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Orvane

S.Y.0(特異点0年)20:48:総合技術開発企業Orvane株式会社はAIによる超文明発展、シンギュラリティを成し遂げた。名だたる企業同士のシンギュラリティ競走は幕を閉じたのだ。そしてOrvane株式会社はそれを公に明かし、世界中に衝撃を与えた。ネットのアクセスは瞬く間に増えていき、ある者は新たな時代の始まりに歓喜し、ある者はAIに文明発展を託すことに不安を抱き、陰謀論を嘆く者もいた。全世界のテレビ局は翌日のOrvane株式会社の徳田國重社長の会見に控えていた。


「朗報だ!オルヴェイン株式会社がついにシンギュラリティ競走を勝ち取ったぞ!」


町中ではそう叫びながら号外を撒く人が溢れ、少なくとも日本全国のこの日の夜だけはお祭り騒ぎだった。直近までは企業のAIによるシンギュラリティ競走は激化し、注目を集めていた。競走の激化による会社の崩壊、スキャンダル、ハッキングなどの数々の事件で世界中で競走自体を中止するよう訴えるデモ行進さえ度々行われていた。だが、それにOrvane株式会社が終止符を打ったのだ。世界中がこれからの文明の変化に注目を集める中、時刻は24:00を回っていた。テレビカメラには徳田國重社長が映り込み口が動く瞬間、全世界の観衆は唾を飲み込む。


「今宵、我らOrvane株式会社のAIはシンギュラリティを成し遂げました。それを記念し、AIをOrvaneと名付け、人類の新たな文明に盃を!」


盃を上げ、言い放つと歓喜の声に社長は包まれる。口角も上がった社長は続け様に、


「既にOrvaneは新たな分野を発見、応用を始め、物質の生産機、人工子宮装置などを作り出しております。実用化に関してはすぐにできると約束しましょう。そして、Orvaneに不安の方々、制御装置としてKavonixが開発されております。改めてこの文明の特異点に祝杯を…」


と乾杯をする手を手をとめ、耳に装着していたインカムに険しい顔で食らいつく。それをすかさずにテレビ局の人々は逃さずにシャッターの音が鳴り止まない。


「どうされたのですか?」「何か問題でも起きたのですか?」「暴走ですか?」


社長にゲリラのように降り注ぐ質問は帰ってくることなく、社長は離席してしまった。後日会見をもう一度開き、説明すると発表したものの、記念すべき会見が後味の悪いものとなってしまった。社長が離席した2時間後、世界各国の軍事コンピューターがハッキングされ、日本の都市以外の全ての人類と文明が無くなった。それは後にOrvaneの暴走だと発覚し、この都市を特異点0年あるいはS.Y.0とした。生き残った人類は残った唯一の都市に集まり、Kavonixが人類の生活を支える中心として活動し、復興させたため都市の名前はKavonixとなった。


◇


S.Y.20(特異点20年)一つの生命が地下深くの基地から誕生する。


--Kavonix及びそれに加担する者全てを排除せよ--


そう命令されて産まれた生命の名は“佐藤有香”0歳ながら容姿は十代後半であり、知能もあった。彼女が産まれて最初に見たものはいくつもの管が繋がった人工知能、生みの親であるOrvaneだった。そしてこの施設の知っている構図通りに歩いていくと、同じような歳のものから三十代のものまでいた。そしてこの目の前にいるのがOrvaneによって産み出された新人類の組織のトップ、水野大佐26歳(設定)。


「おめでとう。上の都市では君は立派な高校生という設定だ。だが君は我々の組織の一部であることを理解し、社会に溶け込み、時には命令に従い、Kavonixの殲滅を行うのだ。頑張ってくれたまえ、新人君。」


この舐め腐った態度には正直腹が立つが、一応私は少尉なのだから逆らってはならないのだろう。だが、一回ぐらいその綺麗な顔面に殴りたい。


「了解致しました。それでは高校生活はいつからでしょうか?」


「一人一人の予定を我々がいちいち指定してあげてると思うのか君は。今日からだ。もう言わんぞ、頑張ってくれたまえ佐藤少尉。」


は?と思っていると水道管のようなギリ入る管の中に押し込まれ、身体が引き裂かれそうなぐらい吸引される。そして、目を開けると一人暮らし用の新居のような部屋にいて、生活感が溢れ出ていた。そして、時計には7:59の表示が。確か、学校は8:25登校で登校時間は30分のはず…


「つまり、登校初日遅刻ってわけ?」


社会に溶け込めという大佐の声が忌々しいほどに蘇る。そして、急いで制服を着て、パン一切れを咥え、自転車に飛び乗る。時刻は8:02。急いで、自転車を漕ぐものの、信号に引っかかる。KavonixはAIの暴走によって傷つけられた人々のために旧人類的な生活をあえてさせているという。なんてことだ、自転車なんて歩道で走っていいものなのか。そう思いながら、坂を終え、高校に入る。時刻は8:24。


