラがいたぞ。


「ここ人少ないし、強そうなのいないわね」

「……もっと人の多いところへ行こう。時間はかかるが」

「えー!」

「ここじゃ強いのいな……」


 なんかブツブツ言いながら、こっちと目が合っちまった。


「あ────!!! いた────!!!!」

「うほっ!! 見るからに強いオーラが見えるではないか!!」


 マネキンが指差してきて、ゴリラも歓喜してきたぞ。

 どっちも変な紋様が走ってるし、剣ではないがアレクシみたいな変わった形状の杖とハンマー持ってる。


「お、おめえら……!?」

「あんたたちなんなの!?」


 魔剣武団ウェクサの連中とは別なのか? それともこいつらがそうなのか?

 剣じゃないから単なる観光目的の金星人かもしんねーけどな。


「ほほほ……あなたたちが知る必要ないわ」

「悪いが、急いでいるんでね……。その体をいただくぞ!」

「行くわよー!!」


 マネキンが杖をかざすと、空中に無数の岩が形成される。

 ゴリラがハンマーを振りかぶって、オレへ飛びかかる。ビキビキッと氷が覆って重量を増してくるぞ。

 太陽の剣(サンライトセイバー)を生成し、氷のハンマーを捌く。ガギッ!!


「ほう! いい!! マトモにワイの攻撃を弾けるヤツなんて中々いないからなッ!!」


 喜々とゴリラがハンマーを軽々と振るってきて、オレは毅然と捌いていく。

 結構強いな。

 ヤマミは黒い小人を周回させて、飛んでくる岩の弾丸を飛んで跳ねてかわしている。


「いいじゃない!! その体ッ!!」


 小人が道路にダイブして、黒筋となって走っていってマネキンへ襲いかかる。

 ゴゴウ……黒炎がまとわりついてマネキンは竦む。

 何度も暴れまわっても消える事がない。悶えて焦るしかない。


「あっ! アンドース!?」

「な……なんなのよッ!? この黒い炎ッ!?」


 オレはキッと見据えて、地面すれすれに剣をすくい上げてハンマーへ切り上げた。


「ライズーッ!!」

「グッ!?」


 衝撃を直接受けたハンマーが、ゴリラの手から弾き飛ばされていく。

 数十メートルまで弧を描いて道路に転がる。

 するとゴリラはハッと竦む。小柄なオレを見下ろす。


「おー、本来のゴリラに戻ったか? 紋様消えてるし」

「うほ……?」


 ゴリラは首を傾げ、そのまま森林へ去っていった。

 終わったと思ってヤマミの方へ振り向くと、マネキンが燃やし尽くされて杖を手放していた。

 案の定、ハンマーと杖がひとりでに浮き出して逃げようとしたのでオレとヤマミはガシッと捕まえた。


「おまえら金星人だろ!」

「ううっ!」

「バレてたー!!」


 ジト目でハンマーを見やると、仰け反って汗を垂らしていた。

 ヤマミが手にする杖も身をくねらすリアクションしてる。

 やはりアレクシと同類か……。


「なぁウェクサか?」

「「ギクッ!!」」


 ハンマーと杖がビクンと竦んでた。冷や汗タラタラ……。


「な、な、なんの事かな?」

「じぇんじぇん知らないから……」

「おまえさ、ゴリラ乗っ取っていてオレに向かって体よこせー言ってたんだよな? 違法じゃねぇか」

「宝玉砕くわよ」

「「ひいえええええ~~~~!! スミマセンスミマセ~ン!!」」


 ハンマーと杖がペコペコ曲げて謝ってくる。

 宝玉から涙が出ているぞ。


「魔剣武団なのにハンマーと杖とかどうなってんだ!?」

「……ノリで名乗ってたんだ」

「うんうん」


 ヤマミはため息。


「とりあえず金星で多くのブキを壊してきた凶悪犯なのよね?」

「うっ!!」

「そ、それは……リーダーのサダソドとファックレイが勝手に惨殺しようって暴れてたからよっ!!」

「でも共犯やってただろ?」

「処分した方がいいのかしら?」


 ヤマミの肩に黒い小人がピョコンと乗ってきた。

 殺されると分かった途端、ハンマーと杖はブルブル震えだしてきた。


「い、命だけはッ!!」

「勘弁してよ~~!! なんならあたしを武器として使っていいからさ~!」

「……ヤマミ待ってくれよ」


 気の毒なくらいビビりまくってて流石に生命を取るのは、と思った。

 ヤマミは「甘いわね」って視線をよこしてきた。


 オレは鈴を鳴らす。リーン……!



「なるほど……ウェクサは自分を動かせるヒトを求めて地球に降りてきた凶悪武団って事か」

「ああ……、金星で暴れていたがサダソドは『地球行ってみよう。いい体が見つかるぞ』って言い出してきてな」

「そうよ。指名手配されてたし、ノーマークの地球ならって感じで……」


 尋問したら素直に自白してくれた。

 意外な事に、魔剣武団ウェクサは地球に関しては無知なので、初めて見る事聞く事に戸惑いまくっているみたい。


「なぁ、剣に形を変えたりできねぇ?」

「できないです……」

「そんな形変えられたら、苦労もしないからー!」


 グネグネ動いているようだけど、オレたちが関節を曲げて動いてるのと同じで、形状を変えるとかはムリっぽいな。


「あ、でも一応魔法で剣の形にできますぜ」


 ハンマーは氷でビキビキと剣の形に伸ばしてみせた。でも氷はなぁ……。

 とりあえずウェクサのヤツらも姿を変えられないのなら、この尋問で吐かせた武器の形はそのままって事だ。

 こっちが捕まえた氷魔鎚アスマハーと岩魔杖アンドース。

 そして電魔剣サダソド、火魔斧フアックレイ、風魔槍ウィドラン、闇魔弓ダクボーウ、毒魔鞭ポインウィ、珍魔大剣バンバスタ、桜魔小剣フレイワーア、斬魔短剣シタャドー、竜魔爪ドラクロゴの九本。


「なんかアバ獄炎のベ○クスみてーな感じか」

「いい体を探しているって点も同じだしね……」


 苦笑いするしかない。




「ええ~~~~っ!!? つ、捕まえたんですかぁ~~!?」


 アレクシの元へ戻って話したら驚かれた。

 オレとヤマミが握っているハンマーと杖はしょぼん項垂れている。


「ともかく、他も捕まえなきゃな……」


 人の体を乗っ取っているってたし、解放してやらなきゃな……。

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