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勇者の魔法使い ─自力で行う異世界転移─  作者: 篳篥
第2章 テンザン大迷宮にて
35/44

第31話 呪い

 


「なん……だと……?」


 エクストラステージ(仮)での狩りを終えて戻ってみて、驚いた。そして困惑した。


「ガアァァ!!」


「キューーーー!!」


「アウウウアアア!!」


「ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」


「どうしてこんなにモンスターが大量発生しているんだ? いや、もしかして発生してるんじゃなくて……現在この階層にいるやつは全部集まってるんのか、これ?」


 隠れ小部屋がある通路が、大小様々なモンスターで埋め尽くされていたのだ。そりゃあ、押し合い圧し合い犇き合いって感じで。しかもその全てが酷く興奮している様子だ。

 けど、妙だな。


「こんなに近付いてるのに、こっちに見向きもしないなんて」


 今の俺は、その通路に出る道スレスレにいる。1番近いモンスターとは、もう手を伸ばせば届くような距離しか無い。なのにそのモンスターの大群は、こっちをまるっと無視している。

 いや、俺を無視しているだけじゃない。興奮したモンスターがこれだけ集まれば、モンスター同士の潰し合いが起こるのが当然だ。なのにそれも無い。やつらはただただ『何か』にだけ気を向けているように見える。その『何か』が何なのかは解らないけれど。


「どうにも妙だね。俺の【破魔結界】を破るようなのはいないみたいだけど……あ、ダメだ。結界はともかく……早いとこ戻ろう」


 刀を鞘から抜き、駆け出した。


 俺が『探究者シーカー』達の待つ小部屋へと辿り着いたのは、それから5分程経ってからの事である。



====================


 

 通路を埋め尽くすほどのモンスター達の狙いは、まさかの『探究者シーカー』達だった。モンスターの群れの中を突き進むと、その先に崩れた土壁が見えたのだ。うん、【破魔結界】はともかくただの薄い土壁は破られるんじゃないかって懸念は大当たりだったらしい。しかも今回は完全な閉鎖空間にすると彼らが不安になるかと思って、一応扉も作っておいたからな……それで余計脆くなってたらしい。

 俺が辿り着いた時には、小部屋の通路側の壁は完全に破壊されていた。そしてモンスター達は彼らを狙って次々と突撃し、しかし【破魔結界】に跳ね返されて大ダメージを負うか、そうでなければそのまま消滅していた。俺の【破魔結界】凄いだろ、えっへん。

 【破魔結界】は便利なんだけどなぁ。守るのはあくまでも張った場所のみな上に、魔法式が複雑なせいであまり本格的なものは付与エンチャント出来ないのが難点なんだよね。

 おっと、そんな事よりも。


「とりあえず状況を説明してくれないかな?」


 【破魔結界】を悠々と通り抜け、中で一応の臨戦態勢を取っていた『探究者シーカー』達に問いかける。【破魔結界】は魔に属する者を通さない代わりに、そうでない者を阻むことは無いのだ。


「僕達も説明できるほど事を把握していないのだけどね。君が戻って来ないから言われた通りに休んでいたら、急に壁が壊れてこの様さ」


 青い顔で剣を構えながらも、どこかホッとしたように答えを返すのはジルベルト。成る程解らん。


「……取りあえずこの状況じゃ、お前ら落ち着かないだろ? ちょっと待ってて」


 こうして話している間にも、壊れた壁からはモンスターが侵入しようと突撃を繰り返している。そしてその度に結界に跳ね返されるのだ。どんなモンスターが来ようと結界が跳ね返してくれるとは思うけど、あまり心穏やかに過ごせる環境では無いだろう。そう考えての提案だった。