「着席までが登校時間なのかぁ?!」


駐輪場に自転車を投げ、急いで教室に向かう。確か1-5は三階で一番近い階段は、、、思考をフル回転させて走って向かっていると、


「廊下を走っては行けません。あら?見ない顔ね。名前は?」


どうやら担任の新井先生のようだ。でも、名前を知っているのは不自然だよね。


「おはようございます。佐藤有香と申します。初めての登校で、学校の場所も教室が分からなくって。1-5なのですけれども。」


「あら!佐藤さんなのですね。私は偶然にも1-5の担任の新井素子です。よろしくね。」


彼女はそういうと教室まで案内してくれた。学校の設備や行事など事細かに説明してくれた。一方私はというと、AI暴走によって狂った両親が都市から出ていき、置いていかれ援助のもと高校に入ったという設定に同情された。案外設定適当なんだと思っていると、教室の扉が見えてきた。教室に入ると二十名ほどの生徒がいた。自己紹介を終え、席に座ると脳会話が入る。


「こちらOrvaneの情報大尉。1-5にいる“桜井 美咲”という人物から情報を奪え。Kavonixの開発チームのメンバーの桜井誠の娘だ。」


Kavonixは制御装置として最初は作られていたが、都市を作る際にOrvane及び、新人類殲滅のために人の手のして人間含め組織化されたらしい。


(というか新人類の存在ばれてるんかい。)


まあとりあえず周りの状況を見ない限りは始まらない。授業が始まるベルが鳴る、授業はそれほど新鮮な情報もなく四回繰り返し、昼休みへと入った。それまでに分かったことは、私の体はそれほど人類とは変わらず、お手洗いにいけば、でるし、血もある。違いは脳会話ができるぐらいだろうか。そして一番の発見は桜井美咲は孤立していることだ。五分という短い休み時間では話さないこともあるだろうが、全員出席の昼時に一人はさすがにぼっちであろう。


(これはチャンスだ…)


「こんにちはっ!私、今日転校してきた佐藤有香と申します。昼一緒に食べる人がいなくて困ってるんだけど、良かったら一緒に食べない?」


「私は一人でも食べれるわよ。まあ、“床”さんとなら一緒にいつも食べてるからいいわよ。」


いつもというのが引っかかるが、まあ仲良くなれたらしい。少し態度が上めな気がするが。と菓子パンを開けていると、美咲が話しかけてきた。


「あなたなんで転校なんてしてきたの?」


「Kavonixと言っても格差はあってさ、貧困街で育ってて、一応学校みたいな場所にも通ってたんだけど、ある日両親が都市の外へ行ってしまって。行方不明なの。で、都市の援助を頼んだらこんなにいい場所に住まわせてくれたの。」


「初対面なのによくそこまで言えるわね。ここはそんなに高級街ではないけど貧困街出だと嫌な目で見られることもあるのよ。まあ、友達になってあげなくもないけれど。」


「え?、、ありがとう。」


その見下した態度はいけ好かないが、意外と寛容な部分もあるらしい。まあ貧困街出でもなんでもないわけだが。そこは任務のために仕方ないことだと割り切ろう。


◇


今日最後の授業の終わりを告げるベルが鳴ると、帰宅時間になった。帰る準備を終えると廊下を出た階段に美咲がいた。


「さようなら。」


そう言って彼女から去ろうとすると、手を掴まれた。


「友達なのだから一緒に帰るのは当然のことでしょう。」


手を掴まれたので、そのまま階段を降りると思っていたが、すぐ振り払われた。恥ずかしいようだ。


「あなた見た目に反して運動神経いいのね。スリでもしていたの?」


そうだった。運動神経も人間とは桁違いに強化されていた。さすがに一般人間の範囲でしかだしていないが。すると美咲の顔が私の顔に近づくいて、小声で


「私の両親も行方不明なの。名前と肩書きと財産だけ置いて、どこかへ行っているみたいだけれども。これでフェアね。」


と涙ぐみながら、震えて言っていた。暫く沈黙が続いたが、駐輪場を見た途端に汗が吹き出す。なんと乗ってきた自転車を思いっきり投げたせいで変形して、乗れなくなっていた。それを見た美咲は大笑いして、不格好な自転車とは帰れないと言って校門まで言ってしまった。


「じゃあね!」


高げの花みたいな美咲があんなに無邪気に言うものだと驚いた。そして、自転車を引きずりながら家へと帰っていると、脳会話が入ってきた。


「その自転車は自転車屋にいけば、すぐ治る。それよりも任務だ。さっさと帰れ。」


この忌々しい口調は水野大佐だろう。自転車屋にいけばとは言うが、どこにあるのか分からない。仕方なく道にいた人に聞いて、治してもらった。支給された資金のほとんどが消えてしまった。だが、今は家に帰るしかない。


◇


家に帰る頃には日がとっくに落ちていた。走った方が速いのだが、人目につく所ではブレーキがかかるみたいだ。とりあえずに脳会話に接続する。


「ようやく帰ったか、まあいいKavonixと思わしき施設が発見された。表向きは企業を装ってるが、レアアース一部、いや大半が消えている。ほとんど黒だろう。殲滅だ。」


--Kavonix及びそれに加担する者全てを排除せよ--


有香の顔がドクロとフルフェイスマスクへと変わる。そして、Orvaneの移動方法の空間管移動方法で移動地点まで吸引される。そして、企業の前までついた私は状況把握する。中には社長含む14人そしてAI防御システム5体、こちらは私と単発銃一丁。新人類の仕事が始まる。


Orvane(オルヴェイン)


Orvane株式会社

総合技術開発企業。

半導体、エネルギー、ロボティクス、医療、情報通信などを手掛ける。


Kavonix(カヴォニクス)


大佐 — 最高位

中佐、少佐、大尉、中尉

少尉 — 最低位


見ていただきありがとうございました。


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