apocalypse:01
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「OrvaneAIシステムの起動を観測しました。やはりこちらの行動はやつらに把握されていました。即座にAI防御システム起…」
そう制御装置に立っていた私は目の前のドクロと目線があって、胸元から血が吹き出る。落ち着こうとするほどに心拍は早くなり、時間が経つほど心拍はなくなっていった。
「こんなポンコツAI防御システムじゃハッキングですぐだっての。」
そう転がった死体を踏み越えて、制御システムを乗っ取っているのが、Orvaneによって作り出された新人類“佐藤有香”であった。
(さて、防御システムは全て倒したとこだし、今のところ生体反応は一人だけ…か。これは楽な仕事だな。)
と背伸びしていたところに、漏電していた薄暗い廊下から大男が現れる。すぐさまに銃を大男に向けるが、
「銃の先端が…!?」
銃の先端が見事に円を描いて曲がってしまった。これは暴発でもなんでもない、同じくシンギュラリティのシステムのあるKavonixの技術の空間干渉だ。次々に球状に捻れて破壊されていく様子をみて、空間の歪みが球状に現れた0.7秒後に一気にねじ曲げられてしまうことに気がついた。だが、この暗い死界では劣勢と言わざる追えなかった。
「どうしたぁ!新人類さんよ。もうOrvaneなんて時代遅れにも程があるぜ。無から作り出すよりもあるものを強化すればいいものを!」
すると隠れていたオフィス全ての壁をねじ壊し隠れる場所がなくなった。仕方なく、球状の攻撃を間一髪避けながら屋外にある非常階段へと逃げた。大男は当然のごとく非常階段を次々に破壊し始める。しかし、そこから有香が目の前に落ちてくる。
「あんたのそれ、三秒のクールタイムとか隙だらけだよ。」
そう言って有香の身体は縦に裂け、中に内包されている銃で大男を撃ち殺した。しかし、大男はしぶとく、最後に一撃として、有香の右太ももに直径10cmの球状の攻撃を当てた。非常階段と一緒に落ちていく私はこのままでは空間管移動のポイントへと行けない状態へとなっていた。上下の非常階段に挟まれる直前、可愛げなドクロの仮面をつけた新人類に助けられた。その新人類は名乗ることなく、右足を代替のロボット義足へと変え、消えていった。
〈初任務成功おめでとう少尉。だが、建物内側の被害は想定済みだが外は想定外だぞ。野次馬が来る前にさっさと家へ帰ろ。逆探知されるぞ。〉
助けてくれた可愛げなドクロのことを聞きたかったが一方的に脳会話が切られている。仕方なく、移動ポイントへと移動し、家へと帰った。そして、壁に貼ってあるゴミ収集のポスターをみて、
(あの忌々しい大佐め、あの美形だどこかでポスターか何かになってるに違いない。目に画鋲刺してやる。)
そして、うやむやしながら眠りにつく。
◇
朝、時刻は7:50。今日は早めに支度をおえ、昨日直したばかりの自転車にのり、愉快に学校へと向かう。信号待ちをしていると、車の後部座席に乗っているメガネをかけた男が気になった。脳の情報データによればその男は危険人物として排除指定されていた。仕方なく、小型蜘蛛型爆弾を車の下に貼り付け、信号が変わるとそのまま高校へと向かう。坂を登っている途中に爆音と黒い煙が立ち上っていたが、メガネの男の生体消失反応を見て私は安心した。時刻8:20、高校につき、駐輪場にきちんと止め、鍵を閉めて学校の階段を上る。後ろから美咲が話しかけてくる。桜井美咲というのはKavonixの開発者の桜井誠の娘だ。学校で孤立している。
「ねぇ、そこの交差点で車が爆発したらしいじゃない。しかも、乗車していた人は全員死亡。誰か分からないらしい。」
「車には気をつけないとね。」
「あなたって意外と変人なのね。」
「そうかなぁ。」
今日注意すべきことは、昨日の騒動で人口義足のままで、繋ぎ目を見られることだが、今日は体育はない。リスクはほぼないと言っていいだろう。また授業の終わりのベルを四回聞き、昼食の時間となった。当然のように美咲と食べようとすると、美咲は立ち上がった。
「こんな窮屈な箱庭よりももっといい場所で食べましょう。」
そう言って美咲は屋上へと通じる梯子を上り、フェンスに囲まれた開放的な場所に案内した。
(途中で生徒進入禁止という文字があったのは忘れよう。)
「どう?」
美咲は弁当を食べながら唐突に聞いてくる。
「どうってなにがどう?」
「だから、ここでの食事よ。」
少し不機嫌そうな美咲を横目に私は辺りを改めて見渡す。
「全方位観測しやすくてとてもいい場所だとおもいます。人がいませんし。」
「やはりあなたは変人なのですね。類は友を…なんてわけありませんけど。」
さっさと昼食を終えようとしたところ、強風がスカートをめくる。人目がないところで本当に良かったと思うと、美咲が目を点にしてこちらを見ている。
(パンツの色にでも驚いたのかな。)
呑気な想像とは裏腹に美咲は、右足の接続部を見てしまっていたのだ。
「あなたの足、事故でもなんでもなく、人体改造の義足、、よね。」
「いや、その校則にもピアスとかは書いてあったけど人体改造風?メイクとかやってみたり、、、」
必死に説明する私とは違って、意外に美咲の目は輝いていた。
「超クールじゃん。」
私の右足にデコピンをすると、痛そうにしてから美咲は屋上から去っていった。
(これから人工義足生活…?バレたからにはそうだよね。いっその事、、)
◇
下校時間になると美咲は興味津々に右足ばかりをみてくる。いつものお嬢様気取りはどこにいってしまったのか、私もしてみたいやらどこのメーカーやら施術方法やら聞いてきた。
「自分の体は大切にしなよ。」
こんな私が言うことではないが、この話題を打ち上げたかった。だが、美咲の顔は楽単したような表情になっていた。よく見てみると涙ぐんでいる。
「あんたには何も分からないわよ!」
激高し、叫んだ美咲は反対方向へと走り出してしまった。友達として追いかけるべきか、落ち着くのを待つのがいいのか、分からなかった。
美咲が歩きなので自転車は引いて歩いていたが、その必要もなくなり、交差点を通り自宅へと早くついた。Orvaneの仕事は基本夜に行う。夜まで命令が来ないものかと待っていると、脳会話が入る。
〈私の名前はapocalypseである。新人類の皆様こんにちは、天才ハッカー様にかかればこれぐらいはできるのである。では、これはテストだ。またの暗号解析楽しみにしているよ。〉
これは悪い冗談だろうか脳会話のハッキングなど前代未聞だぞ、すると緊急会話が入る。
〈こちら情報司令部中佐、今現在アポカリプスと名乗るハッカーによって脳会話がハッキングされた。各新人類は情報通達を無線機へ変更されたし。〉
まさか本当にハッキングされるとは思わなかった。押し入れの縁に指紋と電波を送ると、無線機がでてきた。持ち出せないのが大きな欠点ではあるが、絶対的に外部からの干渉を受けないものになっている。もはや特異点前の世界の無線機とは別物となっていた。司令はもちろんアポカリプスというものの調査と対策そしてKavonixの関係性の有無であった。ここからアポカリプスとの壮絶な戦いが始まる。もちろん高校生活込みで。
apocalypse
人類を破滅に追いやる大災害。
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