「待つだと? どうするつもりだってンだ!」


 毒づくように噛み付いて来たのはドグナムだ。あいつ、元々俺の事嫌ってるっぽいからなぁ。この状況じゃあ苛立ちも頂点まで行くだろう。

 けど、俺はそんなのどうでもいい。


「モンスター達を一掃したいだけだ。それほどかからないよ」


 そして小部屋を出ると、集まったモンスター達は目前に現れた俺を目指して突撃……などということは無く、再び『探究者シーカー』達を狙って【破魔結界】に体当たりしだした。マジか。


「ちょっと尋常じゃないな、これは。まぁいい、【凍結フリーズ】」


 凍らせる対象は、目の前のモンスターの大群。そう指定して発動させた【凍結フリーズ】は、ものの見事にモンスター達を凍りつかせた。

 しかしやはり【凍結フリーズ】は有効範囲が広くない上に相手の数が多い。1発では全てを仕留める事は出来なかったようで、後方にいて凍りつかなかったモンスター達が氷像を化したモンスター達をなぎ倒しながら猛然とこちらに向かって来る。


「あーあ、折角拾った命なのに。もういっちょ……【凍結フリーズ】」


 1発目の時は効果範囲内にいなかった連中も、自分達からこっちに向かっていたために2発目の餌食となる。その後もう1回同じように【凍結フリーズ】を使い、今度こそ集まっていたモンスターは全滅した。


「これでよしっと。じゃ、ゆっくりとお話ししようか」


 くるりと180度方向転換し、結界内で少しポカンとしている面々と向き合った。そのまま俺は小部屋に入り、壊された壁を塞ぐ。


「状況はそっちにもよく解ってないみたいだけど、こんなにピンポイントにこの空間が狙われて、しかも集まっていたモンスター達はすぐそばにいた俺に見向きもしない。どう考えても可笑しい。何か心当たりは?」


 問いかけたが、全員が揃って首を横に振った。見事なユニゾンである。


「そう……じゃ、ちょっと失礼するよ?」


「失礼?」


「うん、こういった状況に陥る要因にいくつか心当たりはあるんだ。だからちょっと【鑑定】させてもらう」


 鑑定、とターシャが口走った。


「え、何それ? まさか【上級鑑定】を使えるの!?」


 酷く素っ頓狂な声音だった。気のせいだろうか、猫が取れかけているような気がする。


「まぁね。言ったでしょ、俺は魔法使いなんだよ」


「……魔法使いだから、の一言で済むようなことじゃないでしょ」


 リズはまたもや蟀谷を揉みながらこちらを見、そして溜息を吐いた。


「【上級鑑定】なんて、世界でも何人使えることか……」


 いやいやいや。


「大袈裟すぎるだろ。確かに誰も彼もが使えるような魔法じゃないだろうけど、一定数は使える人がいるはずだ」


 しかし俺のその反論の何所かが気にかかったのか、リズの視線は非常に胡乱げだった。


「……契約であなたについて詮索しないって事になってるから、詳しくは聞かないけど。あなた、やっぱり見た目通りの年齢じゃないわね?」


「へ?」


 何故バレたし。


「大昔、大賢者様と錬金王様がステータスカードを作り上げる前は、【鑑定】を使える人は多くは無いとはいえ珍しくも無かったと聞くわ。けれどステータスカードの開発以来、中級以上の【鑑定】を使える人はどんどん少なくなっていった。使えなくてもステータスが解るから」


「うん、でもそれでも世界中を見渡せば少しは」


「いないのよ、【中級鑑定】はともかく【上級鑑定】は。100年ぐらい前からプライバシーの侵害がどうとかこうとか言われるようになって、【上級鑑定】の扱いは随分とデリケートになったわ。結果、元々少なくなっていた【上級鑑定】の使い手はさらに減ってしまった」


 マジか、便利なのに。まさかそれでブラックバッドとブラッドバッドの見分けがつかなくなって対処法もごっちゃになっちまったのか?


