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幻想郷侵攻  作者: 幽夢 継
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14/16

圧巻的奇跡ー抜天ー

ー幻想郷、紅魔館


「彼、負けるわよ…」


レミリアの目の中で、とある未来が映り込んだ瞬間だった。



その上では、バケモノ同士が衝突を繰り返し行っている。

現在優勢を保っている少年が継(つぐむ)で、彼の周りをすばしっこく飛んでいるのが黒い影の怪物だ。

もう何度も、継はその怪物に対して数々の技を打ち込んでいるが、相手の方はまだかなりの余力を残していそうな雰囲気である。


「これじゃあ埒が明かない…!」


この現状に、継本人もなかなかに苦戦しているようだ。

幾度となくかわされ耐えられる自分の攻撃にも疲れてきている。

そしてこの中に、その隙を逃さない者がひとりいた。

一瞬にして周囲の空気が変貌し暗がりに包まれたと思えば、次は異質なほどに綺麗な白線が空を引いて、一点から溢れだす。

それは輝きとなって粒を生み、じきにその正体を見せた。

東風谷(こちや)早苗(さなえ)。

彼女の力による、奇跡である。


「なんだ、この光は…!?」


もうすぐそこまで、レミリアが先んじて見た未来がやって来ていた。

継、黒影さえも、光の中で視界を奪われながら、その元を辿っていく。

すると、光のさしてくる先からは岩陰から半身を乗り出して踏ん張る早苗の姿があった。


「あの神社の娘か…!くそ、あの力は自分の意思では操れないんじゃなかったのか!?」


彼女を睨みながら悪態をつく継はどこか思考を巡らせているようだ。

イレギュラーが重なっている。

それは、今さらながらにして明らかだった。

継がそれに気が付いたのは少々遅すぎていたが、既に原因はわかっているらしい。

そのまま彼はこのイレギュラーの原因であろうものに振り向き、鋭い目線を送った。


「お前、何をした!」


対して、黒影は実に楽しそうな声で答える。


「僕はなにも?この結果は知っていたけれど、招いたのは君の選択だ。僕はただ、彼女の手助けをしたまでだよ」


「何を…ッ⁉」


しかし彼らの会話もここで終わることになる。

長くため込まれた光熱と超巨星のようなエネルギーが、準備を終えたように活動を停止した。


「さて、君は彼女の怒りをどう受け止める?」


「マズイ――」


継は防御の姿勢を取ったが、これも数舜遅れての行動だ。

刹那の後、極彩色の光線が一直線となって継の方へ飛ぶ。

それは瞬きをする隙すら与えず、そして確実に継を直激した。


雷鳴の如く激しい衝撃と爆音が回りのすべてに鳴り響くと、そこに残ったのは静寂だけだった。


ー第13話ー

 圧倒的(あっかんてき)奇跡(きせき)ー抜天(ばっと)ー


 継の生死、不明。


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