14章 魔王編外伝
94章 贖罪
「ずっと、引っかかっていた。
なぜ、粗暴な魔物であったお前が、この村に辿り着くまでの間に、穏やかな魔物に変わっていったのか。」
「それは、お前の魔物としての能力に関わってくる、そうだろう?」
「……その通りです。」
「お前の、魔物としての能力、それは体内に取り込んだ者の能力を手に入れる事ができる。
そして、道々で人を食べ、その心を取り込んだ。だからお前は穏やかで善良な魔物に変わった。
そうではないか?」
「全てお見通しという事ですね。」
「その通り、私は少女を食べました。」
「そして、そのせいで善良な魔物に変わってしまった。
この人間を想う気持ちは、少女の心を盗み取った、偽物の気持ちなのでしょうか?」
魔王は、長い沈黙のあと口を開く。
「お前は、逃げられるのに、あえて自分の罪を人間に裁かせた。
ここへきて、我にまで自分の罪を裁かせる気か?」
「全て、お見通しということですね」
魔人ロウジンは観念したように、魔王に答えた。
「全て、贖罪なのです。善意も許しも、何もかも」
♢
海岸線のうねる波と、ごつごつと鋭利な岩場、下草がその隙間から生えている。
岸辺にあそぶ鳥たち。
その、イソシギの群れを眺めながら、魔王は何事かを考えていた。
そこへ、魔法の手紙が不意に飛び込んでくる。
それはアメトから魔王へ、呼びつけの手紙だった。
「決着をつける時か」
あとがき
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