「それでも使えるだけならこっそり習得したのかと思えるわ。けど、使い手が少ないながらも世界中探せば多少はいるだろうなんて考えるのは、100年以上前の常識を持った人だけよ」


「あれまぁ……」


 そんな事になっていたとは。【上級鑑定】が使える人がごく僅かというのは俺にとってはありがたい話だけど、ちょっと失敗したかな。


「ハァ。しょーがないか」


 俺も1つ溜息を吐き、情報を開示する事にした。どうせ後でその記憶も奪うんだし、今この場では秘匿して話が拗れる方が面倒だ。


「確かに俺は見た目はピチピチの14才だけど、実際に生きた年月はもっと長い」


 そう告げると、やっぱり、という空気が彼らの間に流れた。


「俺が精力的に活動してたのは、もう……随分昔の話だよ。それこそ、100年以上前の常識に捕われているぐらいには」


「……1つだけ、聞かせて」


「うん?」


「あなた……魔人族なの?」


「……はぁ?」


 斜め上の予想を突き付けられ、今度は俺が蟀谷を揉むことになった。しかし一同を見渡してみるとその視線には隠しようの無い猜疑が含まれていて、全員がその予想を想定していたらしい様子がうかがえる。


「あ~、疑われても無理ないような振る舞いだったかな? でも違うよ。有り得ない。今見ただろ、俺が【破魔結界】を通り抜けたの。魔人ならそんな事は出来ない。弾かれるかぶち破るかだ。こちとら、両親共に混じり気無いヒューマンなんだからね」


「ヒュー、マン? それじゃあ、何で100年以上も生きて」


「……多分、その辺の事情は口で説明しても解ってもらえないと思う。ややこしい話であると同時に、信じ難い話でもあるから。けど約束する。最奥に辿り着いたら、俺に関する事情も説明しよう。というか、最奥に辿り着いたら話さざるを得なくなるって言うのが正しい。この時、説明が欲しいというのなら黙秘はしても虚偽はせずに答えるということも誓うよ。信じるか信じないかはそっち次第だけど」


 相も変わらず核心をぼやかす俺に皆は納得したわけじゃないだろうけど、それでも今この場はそれで妥協したらしい。


「そう……なら、その言葉を信じるわ。それが助けてもらった事への義理よ」


 そうしてもらえると助かるよ。


「じゃ、そろそろ本題に戻っても良いかな? 【鑑定】……やっぱりね」


 全員のステータスを見させてもらうと、予想が当たっていた。


「お前ら、全員カースド状態だ」


「カースド状態だと!?」

 

 真っ先に声を上げたのはドグナムだ。彼はそのまま俺に掴みかかろうとしたが、ジルベルトに止められていた。俺の言葉を疑っているんだろう。まぁ、無理も無いとは思う。

 カースド状態とは文字通り、何者かに呪われた状態のことをいう。


「事実だ。お前らは全員、【寄魔】が掛かっている」


「テメェが掛けたんじゃないのか!?」


 ジルベルトに止められながらもドグナムは吠えた。


「呪いなんてモンは、殆どが暗黒魔法だ! 結局は魔法の一種でしかねェ! テメェなら使えるんじゃねェのか!?」


 暗黒魔法は闇魔法の上位魔法だ。そこに属するのは殆どが対象を呪う効果を持つ。今回彼らに掛けられている【寄魔】はモンスターや魔人といった魔に属するモノを呼び寄せる術。これが掛けられたモノが近くにあると、モンスター達は余程知性や理性が有る個体でない限りは惹きつけられてしまう。それはさながら、タイムバーゲンに集う主婦せんしの如くである。

 尤も暗黒魔法なら全部が全部呪いというわけでは無いし、暗黒魔法以外にも呪いと言われる魔法は存在する。かつて俺に掛けられていた不老不死の呪いが良い例だ。あれは時魔法と回復魔法と聖魔法を複雑に組み合わせた複合魔法で、暗黒魔法の要素は無かったもんな……。

 日本に帰ってから俺が常備していたペンダント、あれはマジックアイテムと言っていたが実情は【弱化】という暗黒魔法を付与エンチャントしたカースドアイテムだ。あのペンダントはその中でも特に強烈なもので、付けている人物の能力を最大で10分の1まで落としてしまう……俺の場合は10分の1まで落としても、日常生活を送るのに色々と気を遣わなきゃいけなかったけど。


 そして俺は実は、この暗黒魔法を網羅していたりする。だって掛けられていた呪いを解くためにはまず呪いを知る必要があったからさぁ。

 だから使えるのか否かと問われれば、勿論使える。だが。


「やってない。そもそも、やる意味が無い」


 こいつらを殺したいのなら、わざわざモンスターをけしかける必要は無い。目撃者もいないのだし、直接手を下せばいい。仮に直接手を出すのは気が咎めたとしても、モンスターに襲わせるつもりなら【破魔結界】なんて張らない。

 わざと襲わせてそれを助けるというマッチポンプで恩を売る必要も無い。そんな事をしなくても、とっくのとうに恩は売れているし、ここまでの道のりで実力を見せつける事も出来ている。


 だが、正直疑われても仕方が無い状況だというのも解る。


「じゃあ何であんなタイミングで呪いなんて掛けられたってンだ!?」


 そう、そこが問題だ。

 『探究者シーカー』達は元々何者かに狙われているのだから、呪いを掛けられる可能性自体はある。しかしそれが、よりにもよって俺が彼らから離れていたタイミングにドンピシャというのは妙な話だ。もしも【破魔結界】を張っていなければ、彼らは間違いなく死んでいた。


「偶然じゃないのか? お前らは元々狙われてたんだ。お前らを嵌めた連中が念には念を入れて掛けたのかもしれない。それとももしかしたら、そいつらとはまた別のお前らを狙っている勢力があってお前らが罠に嵌った事を知らずに掛けたのかもしれない。それがたまたま、俺がいないタイミングになってしまった……かなり神憑ったタイミングだけれど、あり得ない話じゃない」


 或いは、もしもこれが偶然じゃないのだとしたらそれは、とそこも考えたが、彼らには言わなかった。だって……。


「とにかく、議論は後だ。まずは【寄魔】を解かないとまたモンスターが寄って来るぞ」


 恐らくこの階層にいたモンスターはあらかたが彼らの【寄魔】に惹きつけられて来ていて、今も残っているのはあのエクストラステージ(仮)にいたモンスター達だけだろう。あそこからこちらに出て来られるモンスターは殆どいないはずだから。あのスペースへの出入り口は俺が通ったあの小道しかないから、殆どのモンスターは体のサイズの問題で通れないのだ。

 しかしぼやぼやしていると、大迷宮内に籠った魔素や瘴気からまた新たなモンスターが発生していく。発生して襲ってきても負ける気は無いけれど、解いておくに越したことは無い。


「解けるのかい? 暗黒魔法は総じて難しい魔法だと聞いているよ。解呪はさらに難しい、とも」


 ジルベルトの言う通り、呪いを解くのは難しい。聖魔法で浄化して……なんて漫画なんかでお決まりの展開のようにはいかないからだ。呪いを解くにはその呪い、即ち魔法の魔法式を解析し、解除しなければならない。

 しかし、だ。


「問題無い。俺には、ね」


 暗黒魔法を網羅し、しかも魔法式そのものを直接視ることが出来る俺には、大抵の解呪は造作も無いことなのだ。その分、すぐに解けない呪いにはとことん時間が掛かっちまうんだけど。不老不死の呪いがその代表だ……600年以上掛かったもんなぁ。けど少なくとも、あれに比べれば全ての呪いが児戯に等しい。

 特に【寄魔】の扱いには慣れているんだ。昔、『厄災』を倒すと決めた時、身体能力の底上げのために無茶な修行で無理矢理レベルアップしようとしたからね。あの頃はよく、自分自身に【寄魔】を掛けて大迷宮や秘境を練り歩いたもんだ。

 けど【寄魔】の扱いに慣れてるなんて事を言ったらまた話がややこしくなるかもしれないし、言わないでおこう。


 彼らに順に解呪を施しながら、事が起こった時の状況を詳しく聞く。

 とはいえ彼らもあまり自体は把握していないようで、大したことは解らなかった。

 俺がこの小部屋を出て1時間半が過ぎた頃に睡眠を取り始めた。今回はノルイも含めた5人全員で1人1時間ずつ番をする事にして、まずはドームで見張りを免除されていたノルイが残り、他の4人は睡眠を取った。ノルイの後もターシャ・リズ・ドグナムと見張りは変わって行く。その間もいつ頃からか壁の向こうからはモンスターの立てる音らしきものが聞こえてはいたが、壁を隔てている事もあって特に気にしてはいなかったらしい。

 それがドグナムが番を初めて少し経った頃、突然土壁が弾け飛んだ事により全員が飛び起きた。

 壁が壊された事によって向こう側にモンスターが犇き合っている事に気付き、絶望的な心情ながらも臨戦態勢を取った。しかしすぐにでも襲ってくると思ったモンスターは俺の張っておいた【破魔結界】を破ることが出来ず、それに少しホッとはしたもののだからと言ってあの大軍を前にして気を抜けない。

 膠着状態に陥って只管神経をすり減らしていた中で、俺が帰還して今のこの状況になったのだとか。


「そう。それは大変だったね」


 月並みな言葉だが、それしか言えない。


 しかし……人間関係がさらに面倒になったなぁ。ドグナムはますます不信感を増したみたいだし、他の面々も表面上はともかく内心は穏やかじゃないだろう。

 

 そしてこれは俺対彼らのみの話では無い。


 今回の騒動の発端である【寄魔】。彼らはこれを掛けたのは元々彼らを狙っている何者か、或いは俺――俺としては不本意だが、疑われるのは仕方が無いと諦めよう――と考えているようだが。

 もう1つ、可能性がある。彼らが考えていない、いやもしかしたら考えたくないのかもしれない可能性が。


 それは、彼らの内の誰かが獅子身中の虫である可能性。


 勿論俺としても、【寄魔】を掛けたのは彼らを狙っている何者かであってそれが俺がいないタイミングに被ったのが偶然なら、それが1番いいと思う。

 しかしそうでないのなら……あえて俺がいない時を狙ったのならば、それはこの場にいる誰かでしか有りえない。当然だが、俺はやってないよ。


 彼らの中で魔法が扱えるのはターシャのみだが、解呪の際にこっそりステータスをより詳しく見てみた所彼女は暗黒魔法は覚えていなかった。

 ちなみにこんな感じ。


[ステータス]

名前:ターシャ・ミエン

レベル:355

年齢:18

性別:女

種族:ヒューマン

魔法適性:有り


HP:978/978

MP:1030/1030

力:322

防御:358

体力:310

敏捷:398

魔法耐性:612


スキル▽

魔法  生活魔法▽ 土魔法▽ 地魔法▽ 火魔法▽ 水魔法▽ 風魔法▽ 


 ステータス画面を見た時、▽の部分に意識を集中すれば省略されている情報が見られるのだ。余談だが、地魔法を覚えているということは彼女の魔力属性は土なのだろう。大抵の場合、上位魔法は自らの魔力属性の上位を最初に習得するからね。

 閑話休題。


 しかし唯一魔法が使える彼女が暗黒魔法を習得していないからと言って、彼らの中に犯人がいないとは言い切れない。世の中には魔法玉とかもあるしね。暗黒魔法の魔法玉は相当貴重だろうけど――暗黒魔法自体が難しい部類だからである――使えば誰でも相手に呪いを掛けることが出来る。


 どれもこれも、あくまでも可能性の話でしかない。

 けれどこの可能性が外れていることを、切に願う。


 

 仲間・友の裏切りによって齎される痛みは、出来る事なら誰も覚えて欲しくは無いのだ。

 だってあれは……とてもとても苦しいのだから。

 随分と遅れてしまいました。

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